元ちとせ、東名阪ツアーで平和への想いを歌い継ぐ楽曲の数々を熱唱!幻の収録曲「拝啓大統領殿」も!!

元ちとせビルボード1

10/9(金)に元ちとせがビルボード東京にてワンマンライヴを開催。ブルーノート名古屋、ビルボード大阪とまわってきた東名阪ツアーのファイナルを全席ソールドアウトの大盛況の中、飾った。

今回のツアーは、戦後70年となる2015年、改めて平和とは何かを考えるきかっけになって欲しい、という思いを込めて古今東西の平和への願いが込められた作品が収録されたカバーアルバム『平和元年』を携えたもの。

ギター/バンマスにアルバムのプロデューサーでもある間宮工、ベース沖山優司、キーボードSUNNY、ドラムスASA-CHANG、パーカッション藤井珠緒、という布陣でおこなわれた。

加藤登紀子が日本語詞を手掛けた「美しき五月のパリ」からスタート。そして、美しいコーラスワークも印象的な、松任谷由実が作詞作曲を手掛けた「スラバヤ通りの妹へ」、そのたゆたうような歌唱が胸に迫る、

片桐和子が訳詞を手掛けた「リリー・マルレーン」、そしてアルバムでは俳優の佐野史朗がデュエットで参加した「最后のダンスステップ」と立て続けに披露。会場は、一気に元ちとせの表現力豊かな世界に包み込まれていく。

「皆さん、美味しいお酒とお食事もいただいていますか?今日は皆さんとお友達になりたいと思っていますので、リラックスして楽しんで下さいね。」と少し緊張感のある会場をほぐすようなMCで場を和ませると、

続けて、ASA-CHANGの奏でるトランペットの音色が郷愁を誘う「ユエの流れ」、そして寺山修司の作詞、加藤宏史の作曲による「戦争は知らない」を曲の後半に「花はどこへ行った(Where Have All The Flowers Gone?)」が展開されるCDとは別のスペシャルバージョンで披露し、大きな拍手が沸き起こる。

そして、ベトナム戦争のさなかに谷川俊太郎の作詞、武満徹の作曲により作られた「死んだ男の残したものは」に続き披露されたのは、『平和元年』の1曲目を飾るナンバーであり、その平和へのメッセージを強烈に訴えたMUSIC VIDEOが大きな話題となっている「腰まで泥まみれ」。1969年にピート・シーガーにより発表され、中川五郎による日本語詞でも有名なこの曲は、元ちとせにとっても新境地とも言えるタイトで重厚なロックサウンドも印象的な1曲で、イントロから会場中がそのグル―ヴに魅了されていく。

美しいメロディと元ちとせの抒情豊かなヴォーカルが会場を包み込む岩谷時子訳詞による「ケ・サラ」に続き、元ちとせが10年前、2005年に坂本龍一をプロデュースに迎え発表した「死んだ女の子」が歌われる。

「10年前、戦後60年のときに、坂本龍一さんと一緒に広島の原爆ドームの前でこの曲を歌わせていただきました。実は、この曲は、最初まだデビュー前に1度お話をいただいたことがあったのですが、その当時の自分には、タイトルも歌詞の内容も理解することが出来なくて、こんな怖い歌、どうして歌わなくてはいけないの?と思ってしまい、歌えなかったんです。

23歳の頃、デビューを控えてキャンペーンで訪れた広島で、スタッフの方に誘っていただき、原爆ドームや平和資料館を訪れる機会がありました。その時、私は、こんなことが日本で起きたんだ、しかも僅か数十年前に、ということを痛感し、それまで何も知らないで年を重ね、大人になったと思っていた自分が恥ずかしくなったんです。それで、この曲を改めて、きちんと歌いたい、と思うようになって、戦後60年の年に、たくさんの方にこの曲を届けたいと思って、そして届けるなら世界中に届けたい、と思って、世界で活躍されている坂本龍一さんにプロデュースをお願いしたんです。NYで録音したのですが、世界各国からミュージシャンの方が集まっていらっしゃって、坂本さんは、皆さんに歌詞の意味を伝えながら、レコーディングに臨まれたんです。それも、この曲のメッセージが世界に伝わっていくきっかけになるんだな、と思いました。」とこの曲を歌う経緯と、想いを伝える。

