<LIVE REPORT> BLUE ENCOUNT、遂につかんだ夢の武道館公演。新しいブルエンの開幕戦!

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東京はこの日、朝から大雨だった。
自称フェスでは晴れバンド、ワンマンは雨バンドのBLUE ENCOUNT。
その言葉に嘘はなかった。見事な大雨で、会場入りするメンバーを迎える静かに佇む武道館。
遠い存在だった。2005年にバンドを結成してからずっと憧れてきた場所だった。純粋に夢に向かう者を嘲笑う声に心折れそうになるときもあった。その夢にまで見た聖地のステージにようやく立てる日が来たのだ。

そんな夢を叶えた若い勇者達を味方してか、昼には雨もおさまり、今日という日を待ち望んでいたファンにも優しいおもてなしだ。

ブルエンの武道館ライブが決定した日から今日まで、メンバーに引けを取らないくらいに喜んでいるのがファン、そして戦友ともいえるバンド仲間達なのだ。

04 Limited SazabysやTHE ORAL CIGARETTESなど幾多のバンドからも応援コメントが届いていたり、SNSでは全国のファンやCDショップ、メディアからも祝福のエールが絶えなかった。

そんな中、突然メンバーが正装姿で武道館に現れた。
まだライブが始まるまでに何時間もある。
予期もしないその突然の出来事に周囲が騒然とし、同時に歓喜の声を上げる者、スマホのレンズを向ける者の人盛りが一気にできた。

ファン想いでサプライズ好きな、なんともブルエンらしい登場の一幕だった。

ついに開場となると、観覧席には観戦に駆けつけたTHE ORAL CIGARETTESやKANA-BOONメンバーの姿も。

いよいよ開演時刻。
オープニングでは、今日までの道のりを彷彿させるような想いを乗せた映像が流れた。メンバー登場前に既に涙ぐむファンの姿も。

それだけ皆が待ち侘びた瞬間がもう目の前に迫っている。

そして皆でカウントダウンをしてメンバーをステージに迎え入れた。

優しいメロディリフのあと、Vo. Gt.田邊の「準備できてるー?」の声とともに演出の花火が上がり、『DAY×DAY』でこの日のライブが開幕した。

続けて『HALO』。これは約一年でMV視聴再生数が46万に達し、世に彼らの名を知らしめたともいえる力強いナンバーだ。
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観客の各々挙げる手が、もっとくれよ、もっともっとくれよと言っているように聞こえる。

2曲が終わり、MC第一声で「武道館ー!!!」と叫ぶボーカル&ギターの田邊。どうやらオープニングの感動的な映像を今日まで見たことはなかったようで、「スタッフが完全に泣かせにきてる」とやや照れ笑い。そう、田邊は泣くのだ。感極まると顔をくしゃくしゃにして泣いてしまうのだ。

しかしここでは込み上げてくるものをまだ抑え、『MEMENTO』へと繋いだ。
彼らにとって「特別」なステージに立っているからだろうか、田邊の背中がこの日はひとまわり大きく見えた。

続けて『声』。田邊とファンがともに拳を挙げ、互いの想いを確かめ合うかのような熱いコール・アンド・レスポンスの応酬。

ベース・辻村、ギター・江口がエッジーな音で空気を切り裂き、
『Survivor』へ。
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「まわりまわって さぁ今 重なり合った未来 手を取りあって僕ら 地を這い立ち向かうよ」
メンバーと息ピッタリの呼応で挙がったファンの無数の手が、力強さを増していく。

田邊がMCで、「緊張はしていないけど、いつも客席から見てる(武道館の)景色と、ステージから見る景色はだいぶ違うと!」と語る。

「ベタなこともやりたいからやらせてよ!」といって始めたのは、「アリーナ元気かー!!」(アリーナから歓声)、「1階席ー!!(歓声)、2階席―!!(歓声)」にんまり満足そうな表情を浮かべる田邊と、その様子を温かく見守るメンバー達。

