Yeti「アンチテーゼ」インタビュー|覚悟と決意を込めたフルアルバム

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今年2月にリリースしたミニアルバム『光』が名刺のようなものであれば、今作『アンチテーゼ』はYetiの決意表明のような作品だ。2012年の結成以来、ミニアルバムのリリースを繰り返し、アイデンティティの模索を続けてきたYetiが、確固たる自信をもって提示するフルアルバム『アンチテーゼ』。現在彼らは、今作を引っ提げた全国ツアーの真っ最中。このアルバムから新たな一歩を踏み出した彼らの、リアルな声と音、そして思いを、ぜひ体感してほしい。

取材・文/大窪由香

 

――2012年の結成以来、Yetiはミニアルバムをこれまでに5枚作ってきていたわけですが、今回初のフルアルバムを作ることになったいきさつを教えてください。
涼木聡「僕らは自由にやりたいっていう理想をもって集まっていて、ポップで明るいカラーのバンドなのか、バラードが歌えるバンドなのか、はたまたロックな汗をいくらでもどんな量でもかけるバンドなのか――音楽って意外と選択肢が多いと思うんです、作り手側からしても。今までミニアルバムだけを作り続けていた理由というのも、半分試験的な部分もあったと思うんです。バンドのいろんな側面、その先に残すべきサウンドだったりカラーはどこなのかっていうことの。それで枚数もかなりリリースさせてもらって。ようやくシンプルにYetiってこういうグループですっていうものを、我々の中で納得することができたというか。それが一番大きかったですね。メンバーの温度感だったり、センスだったり、そういうところの擦り合わせも一番いいタイミングでできるようになって、ミニアルバムではなく、ここはフルアルバムでたっぷりと、一枚の世界観を表現できるんじゃないかなと、去年ぐらいから思ってました」

――このメンバーになって、固まったっていうのも大きかったんでしょうか?
涼木「そうですね。ギタリストの沢村が加入して4人体制になって」
Bikkey「もう一年ぐらい?」
涼木「年内で一年半とか。だからお客さんも加入したとかいう話も“そうか、加入したんだった”みたいな感じで(笑)」
沢村英樹「確かに(笑)。俺自身もそうだから」
涼木「去年とかその前とかはたぶんフルアルバムを作れなかった、作りたくもなかった。そこで彼と一緒にミニアルバム『光』を作った。そしたら世界観、攻撃的な部分や守るべき音楽、そういうものを自信もって提示できる土台が組み上がった。今しかない。きっと来年とか今年の末でもなく、このタイミングが一番ベストなのかなって、リリースしてより思いますね」

――ある意味腹をくくった、という感じですか?
涼木「それ、ズバリだと思います。僕らもそうだし、リスナーの人、ファンの人もそれぞれ悩みはあって、どんなことをしていけばいいのかとか、日々悩みながら、仕事だったり学校だったりと、いろんな選択肢の中から一つを選んできてると思うんですけど、我々もやっと、10個の選択肢があったら9個捨てられた、いや、とんでもない数の選択肢から、やっと1つだけが見つかったので、それをこの楽曲に起こしたっていう感じですかね」

――沢村さん、Bikkeyさん、多村さんはいかがですか?どんな思いでアルバムに向かいましたか?
沢村「やっと作れる土台が出来上がったのかなと。作ってみたら作ってみたで今の自分達がどこを向いているのかとか、自分達が今どこまでできるのかということの確認にもなったのかなと。作り終えてみて、今思いますね」
多村直紀「今回のアルバムを通して、すっかりみんなちゃんとミュージシャンだなと感じました。ちゃんと一人一人が楽曲に対して向かっている姿を見ていると」
涼木「ドラマーはみんなの背中を見て演奏するから余計そうだよね」
多村「うん、自分も含めなんですけど、プレイだったり、曲に対しての見方だったり、しっかりと大人の見方というか、ちゃんと見れるようになってる気がします。特にこの4人になって、今回のフルアルバム11曲を通して余計に、みんな育ってるんだなって(笑)、そう思いました」

