再び動き始めたPsycho le Cému、大盛況のライブが開催!

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今年の2月11日に豊洲PIT、14日15日にZepp DiverCity TOKYOにて結成15周年アニバーサリーライヴを行ったPsycho le Cému(サイコ・ル・シェイム)。
この3日間は、ただ昔を懐かしむだけの15周年アニバーサリーライヴではなく、既存のファンたちはもちろんのこと、2015年の今、新たに彼らを知った人たちや、当時はタイミングが合わずライヴを見逃してしまっていた人たちが、彼らを本当の意味で求めて集まった【はじまりの奇跡】を感じさせるモノだった。

そして、そこから約半年ぶりの10月2日と3日。彼らは素晴しくエンタテイメントなライヴを展開し、Psycho le Cémuというバンドが、今から10年以上も前に、こんなにも斬新なライヴを提示してきたバンドであったということを、改めて印象づけたのである。

激ロック、ラウドロックという硬派な音を放つバンドがカッコイイとされる中、Psycho le Cémuは敢えてカラフルな色の衣装を纏い音を放つ。
時代と逆走しているとも取れるその意味を、ボーカルのDAISHIは、こう語る。
 【自分がカッコいいって見られるよりは、“みんなが楽しんでくれたら”って気持ちの方がPsycho le Cémuは強いんです】と——。
彼らが放つ音は、想像どおりポップでキャッチーなメロを軸とするロックであるのだが、Psycho le Cémuは、ただそれだけで終わるバンドではない。メインコンポーザーであるギターのLidaが自身のルーツとするヘヴィ・メタルを彷彿とさせるディープなギターフレーズを根底に置き、キャッチーなメロとおもいきり派手な同期とラウドロックを同居させているのである。

両日全く違うセットリストで魅せてくれた今回の2daysライヴは、彼らの持つダークさとポップさを上手く混合させた流れで、ライヴとしてもエンタテイメントなSHOWとしても、DAISHIの言葉どおり、最高に楽しませてくれたステージとなった。

Psycho le Cémuのライヴには毎回コンセプトがあり、それによって衣装やライヴ中に演じられる芝居が変化することから、観る度に違った世界へと誘ってもらえるという楽しみがある。

今回のテーマは『TOKYO MYSTERY WORLD〜名探偵Dと4人の怪盗たち〜』。
そう、コンセプトはまさに読んで字の如く。名探偵Dと4人の怪盗たちが繰り広げるという物語だ。
IQ200を超える頭脳を持ち、FBI、CIAからも依頼を受けるほどの名探偵を演じるボーカルのDAISHIと、人の心を盗む能力で世界中の富豪を騙し、この世を裏で操る絶世の美女ラブリーキャット役のAYA(G)、
時間を盗む発明に成功したが、代償に右手を失ったという悲劇の科学者・マッドサイエンティストL役のLida(G)、変装を得意として、世界を破滅に導こうとしている気弱なセールスマン・怪人3億面相役のseek(B)、怪盗貴族として英才教育を受け、月を盗む事にも成功した怪盗プリンスのYURAサマ(Dr)といった配役である。

1日目の【FILE1 夜空に舞う怪盗】では、徳川家康が隠したという4つの秘宝を巡ってのお話、2日目の【FILE2盗まれたクロノス】は、時間を自由に扱うことが出来る秘宝クロノスを巡ってのお話のようである。

品川ステラボールで行われた1日目は、9月16日にリリースされたニューシングル「あきらめないDAYS」、猿の着ぐるみを着て九十九里浜の地層で撮影したミュージックビデオがとても印象的だったPsycho le Cémuのポップロックの王道「春夏秋冬」、そして、この日は彼らのメジャーデビュー記念日でもあったことから、デビュー曲「愛の唄」へと繋がれた。見た目の印象を裏切ることのないポップな路線のPsycho le Cémuでライヴをスタートさせた彼らは、とてもナチュラルにライヴを楽しめている様子だった。
驚いたのは、1曲目に届けられた新曲の「あきらめないDAYS」が届けられた時だった。
集まったオーディエンスが、リリースされて間もない新曲の振り付けを早くも完璧にマスターし、しっかりとライヴに参加していたのである。そして、4曲目にライヴで演奏されるのはとても珍しい楽曲「ムーンライトダンス」を挟んだ後に、「クロノス」「インドラの矢」といった激しい曲たちで煽ると、芝居の前にダンス曲を持って来ていたのだ。このダンス曲こそPsycho le Cémuの最大の武器である。
楽器隊が楽器を置いてボーカルと共にパフォーマンスをするなど、バンドである以上御法度なところだろう。
しかし、彼らはバッシングを恐れることなく、それこそを自分たちの唯一無二の武器と腹をくくり、彼らは世の中にPsycho le Cémuを送り出したのだ。