「テンションは上がっているが、武道館だからといって特別なことはなにもない。ライブハウスにいるいつもの俺らだ」と満員の会場を見渡し語る。

何よりファンを大事にし、ファンとともに歩み、ともに道を作ってきたブルエンだからこそ、多くの想いに導かれるかのごとく、この大舞台にたどり着けたのかもしれない。

大歓声が途切れることのないなか、
高揚感とかすかな緊張感の中、『アンバランス』を快調に飛ばし、ややレゲエ調の『JUMP』を歌い上げると、お祭りチューンの『HEEEY!』を投下。
ここは祭り会場だ。今日はお祭りの日なのだ。今日だけは許してくれよ、踊らせてくれよ、会場中がそう言っているかのような熱気に包まれた。ブルエンが、武道館のステージに立っていることがただただ満場一致で嬉しいのだ。

ここで田邊が、もう一つどうしてもやってみたかったことがあったと語る。

武道館に立ったアーティストが皆やっている(?)ウェーブを実践、体感してみたいというのだ。
会場のファンはノリよく、「いつでもいける。来い」といった反応だ。

結果、見事なウェーブが広い会場を一周した。

途中、MCから幾度か脱線するも、ひと満足したらライブを思い出す田邊。

「まだいけるー!??」という煽りで始まった『ONE』。

「何もないんだよ、何もないんだよ、君を縛り付けるものなんかはない」

歌が語りかける。「辛いなら僕も叫ぶよ」。

そう、ブルエンの歌はいつも隣にいる。
上でも下でもなく、いつも横にいてくれるのだ。心の中でそっと手をつないでくれるのだ。「置いてきぼりにしないよ」と言ってくれているかのように。

「楽しいこと、悔しいこと、悲しいこと、そんなことが今までいっぱいあっただろう。でも今日はお前の仲間しかいないから。どうか安心してくれ」 田邊が言葉を絞り出す。

続くは『ANSWER』。
色んな想いをしてきたブルエンだからこそ言っていいのだ。伝わるのだ。意味があるのだ。
「世間に出たら敵ばっか。こっちが思ってるだけかもしれないけどそう感じる。」と。
「自分をもっと大事にしてあげて」「誰かのルールになんか乗っかるな、気にするな」
ファンに、また自分達にも言い聞かせてきた言葉のように感じた。
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ドラマー・高村が扮する「DJ高村」が、アリーナフロアど真ん中でパフォーマンスするというエモーショナルなコーナーを挟み、

一転、突如バイオリンなどクラシック弦楽器の演奏陣が現れ、幻想的な空間が創出される。

静かに歌い始めたのは『YOU』。
田邊の歌声だけが静まり返った場内に響く。皆今日の記憶を胸に刻むかのように聞き入っていた。歌詞にある「これからもよろしくね」。ライブ中盤でこの曲を持ってきたのは、ファンへの日頃の感謝と明日からの再出発の挨拶だろうか。これからの俺らの隣にいてくれよ、俺らも隣にいるから、そんなことを言われている気がした。

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続くはバラードナンバーだがブルエンの要素がたくさん詰まった『はじまり』を披露。

そして、日本テレビ系土曜ドラマ『LAST COP』の主題歌に選ばれた新曲『 LAST HERO』が披露された。「ファミリーが見てる時間のエンドロールでBLUE ENCOUNTと流れたのヤバイ」と素直な喜びを語る辻村。ちょうどステージの正面席でこの日のライブを観に来ていた「LAST COP」の番組制作陣へ向け語りかける田邊。「LAST COPに”出演”したい」という直談判が「前向きに検討」されることとなった一幕もあり、会場中が大いに盛り上がる。

ライブは後半戦に突入。
勢いよく吹き上がる炎とともに『JUST AWAKE』へ。

駆け抜けるような疾走感あるサウンドに、ブルエンの化身のような炎と突き上げる観客の拳との戦いのようだ。「かかってこい!」という辻村の煽りに、負けじと大きなレスポンスを返す客席。
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日本武道館内のボルテージがMAXのまま、『THANKS』へ突入。
ここがライブハウスなら、おそらく無数のサークルモッシュが起こっていただろう。そんな勢いだ。