――Bikkeyさんは?
Bikkey「他の3人と一緒です」
一同「ハハハハハハ」
Bikkey「つまり、こういうことなんですよ。結局言いたいことがみんな同じというか。みんなの方向性が定まってるからアルバムができたんだろうし。みんな同じ方向を向いてるんですよ」
涼木「まさにそういうことを再確認できたというか。制作の中で何かちょっと食い違うと、モチベーションだったり制作意欲も下がってくるんだけど、楽しいだけでは作れないような気がするんです。意見がわかれることも多かったといえば多かったですけど、みんながいいアルバムに仕上がればそれでいいっていう。だから結構言い合いは多かったですね。『ここはもっと、こうした方が絶対かっこいいと思うけどどう思う?』『いや僕は……』みたいな。みんなの曲に対する、CDに対する愛情が、たぶん全員同じ温度感だったんだと思うんです。仕上がる前から愛してくれてる。それをすごく早い段階から、制作中ずっと思ってましたね」

――このアルバムを作るにあたって、例えばコンセプトだったりとか、みなさんで事前に話し合ったりしたことはありますか?
涼木「コンセプトというよりは、僕はCDのタイトルをすごく大事だと思っていて、後付けにあんまりしたくないんですよ」

――『アンチテーゼ』というタイトルが最初にあったということですか?
涼木「そうです。『アンチテーゼっていうアルバムにしようと思います』ってみんなに言ったら、すごくいいと思うって言ってくれて、そこからみんなのスイッチが入ったというか。“アンチテーゼ”っていう単語自体、なかなか、軽快な音楽ではないなっていうイメージはあるじゃないですか(笑)。なんとなくイメージは言葉から読み取れるような、結構インパクトのある言葉かなと思っていて。アンチって、“反”だったり“Aに対してのB”だったりっていうところがあるので、みんな各々、詳しくは聞いてないんですけど、結構燃え上がってくれてました。タイトルをみんなに投げた段階で」

――タイトル聞いてそれぞれ思うところがあったと。
沢村「そうですね」
涼木「ギターは、ロックというか、原点回帰というか、余計なことをしないとか、そういうところになっていったよね」
沢村「うん、そうだね。4人で演奏してるんだっていうところをすごい意識して、みんなレコーディングしたというのもありますし」
涼木「あんまりインタビュー読んでくれるような人に言う内容でもないかもしれないけど、バンドさんによってはドラムとか後で直すんですよね。小節にぴったりあわせて、打ち込みのような聞こえにするために加工したりっていうのは、結構かっこいい曲の仕上げ方の一つではあったりするんですけど、それじゃどうしても嫌で。よそと比較してっていうと聞こえがよくないんですけど、このアルバムは人間味がものすごくあると思います。そういう編集をしていないので。ドラムが叩いたビートと、ベースも同時に録音するので、二人のベーシックな土台みたいなのはたぶん、あの日以外に録ってもまた違っただろうし、彼らがこういう人間じゃなかったらまた違うだろうし。その時その時のリアルタイムを残していくような、ものすごく貴重な瞬間でした。真剣に一音一音録音してくれたから、後にのっかるボーカルやギターに関しては安心感がありましたね」

――実際、とてもライブ感を感じるサウンドメイクになってると思います。
涼木「CDを作ってるっていう感じよりかは、ライブで演奏するための表現方法の一つというか。Bikkeyなんかもよく言ってましたね。ライブっぽさを出したいとか。音作りを一番ステージに近づけたいといか。生々しいフレーズをなるべく採用してくれて」

――例えば「LIFE」なんかは、ちょっと歌がかすれていたとしてもアリ、っていう感じだったり。
涼木「そうですね。歌録りってメンバーが監修してくれるんですよ。だから『今の聡くんの歌いいよ』とか、『もっとこういうふうな声も出るから、もう一回歌ってみようか』とか、そういう助言をもらいながら歌うんです。一番いいテイクがとれるまで歌ってみようって、結構長い時間まで協力してもらって、結構繊細なところまでこだわらせてもらったんで」

