「織田かおり 9th SOLO LIVE“Make it”」オフィシャルレポート

無題oda22016年7月29日(金)、渋谷WWWにてアーティスト・織田かおりのワンマンライブ「織田かおり 9th SOLO LIVE“Make it”」が行われた。本ライブは、2016年4月に発売された3rdアルバム「Make it」を引っさげた内容となっており、平日にも関わらず会場を多くのファンで埋め尽くした。本稿では、大盛況のうちに幕を閉じたライブの模様をレポートする。

 オーディエンスによる盛大な歓声に包まれながらステージに姿を現した織田は、3rdアルバムのリード曲「Make it Real」を皮切りにライブの幕を開けた。1曲目にも関わらずクライマックスのようなパフォーマンスを繰り広げると、会場は一気にヒートアップ。大サビの「Go Ahaed!!」を会場全体でシンガロングすると、開演早々から大きな盛り上がりを見せた。

 なお今回は3rdアルバムを引っさげたライブということで、織田は全収録曲の披露を宣言し、緩やかで朗らかな曲調の「piacere!」を歌い上げる。途中、織田に合わせて手拍子が送られ、会場に一体感が生まれる一幕も。また「Reverberation」では拳を突き上げて客席を煽り、疾走感溢れるメロディと共に力強い歌声を会場いっぱいに響かせていった。

 するとMCでは織田から「piacere!」の制作秘話が飛び出す。2ndアルバム制作の前後に作られた本楽曲は、プライベートでも織田と親交の深い霜月はるかとのデュエット曲。また様々な経験を積み重ねた2年ぶりのアルバムということで、織田にとって外せない想いがあったと心の内を語った。無題odaその後は「Blessing~君に染まる声~」や「同じ空を」などスローテンポの楽曲を次々と展開。その真っ直ぐな歌声には、織田の等身大の想いが込められているようで、会場は優しくも温かい空気に包まれる。

 ここで再びアルバムの話題が挙がると「いい意味で“オレ負けねぇぜ!”と思いながら作りました」と思いの丈を明かした。そのため3rdアルバムには、自分を変えたいと願う織田の様々な“挑戦”が曲中に散りばめられているとのこと。

 早速、そんな想いが込められた曲の一つ「Change」を披露。初めて自身のボイスエフェクトが盛り込まれたナンバーからは、織田の“挑戦”が顕著に表れていた。さらに、歌詞中の「Far away!」をシンガロングしたり、オーディエンスと共に大きく手を振って一体感を高めたりと、織田が挑戦した結果が早くも会場いっぱいに広がっていた。無題oda3 会場の熱気を急上昇させた織田だが、その勢いは衰えることを一切知らない。クールな表情と相反し、熱くパワフルな歌声を響かせた「Maze」や、スタンドマイクを前に激しいダンスを繰り広げた「Addicted」など、会場を織田ワールドに引き込んでいった。

 アッパーチューンの連続でボルテージを増していく会場だが、MCでは一時のクールダウンを見せる。「Change」について織田は「私のライブに来て、皆さんがいい意味で“Change”してくれれば嬉しいです……なんつってー!」と会場の笑いを誘った。また作詞を手掛けたことから「曲をいただいたときの衝撃は忘れられませんね。この曲にどんだけにコーラスを入れるんだというワクワクがありつつ、どういう言葉を乗せたら口ずさむことができるのだろうかと考えた結果、英語になってしまいました(笑)」と笑顔で語り、ライブで披露できた幸せを噛み締める。

 ここからは「追想カノン」や「紅結び」といったヒットナンバーを連発。歌詞の一つ一つに想いを込める織田に対し、オーディエンスもコールアンドレスポンスやハンドクラップで応えつつ、テンションは最高潮に達する。

 アッパーなロックチューンの「TRAP」を圧倒的な歌唱力で披露し、会場のボルテージをさらに底上げ。熱気を帯びていくステージでは、バンドメンバーも巧みなテクニックを熱演し、織田の歌声を勢いづかせた。また、歌い終えた織田は「一生、私の罠にハマったままでいてくれますか?」と悪戯っぽく問いかける。すると、オーディエンスはすぐさま大歓声で応え、織田はどこか恥ずかしそうな表情を見せた。

 また、ここで7月27日(水)より6ヶ月連続リリースされるキャラクターCD『Theatrium 虚像の庭』のメイン主題歌と作詞を担当していることが明らかに。自身の楽曲は幾度か手がけている織田だが、作品へ宛てた作詞は初の試みとのことで、栄えある作詞家デビューに客席からは温かい拍手が寄せられた。

 そんな中、PlayStation®Vita用ソフト『7’scarlet』の主題歌「World’s End Syndrome」を熱唱。スピード感溢れるサビを全力で駆け抜け、間髪入れずに「PLACE」を歌いクライマックスへ向けて客席を扇動していった。そして、会場のボルテージが最高潮に達したところでラストナンバーの「LOVE×∞ 2016」を披露。全力で歌う織田に対してオーディエンスも全力で応え、その日限りの特別な空間が会場内に形成された。
無題oda5一度ステージを後にした織田だが、オーディエンスからの力強い“かおりコール”によって再び登場。ライブTシャツにショートパンツといったラフなスタイルで、和ロックな「ふたり綾とり」を歌い上げる。またアンコールからはサイリウムを振るオーディエンスも多く見られ、会場をきらびやかに彩る一幕も。

 一通り歌い終えた織田は、笑顔でいっぱいの客席を見渡すと「たまんないね、愛おしいよ」と改めて感謝の言葉を伝えた。また来年でソロデビュー10周年を迎える織田だが、デビューから現在に至るまでを感慨深く振り返る場面も。するとここで、記念すべき10周年となる年に、10回目のワンマンライブが行われることが決定。さらに、今年2月に行われたアコースティックライブの開催も発表となった。
無題oda4 そんな嬉しいサプライズ発表も行われたライブだが、ここで本当のクライマックスを迎える。「この歌詞に込められたメッセージが、まさに私と皆さんの繋がりを表していると思います」と語ると「ゼロトケイ」に想いを込め、優しい“詩声”を会場全員の心に届けていく。最後に織田が「一人一人が、欠けてはいけないライブだったと思います! また会いに来てくれますか?」と投げかけると、客席からはとびきりの拍手と歓声が沸き起こり、熱いライブの幕が下りた。ソロデビュー10周年へ向けて、駆け足で道のりを進んでいく織田の挑戦はまだ始まったばかりだ。

[文:鳥谷部宏平]

【Set List】

01.Make it Real
02.piacere!
03.煌めきの扉
04.Reverberation
05.心温
06.Blessing~君に染まる声~
07.同じ空を
08.Change
09.Maze
10.Addicted
11.追想カノン
12.紅結び
13.true colors
14.GRASPS
15.TRAP
16.World’s End Syndrome
17.PLACE
18.LOVE×∞ 2016

-ENC-
01.ふたり綾とり
02.暁のバタフライ
03.ゼロトケイ