lecca いじめ問題に真正面から向き合った映画「十​字架」の主題歌を生歌唱!

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leccaが23日、東京・港区で行われた映画「十字架」親子独占舞台挨拶付き完成披露試写会に登場した。

映画はいじめにより自らの命を絶ったひとりの少年の思いを背負って生きる人たちの20年後を描いたもの。同作品のために書き下ろしの主題歌を作ったleccaが登場し、主題歌である「その先のゴール」を今回イベントで生披露した。

歌詞についてleccaは「自分も小学生の時にいじめを経験した」と話し「今回の曲を作るときに、今いじめをうけているひとに自分が会えたらなんて言うだろう、なんて声をかけてあげられるだろう、と考えながら歌詞を書いた。」と明かした。

「今日見ている人の中で、もし周りにいじめられている人がいるとしたら、その世界は異常でスタンダードではありません。世界はもっと暖かいし、優しいはずです。そこの世界はおかしいと思い、その世界から逃げてください、そして自分を守ってください。」とメッセージを試写会に集まった人へ送った。

leccaはメジャーデビュー10周年目の今年、2016年1月27日に初のベストアルバム「BEST POSITIVE」をリリース。4月には、東京・日比谷野外音楽堂と大阪・大阪城野外音楽堂にて10周年を記念したライブを開催。

映画「十字架」は、2月6日(土)より有楽町スバル座ほか全国でロードショー。

以下、イベント・トークの内容

映画『十字架』の公開を記念致しまして、親子独占完成披露試写会を開催。

上映後には、書き下ろしの主題歌を作ったleccaが登場し、主題歌である「その先のゴール」を集まった150名の親子の前で披露。その後、監督五十嵐匠氏、出演者・小柴亮太を交え、映画について、そして、重松清氏の原作にも描かれている、現在大きな社会問題となっている「中学生いじめ自死」についての話なども織り交ぜ舞台挨拶をし、最後は登壇者全員で記念のフォトセッションを行った。

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・映画を作られた経緯は?

五十嵐:その前に、leccaさんの歌を聴いていろいろと考えてしまいました。映画を見終えてすぐに歌うのは大変だなと思いました。映画はいつも一人でスタートします。3年前に重松さんの本を読んだ時、夜中の3時に一人で涙を流しました。この映画を作れば、きっと自分のように涙を流す人が多くいるだろうと思った。

映画の企画を各映画会社にプレゼンテーションしましたが、震災が起き、社会が暗くなっている時にいじめをテーマにした映画をやりたがる会社はありませんでした。しかし、そんな時代だからこそ、この大きな社会問題に向き合わないといけないという想いで企画を進め、なんとか、この映画が完成しました。

・leccaさんの主題歌「その先のゴール」について

lecca:小学校の時引っ越しを経験し、新しい学校で転校生としていじめを経験しました。この主題歌は、その時のいじめを思い出しながら書いた曲でいじめを連想させる歌詞も多く聞く人によっては辛い曲だと思いました。この曲の他にも何曲か作り監督に聞いてもらいましたが、最終的にこの曲が選ばれてよかったです。

・いじめの経験について

lecca:いじめを受けている事は親には言えなかった。普通に学校生活を送っていると思っていてほしかったからです。いじめはとてもきつかったですが、いじめを辞めるように言ってくれた一つ上の先輩がいて助けられた。今の自分がもしそこにいたら、いじめられている子になんて声をかけられるかなと想像をしながら歌詞を書きました。

・小柴さんのフジシュンの演技について

小柴:全国でいじめを受けて辛い思いをしている人は多くいると思います。演技とはいえ、いじめを経験したのはとても辛かったです。カットがかかると、縁者の仲間が駆け寄ってくれて大丈夫かと言ってくれたのが思い出深い。いじめのシーンでは、マイクでは聴こえないくらいの小さな舌打ちがあり、それは演技とはいえ、とても辛くて、心が痛かったです。

・学校の出演者はみんなオーディションで集めた事について

五十嵐:800人くらいのオーディションで2つ分のクラスの学生を集めました。彼らとは3ヶ月間、毎週土日に演技ワークショップを開催しました。彼らにはみんなに原作を読ませ、感想文を書かせました。中にはいじめを経験して3回転校した子もいました。その子には、いじめる側の役をワークショップで演じさせましたが、その子は、「いじめがこんなに楽しいと思わなかったと。いじめ側には人がこんなに集まるのを知って楽しかった」と語った事にとてもショックを受けました。このワークショップで全員にいじめる側、いじめられる側を経験させ、みんなでいじめに向き合う事ができた。

・Leccaさんのいじめの克服は?