そして、『LIVER』。
すでに開演から二時間は経過しているが、いっこうに疲れ知らずのオーディエンスはブルエンのグッズタオルを激しく振り回す。

『ロストジンクス』始まりのMCで「1年前だったら嘘みたいな世界が広がってんだ、今ここに。でも、これだけじゃ終わりたくねーんだよ。別にカッコつけなんてしない。武道館でも不安なんだ。クソみたいな人間がただ立ってるだけなんだ。だから力を貸してくれ。」と語りかける。
そして、集まったファンに、また自分達にも“これからも負けるな”、“自分を信じろ”と言い聞かせるように、『だいじょうぶ』を力強く歌い上げた。

「やっと見つけた夢でも、反対されたり、野次られたり、おまえバカだと言われ続けて、それでも12年やり続けた結果、続けていれば夢はいつか叶うんだって分かった。諦めずがむしゃらに頑張ってたら、反対してた奴らが応援してくれるようになった」と田邊は言うと、この日を観に来ているという両親に、関係者に、そしてすべてのファンに深々と頭を下げてお礼を言った。

「でもここで終わりたくない。もっと、みんなと一緒に夢を見たい」その言葉のあと、会場中が歓喜に包まれる重大発表がなされた。

来年2017年3月20日、幕張メッセ国際展示場でのワンマンライブ開催告知が、田邊の口から飛び出した。

「これからも俺らとお前らは、BLUE ENCOUNTです!よろしく!」と言い終えると、間髪入れず本編ラストのナンバー、『もっと光を』が始まった。
会場中が完全に一つとなり、大合唱となる。
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そう、メンバーだけではブルエンのライブは完成しない。大勢のファンが一緒にいて、一緒に歌い、初めて「ブルエンのライブ」になりえるのだ。

曲が終わり、メンバーが袖に消えても、「もっと光を!」のコールが鳴り止まず、場内のみならず会場外にまで、1万人以上の大きな声が響き続けていた。

メンバーが再び登場する前、更なる重大発表が大型のスクリーンに映しだされた。

“2017年新春、ニューアルバム『THE END』リリース決定!” さらに、”2017年3月から史上最大規模の全国ワンマンツアーが決定!!”

大歓声が沸き起こる。

そして、アンコールでメンバー達が再び登場する。
今日は特別にということか、発表されたばかりのニューアルバムに収録されるであろう新曲を、まだタイトルすらない新曲を丁寧に奏で出し、アンコールのステージが始まった。
新曲に続き、定番ナンバーの『NEVER ENDING STORY』、そして『HANDS』で、記念すべき、ブルエン初の日本武道館公演は締めくくられた。

ゴールではなく、次の目標へ向けての第一歩-。
そう感じられるライブだった。
BLUE ENCOUNTの夢への冒険は、じつは始まったばかりなのかもしれない。

「これからもついてこいよ!その手をずっと放しませんから!!」

アリーナのファンからプレゼントされた寄せ書きぎっしりの横断幕を持ち、
会場中のファンと一緒にステージから「はい、メガネー」の合図で記念撮影をする嬉しそうなメンバーたち。

照明に照らされ紙吹雪がキラキラとステージ全体に舞うなか、この先に
彼らがみる景色、ブルエンの夢の続きを一緒に見てみたい。
そう感じずにはいられない、とても未来志向で楽しいライブだった。
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カメラマン:浜野カズシ
取材・文: 菅野友美

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<2016/10/09 LIVER’S 武道館>
■■■セットリスト■■■
01. DAY×DAY
02. HALO
03. MEMENTO
04. 声
05. Survivor
06. アンバランス
07. JUMP
08. HEEEY!
09. ONE
10. ANSWER
11. YOU
12. はじまり
13. LAST HERO(新曲)
14. JUST AWAKE
15. THANKS
16. LIVER
17. ロストジンクス
18. だいじょうぶ
19. もっと光を

アンコール.
En 1.新曲
En2. NEVER ENDINGSTORY
En3. HANDS

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■■■リリース情報■■■
◇ニューシングル 「LAST HERO」11/23(水)リリース決定!
詳細:日本テレビ系土曜ドラマ「THE LAST COP/ラストコップ」主題歌

アーティスト名:BLUE ENCOUNT
タイトル:「LAST HERO」
発売日:11月23日(水)
●初回生産限定盤(CD+DVD)
価格:¥1,759(税抜)
品番:KSCL-2797~2798
特典DVD内容:7月10日に熊本B.9 V1で行われた「TOUR2016 THANKS ~チケットとっとってっていっとったのになんでとっとらんかったとっていっとっと。熊本ワンマンてや?そりゃよかばい!~」のLIVE映像を収録!