――じゃあ歌録りの時にも全員がスタジオにいるんですね。
沢村「基本的にはみんないます、レコーディング中」
涼木「ハモりとかもパソコンのデータで作らないので。僕が全部ハモりのパートとかも録音するんですけど、メンバーがうるさいんですよ。『もっとこういう質感で歌った方がいい』とか。じゃあ君が歌ってくれよと(笑)。そういう冗談が言えるぐらい、みんななんだかんだ愛してくれて、研究してくれたアルバムなんです。最初に言ったとおり、ボーカリストが歌詞と曲を作って、それをYetiっていうバンドの真ん中で歌ってるっていう、そのYetiっていう存在自体を愛してくれているので、どれだけフレーズを自分で葛藤してようが、行き着く先が歌だったりするんです。そういう意味では、どこを向いていたかというと、“どれだけ伝えられるか”みたいなところに4人が一致していたので、リスナー目線でいうと歌詞だったりメロディだったり、一番聴こえる部分が生かされた作品になったんじゃないかなと思います」
多村「最後の最後の本当に最後まで気が抜けなかったね。自分の録りが終わったら、『じゃあ任せた!』っていうことではないんで」
涼木「ドラマーさんなんて、ドラム終わったら帰っちゃうっていう人もいるもんね、きっと」
多村「うん。リズム録りって一番最初に終わるので、そこで終わりにならないのがうちで。基本的に全部監修して。正直めちゃくちゃ疲れますけど、やりがいがあります」
沢村「ドラム録りより疲れてそうだもんね(笑)」

――では、一曲ずつ伺っていきたいと思います。一曲目の「ナスカ」。
涼木「ロックバンドと思えないようなアルバムの始まり方というか(笑)。アルバムのプロローグというか、実際アルバムが始まるのは2曲目からっていう認識を僕はしていて。『ナスカ』っていう物語の始まりで、アンチテーゼの世界が広がって行くっていうような、いいスタートになったなと思います」
沢村「『ナスカ』はラクダの映像がメンバー全員浮かんで」

――ラクダ? あのラクダ?
沢村「そうです、キャメル感です(笑)。キャメル感を重視した曲です」
Bikkey「どうやったらあの砂漠感が出るんだろうっていう」
涼木「結構旅をするようなアルバムにしたくて。『ナスカ』で始まって、一番最後の曲『Tomorrow land』で終わっていくんですけど、『Tomorrow land』っていう曲自体が、出発感がある感じに作ってあって、その旅の出発地点を砂漠っぽいイメージで制作してたので(笑)、キャメル感ということに」
沢村「旅=ラクダ、みたいなイメージがあってね」
多村「最初は砂漠感だったんだよね」
Bikkey「砂漠感とか旅感とか言われてたんですけど、だんだん深くなってキャメル感になって(笑)。キャメルフレーズしか弾いてないですもん、ベースも」

――キャメルフレーズ(笑)。
沢村「こぶが見えるようにね」
Bikkey「ふたこぶの隙間とかね。それが見えてきちゃうんで、同じ方向を向いているんですよ、ラクダと一緒に」

――はい(笑)。では「哲学」。ここまでリフレインされると、哲学とは何だったかと、改めて勉強させられました。
涼木「まずリフレインのメロディが思い浮かんで。それに“哲・学”っていう4文字のメロディが自分の中ではまったんです。そしたらそれだけで一曲作れたっていう。事の発端はシンプルだったんです。“哲学”っていうワードがすべて。そこから歌詞もメロディも広がっていった曲ですね。僕なりに結局何を考えたのか、何を哲学したのか、その考えた先がこのアルバムだったり、うまくアルバムの世界に引き込んでくれる曲になりました。今回のワンマンツアーのタイトルにもしたぐらい、“哲学”っていう文字がものすごくテーマになっています」

――「ハロウ」は、最初の美しいピアノイントロからは想像できないようなヘヴィな展開になりますが(笑)。
涼木「そうなんですよ(笑)。僕が表現したかったのは、“世界”とか“ハロウ”とかって結構爽やかな印象をもつ言葉だと思うんですけど、でも世界ってそんなにきれいなものだけではなく、山谷があって、人生の浮き沈みだったり、気持ちの高揚だったり、それこそ“あいつ、むかつくな”っていう瞬間もあれば、“世界中のすべての人が幸せになれるように”って思ったりもするし。そういうものを一曲に込めたかったんです。僕なりの表現がトラックに出てるのかなと思いました」