何ごとも“右に倣え”な今の時代、ここまでのしっかりしたヴィジョンと覚悟のあるバンドが他に居るだろうか?
もちろん、今でこそ、楽器を置いてパフォーマンスするというスタイルも珍しいことではなくなってきているが、彼らは当時、他に存在することがなかったバンドスタイルを、今から15年も前に提示していたのである。
まさにPsycho le Cémuこそ、“楽しめるバンドスタイル”を築き上げたパイオニアであると言っても過言ではないだろう。
ギターのAYAとドラムのYURAサマが楽器から離れ、演奏せずにDAISHIと共にダンスをしながら曲を盛り上げていくという
その斬新かつ絶対的なスタイルでは、集まったオーディエンスがメンバーカラーのルミカを高く上げた両腕に光らせ、最高に美しい空間をそこに描き出してくれたのだ。

2日目に行なわれた豊洲PITでのライヴは、Psycho le Cémuを始動する1番最初のライヴの1曲目でもあったというダンスナンバー「Broker」からのスタートに、長年彼らを支えてきたオーディエンスは歓喜の声を上げながら、彼らのパフォーマンスと同じ振りを全力で返した。トランス系の同期とヘヴィさを融合させたロック感と、激しくとも一緒に口ずさむことが出来る聴きやすいメロディという最高傑作の「Broker」は、10年以上の時が流れていても、まったく古さを感じさせない楽曲なのだ。
色褪せることのない楽曲の良さは、彼らが純粋に音だけでも闘っていけるバンドであるということを、
素晴しいバンド力を持つバンドであることを証明した時間となった。
ダンス曲である「Broker」や「夢風車」をオープニングナンバーとしてセットリストの頭に置き、
3曲目に激しい「LOVE IS DEAD」と、特にPsycho le Cémuらしい未来を感じさせる旋律を宿す「道の空」を挟み、
中盤の芝居まではヘヴィなナンバーを並べ、間髪入れずに攻めきった2日目の流れは、
ポップな楽曲からのスタートだった1日目に増して、より深く、“彼らが目指すPsycho le Cému”を伝えきれていたように思う。

初期の頃から彼らのライヴを何度も観て来ているが、この日のライヴは、10本の指に入る、
しかも、その中でも相当上位に入る素晴しいライヴだったと感じた。
そう思わせたのは、ライヴ自体の演奏面、パフォーマンス面ももちろんなのだが、
【FILE2盗まれたクロノス】というタイトルにちなんだ、“盗まれた時間を取り戻す”という内容の芝居も、
止まった時を動かし始めた彼らのリアルに、とても深く通ずるモノがあったからなのかもしれないと思った。
芝居の中で、時を遡る場面が出て来たのだが、そこではステージの後ろに設置された大きなメインスクリーンに、
歴代のアーティスト写真が走馬灯のように映し出されたのだ。
まさに。それは、盗まれた時間(止まった時間)が彼らの元に戻り、ゆっくりと動き出していくのを示した時間となったのだ。
彼らの現在と重なる部分を多く感じられた芝居の後に届けられたデビュー曲「愛の唄」と3枚目のシングルとして2003年にリリースされた米米CLUBの大ヒット曲「浪漫飛行」では、時間がタイムスリップしたかのように、武道館のステージに立つことを1番の夢としていた当時の彼らの姿をはっきりと蘇らせたのである。
さらにこの日、彼らは本編ラストに新曲の「あきらめないDAYS」を選んだのだ。
“止まっていた時計の秒針がまた動き出す 奇跡みたいだ いつだって忘れた事はないから ずっと走り続けて来れたはず”
そう歌われるこの曲の歌詞は、まさに、この日、彼らの目の前に広がった、
オーディエンスが描き出してくれた景色へのアンサーであったことを改めて教えてくれたのだった。