山田詠美さんの小説「風葬の教室」が当時のバイブルでした。主人公が私と同じように転校生でいじめられている設定でした。その主人公がいじめに立ち向かうために行った事を良く読み心のよりどころにしていた。

いじめは、いじめられる側にも理由があると言われる風潮がありますが、私は、いじめはする方が絶対的に悪いと思います。大人の世界にもあると思う。いじめを始めるのはだいたい数名からでいつの間にかいじめが広がる。それをみんなで食い止めるのが重要。誰も見ていないところで声をかけるとか。私も、辛い時期に、一人に、頑張って学校に行こうねと言われた事でとても勇気が出た。

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〆あいさつ

小柴:

同年代で、いじめで苦しんでいる人が多くいると思います。是非、同年代の多くの人に見てもらいたい、もし周りにいじめがあるならみんなで力を合わせてなくす努力をしてほしいです。

lecca:

今日で見たのが3回目です。実は私には子供が二人いるんですが、毎回子供の目線でこの映画を見てしまうのでとても辛いです。今日見ている人の中で、もし周りにいじめられている人がいるとしたら、その世界は異常でスタンダードではありません。世界はもっと暖かいし、優しいはずです。そこの世界はおかしいと思い、その世界から逃げてください、そして自分を守ってください。

五十嵐:

初めてleccaさんの歌を聴いた時、映画とぶつかるかなと思いました。他の曲を映画にも付けましたが、最終的に何故かこの曲が映画に倍加されてはまった。この曲を映画にはめて聞いた時、この曲と一緒に戦おうと思った。映画は一人では出来ない。予算の無い映画は、想いと人と熱意だけしか作り上げられません。そうやって作られた映画です。是非、みなさまには、口コミでこの映画を全国に広げてもらいたいと思います。この親子試写会がそのきっかけになればば嬉しいです。

ゲストプロフィール

lecca(主題歌「その先のゴール」)

シングル「For You」が、2009 年にUSEN リクエストチャート年間1位を記録。アルバム「BIG POPPER」はオリコンウィークリーチャート 4 週 TOP10 入りを果たし、一躍注目アーティストに。12 年には初の武道館公演を成功させる。近年では、MTV VMAJ で 2 年連続で“Best Reggae Video”に選出されるなど、ぶれることのない音楽性が高く評価されている。ドラマ「出禁の女」(15:EX)の主題歌~「live again」が配信でロングヒットを記録。メジャーデビュー10周年目の今年、2016年1月27日には初のベストアルバム「BEST POSITIVE」をリリース。4月には、東京・日比谷野外音楽堂と大阪・大阪城野外音楽堂にて10周年を記念したライブを開催。

五十嵐匠(監督)

1958年9月16日生まれ。ドキュメント性のある力強い演出で、数々のヒット作を創り上げている鬼才。代表作 『サワダ SAWADA』 」(96)『地雷を踏んだらサヨウナラ』(99)『みすゞ』(01)『HAZAN』」(03)『アダン』(05)『長州ファイブ』(06) 『半次郎』(10) 他多数。

小柴亮太(出演者)

2000年生まれ。「林家三平ものがたり」(06:TX)でドラマ・デビュー。「はあしのゲン」(07:CX)、「我々はゴッホになる!」(08:CX)、「わが家の歴史」(10:CX)、連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」(10:NHK)や「おひさま」(11:NHK)、「遅咲きのヒマワリ」(12:CX)などのドラマや、「太平洋の奇跡~フォックスと呼ばれた男」(11)、「おかえり、はやぶさ」(12)、「ALWAYS 三丁目の夕日’64」(12)、「カードファイト!! ヴァンガード/3つのゲーム」(14)、「モヒカン故郷に帰る」(16年公開)などの映画に出演。

映画について

中2の秋。クラスメートのフジシュンが命を絶った。遺書によって「親友」にされてしまったユウ。自分の誕生日がフジシュンの命日になってしまったサユ・・・。フジシュンの父親は、“いじめ”を知りながら何もしなかったユウたち同級生を決して許そうとはしない。そして傷ついた母親は、亡き息子の思い出にすがって命をつなぐ。それぞれがそれぞれに背負ってしまった十字架の重みに葛藤しながら、彼らは人生を歩き始める。果たして赦しはあるのだろうか? そして20年後、たどり着いたところとは?原作は「流星ワゴン」「とんび」などを手掛けた直木賞作家・重松清による2010年吉川英治賞受賞作品「十字架」(講談社文庫刊)。作家として全てのカードを出し尽くしたと言う本作は、「怒り」「悲しみ」が「赦し」「癒し」へと変化していく様を感動的に描き出す。 _

主演のユウを演じるのは、小出恵介。サユ役に木村文乃。そして少年の両親役を富田靖子と永瀬正敏。監督は、『地雷を踏んだらサヨウナラ』『長州ファイブ』の五十嵐匠。十字架を背負った旅の果てに見える光が心に響く、 魂揺さぶる感動作の誕生です