――「Scissors」はリズム隊がガンガンにいける曲ですね。
Bikkey「俺のアンチを詰め込んだんですよ、この曲に。この曲はライヴの時、見物だと思いますよ」
涼木「この曲はタイトルどおり、鋭利な刃というか、バンドのとがったところを表現できたらなって。チャレンジ曲ではあります。ギタースラップといって、ベーシストがやるスラップ奏法をギターでやってて。Bikkeyが言ったように、これはライブが面白くなると思うので楽しみですね」

――「森林に生息する」。インスト曲かと思いきや。
涼木「ちょこちょこ歌が出てくるんですよね。これは、街に捨ててあるゴミを見て、人間ってカッコ悪いなって思ったんです。それをたった6行のメッセージで、どこまで人の心を動かせるのかなっていうチャレンジがしたくて。自分自身でもまだその答えは出てこないぐらい、広い歌詞です。

――今回のアルバムの紙資料で、“作詞”を“作詩”と表記されていて。それが涼木さんっぽくていいなと思ったんです。
涼木「特にこの曲なんかは音楽というよりかはキャッチコピーというか、簡単なワードで構成されてますからね。曲自体はギターのアルペジオというか、『ナスカ』『哲学』から始まった旅が一度休息するぐらいの、一息つけるような存在の曲になってるので、いいところにいるなあって、すごい気に入っている曲です」

――「Birthday」はこのアルバムの中ではキャッチーな曲ですね。
涼木「年齢性別国籍問わず伝えたいことで。音作りはメンバーに助けてもらったんで、軽快さと力強さと、ちょっとシュンとなるようなフレーズがあったり」
Bikkey「結構昔からデモの段階で存在してる曲だったんです。サビとかも」
涼木「Aメロイントロぐらいまでは作ってあって、サビが新しくくっついた感じで、一番あっためた曲かもしれません。Bikkeyがずっと気に入ってた曲で」
Bikkey「そう。今回入んないんだ、今回も入んないんだ、みたいな。それでやっと入ったと(笑)」
涼木「『あの“階段1、2、3”の曲、入れないの?』って(笑)」
Bikkey「そうそう(笑)」

――その時、歌詞ももうあったんですね?
涼木「構成は詰めてあって。あとは何調に仕上げようかとか、ライヴ向けにしようかとか吟味して吟味した結果、一番いいバランスで前向きなロックスタイルというか、ポップスタイルというか、アルバムの中でもかなり涼しげな、かつライヴの景色が見えやすいというか、音楽の力が出せたと思います。歌詞は説明するまでもなく、作文みたいな歌詞なんで」

――この一番最後の「こちらこそおめでとう」は誰の言葉なんですか? “昨日”が言ってるんですか?
涼木「それは、僕の死んだおばあちゃんが言ってるんですよ。昔、“なんで死んだんだよ”っていう歌詞を書いた曲があって。それは“なんで死んだんだよ”で終わってたんで、ちゃんと消化して次に進みたいというのが思って。僕のおばあちゃんが言ってるというと、ちょっと狭くなってしまうんですけど、イメージとしては“あなたが産まれたことを喜んだ人たち”が言ってるっていうイメージですね。こちらこそおめでとう、って誰かが言ってくれた、という。あなたのための言葉、っていう感じです」

――「Life」はストレートな曲で。
涼木「曲でいうと、アンビエントな、エアリーな曲で。最初はメンバーにこういう歌詞を書くからねって連絡したのは、『Birthday』はさっき言ったように力強い命の歌だと思うんですけど、そうきれいごとばかりも言ってられないわけで、生き物は脆く弱いので、そこにちゃんと向き合うというか。『Birthday』に対するアンチテーゼというか。『Life』なんてとくに一人きりで聴いてほしい曲ですね。いい意味で我に返ります、っていう曲の代表格だと思います」