そして。彼らはこの日の最後のMCで、“夢の場所”に向かって走り続けることを約束し、更に、ニューシングルのレコーディング中であることと、2016年1月23日と24日に、再び豊洲PITでライヴを行うことを告知した。
1月23日『Legend of sword 2016—伝説は再び—』、24日は『大江戸カラクリWORLD〜新衣装お披露目公演〜』
というタイトルが付けられていることから、Psycho le Cémuの過去と未来を体感できる特別なライヴになるに違いない。
新たな時代に、Psycho le Cémuという唯一無二な時間を再び動かし始めた彼らの未来が楽しみでならない。
そして。この日オーディエンスと交わした“夢をあきらめない”という約束を、いつか必ず叶えてくれると信じよう。

いつか、彼らが時代を背負ってくれることを願って———。

 

Writer 武市尚子

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Photo by Takashi Hirano

 

 

【ライブ情報】
Psycho le Cému 1月公演
Legend of sword 2016 –伝説は再び-
2016/1/23(土) 豊洲PIT
開場15:30 /開演16:30

大江戸カラクリWORLD ~新衣装お披露目公演~
2016/1/24(日) 豊洲PIT 
開場15:00 /開演16:00

チケット料金: オールスタンディング¥6,800 (税込) ドリンク代別
※3歳以上チケット必要

モバイルFCチケット先行 10/3 ~ 10/26
受付アドレス:http://fc-psycholecemu.com/ticket/151003/
一般発売日:2015/12/19(土)
(問)ホットスタッフプロモーション:03-5720-9999

【作品情報】
ワーナーミュージック移籍第1弾シングル
サイコ・ル・シェイム「あきらめないDAYS」

2015年9月16日発売
3形態
■ニュー・シングル「あきらめないDAYS」(通常盤) \1.200(本体)+税
CD
WPCL-12226
【収録曲】
1.あきらめないDAYS (作詞・作曲:Lida/編曲:Psycho le Cému&岡野ハジメ)
2.VIOLETTA~ヴァイオレッタ~( 作詞・作曲:seek/編曲:Psycho le Cému&西寺郷太)
3.あきらめないDAYS(インストゥルメンタル)
4.VIOLETTA~ヴァイオレッタ~(インストゥルメンタル)

■ニュー・シングル「あきらめないDAYS」(初回限定盤Aタイプ) \1,800(本体)+税 WPZL-31077/8 
CD+DVD
【収録曲】
Disc 1 –CD-
1.あきらめないDAYS (作詞・作曲:Lida/編曲:Psycho le Cému&岡野ハジメ)
2.VIOLETTA~ヴァイオレッタ~( 作詞・作曲:seek/編曲:Psycho le Cému&西寺郷太)
3.あきらめないDAYS(インストゥルメンタル)
4.VIOLETTA~ヴァイオレッタ~(インストゥルメンタル)

Disc 2 –DVD-
1.あきらめないDAYS(Music Video)

■ニュー・シングル「あきらめないDAYS」(初回限定盤Bタイプ) \2,500(本体)+税 WPCL-12227/8 2CD
【収録曲】
Disc 1 –CD-
1.あきらめないDAYS (作詞・作曲:Lida/編曲:Psycho le Cému&岡野ハジメ)
2.VIOLETTA~ヴァイオレッタ~( 作詞・作曲:seek/編曲:Psycho le Cému&西寺郷太)
3.あきらめないDAYS(インストゥルメンタル)
4.VIOLETTA~ヴァイオレッタ~(インストゥルメンタル)
Disc 2 –CD-
*2015年2月11日豊洲PIT公演より
1.激愛メリーゴーランド (ライヴ・ヴァージョン)
2.愛の唄 (ライヴ・ヴァージョン)
3.クロノス (ライヴ・ヴァージョン)
4.春夏秋冬 (ライヴ・ヴァージョン)
5.道の空(ライヴ・ヴァージョン)