●通常盤(CD)
価格:¥926(税抜)
品番:KSCL-2799
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<LAST HERO(THE LAST COP/ラストコップ ver.)配信詳細>
配信開始日:10月8日(土) 
楽曲タイトル:LAST HERO(THE LAST COP/ラストコップ ver.)
配信URL: hyperurl.co/i3o2p1
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<日本テレビ系土曜ドラマ「THE LAST COP/ラストコップ」オンエア情報>
日本テレビ系土曜ドラマ「THE LAST COP/ラストコップ」
主演:唐沢寿明
土曜よる9時放送
番組オフィシャルHP: http://www.ntv.co.jp/lastcop/
◇セカンド・アルバム「THE END」 2017年新春リリース決定!

■■■ツアー情報■■■
◇2017年ワンマンツアー・スケジュール詳細
2017年 3月 12日 (日)香川:高松Festhalle
2017年 3月 20日 (月)千葉:幕張メッセ国際展示場
2017年 4月 02日 (日)北海道:Zepp Sapporo
2017年 4月 8日 (土)宮城:仙台PIT
2017年 4月 9日 (日)新潟:LOTS
2017年 4月 15日 (土)大阪:Zepp Osaka Bayside
2017年 4月 16日 (日)広島:BLUE LIVE
2017年 4月 26日 (水) & 27日(木)名古屋:Zepp Nagoya
2017年 5月 7日 (日)福岡:福岡国際センター

●チケット料金
スタンディング:4300円(税込・ドリンク代別)
2F指定席:4800円(税込・ドリンク代別)
●幕張メッセ公演 スタンディング・ブロック指定 4800円(税込)
●福岡公演 アリーナ立見・スタンド指定 4800円(税込)

■■■BLUE ENCOUNTプロフィール■■■
Vo. Gt. 田邊駿一
Gt. 江口雄也
Ba. 辻村勇太
Dr. 高村佳秀

熊本発、都内在住4人組。
熱く激しくオーディエンスと一体になり、MCでは時に自らが涙してしまうほどの感情をぶつける熱血なパフォーマンスが話題のエモーショナルロックバンド。インディーズでリリースしたアルバム『BAND OF DESTINATION』がオリコンデイリー総合チャートで初登場9位、ウィークリーではインディーズチャート2位を獲得、代表曲「HALO」はYouTubeでの再生回数が300万回突破するなど、その注目度は群を抜き、2014年9月10日にEP『TIMELESS ROOKIE』で遂にメジャーデビュー。2015年1月にリリースしたファーストシングル「もっと光を」は、新人ながら全国35局でのパワープレイを獲得。5月には人気のテレビ東京系アニメ『銀魂゜』のオープニングテーマとなるシングル「DAY×DAY」をリリース。7月22日には待望のファーストフルアルバム『≒』(ニアリーイコール)をリリースし、オリコンウィークリーチャート10位を記録。数多くの夏フェス、年末イベント等、いまや大型フェスには常連参加となり、注目度もフルMAX状態の中、渾身のミディアムバラード「はじまり」が第94回全国高校サッカー選手権大会応援歌に大抜擢。2016年 1月にリリースされたこの「はじまり」はオリコンウィークリーチャート5位に堂々のランクイン! 間髪入れること無く3月にはニューシングル「Survivor」をリリース。iTunes総合チャートで1位を記録するなどまさに勢いは最高潮。 6月には最新シングル「だいじょうぶ」もリリース。そして2016年10月9日には日本武道館ワンマン公演、<LIVER’S 武道館>も大成功に収めるなど快進撃が止まらないベストルーキー!!

<オフィシャル・サイト>
http://blueencount.jp/