――そして「Unbalance」。この曲も「哲学」「ハロウ」同様、先行配信された曲ですね。
涼木「はい。この曲は結構さくっと作った曲で、僕はアルバムに入れるかどうしようかって思ってたんだけど、メンバーが『キラーチューンになったんじゃないか?』って言ってくれて。僕が作りたい世界観ですっていうよりかは、メンバーが背中を押してくれた曲というか。絶対この曲、歌詞を書いてメロディがかたまってきたらたぶんいいと思うよって、背中押してくれたから完成できた曲ですね」
沢村「バンド感っていうのをすごく感じたんですよね。たぶん4人でやったら面白いんだろうなっていうのをすごい感じました」

――「151A」、これは一期一会ってことですよね?
沢村「僕は最初“151エース”だと思ってました」
涼木「ポケモン流行ってるからね(笑)。この曲は早めにできた曲で。去年の秋口に幸運なことに大学の文化祭に出演させてもらう機会があって。そういう我々も青春があったわけで、学生生活だったりを思い返したら、そういう出会いが重なって今があるんだなって思って。理数系な曲というよりかは、純粋に炭酸飲料を飲んで街を走り回るというか(笑)。そういう、音楽を一回シンプルに作ってみたいなっていう思いが曲にも表れているし、歌詞にも表れている曲。回りくどいことはやめようと。アルバム内で唯一、シンプルで骨太な曲です」
Bikkey「甘酸っぱさもあります」
涼木「キュンとするね。今を駆け抜けてる、毎日が追われてるような人にも共有して欲しいなっていうメッセージを含んであるので、いろんなことを思い出しながら、これからライヴで披露していきたいなっていう曲ですね」

――「○○と僕」はアコギと歌が印象的です。
涼木「この曲が一番最後にできた曲で。事の発端が、レコード屋さんでCDを出すたびにイベントをやらせてもらえるんですけど、僕らロックバンドなんですけど、アコースティックな形態でやらせてもらうことが多くて。半分アコースティックバンドなんじゃないかって思うぐらいの時期があったんですよね(笑)。ロック、エレキ、歪みみたいなのにこだわらずに演奏できるっていうのは、僕らが養ってきた経験だったり土台だったりで。いろんなところでのアコースティック演奏がなかったら、この曲は生まれてなかったし、全員収録しようって言わなかった」
沢村「この曲に関してはエレキは弾いてないですからね」
多村「リズムに関しては、リズムとして結構なりたってない部分でもあるんですよ、実は。だからこの曲に関してはドラムではないですね。パーカッションというか、そういう感じの役割だったので。ほんとに最後の最後までリズムっぽいことはそんなにやってないですね」

――前作『光』の時に買った沢村さんのアコギが今回大活躍でしたね。
沢村「はい、大活躍でした」
涼木「爪をアコギ用にしてね」
沢村「私生活を捨ててまで伸ばして補強してるんですよ。爪も使って弾いたりするので」

――最後の「Tomorrow land」。
涼木「この曲は、今それこそワンマンツアーのリハーサルとかやりながら過ごしてるんですけど、「Tomorrow land」は演奏しはじめたのが早くて、馴染むのが早くて。アルバムを締め括る、すごくドスンと構えた安定感のある楽曲に聴こえる人が多いと思いますけど、意外と汗かけるというか、ライヴで化けるなとリハーサルのスタジオで感じてます。きっとリスナーの人もステージを想定しながら聞いてくれる方が多いと思うんで、あんまり一概にこれってきめつけはできないですけど、“Tomorrow” って明日ですよね。『ナスカ』で始まった旅が、ラストの「Tomorrow land」に向かっていくアルバムだとは思うんですけど、「Tomorrow land」自体は最後のアウトロのところでもう一曲次くるんじゃないかなというような終わり方にしてるんですよ。旅人がたどりつく歌ではないんです。それが『アンチテーゼ』で考えに考え抜いたところで。いろんなところに多角的なサウンドのアプローチがあると、そう気付いた結果歩き出せる。それを我々自身も対面しているというか。ツアーに行く、いろんな土地でライヴをする、旅に出るわけですからね。このアルバムをもってツアーを回って東京に帰ってくるんだっていう、まさに「Tomorrow land」の世界と言うか、ツアーでもすごく大事に歌える演奏ができる曲だという予感しかしません」
Bikkey「俺、こういうベースをずっと弾き続けたいんですよ。こういう曲が一番大好きで。だから意外にこんな髪の毛の色してますけど、こういう歌ものの曲が好きなんです」
沢村「YetiではA、B、サビって全然展開が変わる曲が多いんですけど、この曲は珍しく全然リズムっていうリズムが変わらず、A、B、サビっていくし、ギターも全然シンプルだから」
Bikkey「やってて気持ちがいいんだよね」
沢村「うん。だから4人でやってる感がガッツリ出てる曲だよね」
多村「団結して息も合ってる感じがするよね」
涼木「イントロからアウトロまでの時速は変わらないよね。途中から早くなったりしないもんね。考えてるね。今回アルバムの曲順もすごいいろいろ出して、どの曲順だったら聴きやすいかを吟味して、選んで選んで決まった曲順だったりするんです。それによって演奏とか曲の終わり方とかも変えて、曲間ですら楽しめるように吟味しました。まとめてしまうと、我々としてはこの『アンチテーゼ』っていうアルバムがなかったら、たぶんダメなバンドになっていたと思います。それぐらいこのアルバムは大事で、我々としてのターニングポイントになっています。これが作れるバンドになれたから、自分で未来を切り拓いていけるバンドなんだなっていう自覚ができた大切なアルバムなので、大切なアルバムを大切な人に向けて大切に歌っていきたい。ツアーを終えてぶ厚いひと皮をまたさらにむきたいので、いろんなところでCDを聴いていただいて、ここでお話したとことを、ツアーで実体験しに会場に足を運んでくれたら一番嬉しいです」

 

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【商品情報】
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Yeti 1st Full Album
「アンチテーゼ」
2016.09.14 Release
3000円(tax in)/AK-0059

[収録曲]
1.ナスカ
2.哲学(アンチテーゼver.)
3.ハロウ(アンチテーゼver.)
4.Scissors
5.森林に生息する
6.Birthday
7.Life
8.Unbalance(アンチテーゼver.)
9.「151A」
10.○○と僕
11.Tomorrow land

 

 

【ツアー情報】
Yeti ONEMAN LIVE TOUR〜Antitheses 2016 – 2017 〜「哲学。」
9月17日(土)東京・四谷lotus
10月1日(土)福岡Queblick
10月2日(日)岡山クレイジーママ2nd room
10月10日(月・祝)仙台enn 2nd
10月22日(土)名古屋ell size
10月30日(日)新潟 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
11月13日(日) 京都mojo
11月26日(土) 前橋ダイバー
12月10日(土)大阪pangea
2017年1月8日(日)代官山UNIT

 

【インストアイベント】
9/17(土)ヴィレッジバンガード池袋サンシャインアルタ店
9/24(日)TOWER RECORDS 千葉店
9/25(日)TOWER RECORDS アリオ上尾店
9/30(金)TOWER RECORDS アミュプラザ博多店
10/2(日)TOWER RECORDS アリオ倉敷店
10/8 (土)ヴィレッジバンガード 渋谷宇田川店
10/9(日)TOWER RECORDS 仙台パルコ店
10/10(月・祝)TOWERminiアリオ仙台泉店
10/14(金)TOWER RECORDS 鷲宮店
10/16(日)TOWER RECORDS グランツリー武蔵小杉店
10/16(日)TOWER RECORDS 津田沼店
10/22(土)TOWER RECORDS 大高店
10/30(日)TOWER RECORDS 新潟店
11/12(土)TOWER RECORDS 大阪梅田マルビル店
11/19(土)TOWER RECORDS 川崎店
12/9(金)TOWER RECORDS 難波店

 

【学園祭ツアー】
10月15日(土)共立女子大学(東京都)
10月29日(土)愛知淑徳大学(愛知県)
11月2日(水)明治学院大学(東京都)
11月5日(土)東洋大学(東京都)
11月6日(日)京都府立大学(京都府)

 

【Yeti オフィシャルサイト】
http://yeti-web.jp/