本編ラストに披露したのは、元ちとせにとっての代名詞とも言え、10周年の際にリリースしたベストアルバムのタイトルともなっている「語り継ぐこと」。

生まれ育った奄美大島で、伝統口伝の島唄の唄者としての活動がその歌唱のベースとなっている元ちとせにとって、まさしく“語り継ぐ”“歌い継ぐ”ということは、使命のようなもので、『平和元年』に込めた思いにも通ずるメッセージは、より強く会場の心を鷲掴みにしていくようで、大きな拍手が送られた。

第2部のアンコールでは、当初『平和元年』に収録する予定だったものの諸事情により見送られたという、ボリス・ヴィアン作詞作曲、高石ともや日本語詞による「拝啓大統領殿」を披露し、その強力なメッセージが胸を打つ。そしてラストには、代表曲「あなたがここにいてほしい」を優しく歌いかける。この曲を聴いていると、アルバム『平和元年』が、単なる反戦歌集なのではなく、当たり前のようにあるべき平和の姿を訴えかける、真の平和への思いを込めて作られたアルバムであることが、改めてよく伝わってくる。

元ちとせは言う。

「今回、戦後70年の年に新しいアルバムを制作するにあたって、平和への思いを込めた新曲を制作し発表することも考えました。でも、その当時に残されてきたメッセージ、辛い思いをされてきた方々が残したメッセージが歌われたたくさんの曲に出会って、こういう曲を風化させないように、いつまでもいつまでも大切に歌い継いでいくのも大事なことだと思い、カバーアルバムを発表することにしました。平和のありがさた、豊かさを当たり前のことだと思わず、今平和でいられることに感謝しなくてはと思います。」

「ワダツミの木」で日本人の心の原風景を感じさせるその歌声で日本中を虜にした元ちとせは、戦後70年を迎えた今、日本という国が大切にしてきた“平和”とは何か、を1人1人が改めて考えるきっかけになるような願いを込めて、その歌声を日本中に、そして世界中に発信し続けておりその活躍にますます目が離せない。

元ちとせビルボード3

【セットリスト】

1. 美しき五月のパリ

2. スラバヤ通りの妹へ

3. リリー・マルレーン

4. 最后のダンスステップ

5. ユエの流れ

6. 戦争は知らない

7. 死んだ男の残したものは

8. 腰まで泥まみれ

9. ケ・サラ

10. 死んだ女の子

11. 語り継ぐこと

-アンコール-

12. 拝啓大統領殿(第2部のみ)

13. あなたがここにいてほしい

【リリース情報】

元ちとせ ニューアルバム『平和元年』

2015年7月22日リリース AUCL 184 ¥3,000(+tax)

【プロフィール】

元 ちとせ(はじめちとせ)

□生年月日:1979年1月5日

□出身地:鹿児島県奄美大島

通っていた小学校は全校生徒4人で、全員親戚。1人で入学式、1人で卒業式。水泳の授業は近くの川。そんな環境で育ち、母親の薦めで三味線を習い始める。小学生の時に自ら島唄を習い始める。高校3年で「奄美民謡大賞」の「民謡大賞」を史上最年少で受賞。 2001年3月10日ミニ・アルバム『Hajime Chitose』を、7月にはオリジナル5曲を収録したミニ・アルバム『コトノハ』をインディーズATSUGUA RECORDSよりリリース。高い評価を得る。
2002年2月6日にEPICレコードからリリースされたメジャーデビューシングル『ワダツミの木』が リリース後2ヶ月を経てシングル・チャートで1位を記録。社会現象的な大ヒット曲となる。同年7月リリースのファースト・アルバム『ハイヌミカゼ』は2週連続1位となりロングセラーを記録。
2003年9月3日にセカンド・アルバム『ノマド・ソウル』を発表。 アルバム・チャートで初登場1位(2003/9/15付)となる。ファーストに続いてアルバム2作連続初登場1位の快挙を達成。 2004年より結婚・出産のため約1年半の休養期間にはいる。
2005年8月6日(5日深夜)放送の「NEWS23」にて活動を再開。原爆ドーム前で反戦歌「死んだ女の子」を坂本龍一氏とパフォーマンスし、大きな話題となる。11月に復帰第一弾シングル『語り継ぐこと』を発表。
2006年3月には松任谷由実作詞・作曲の復帰第二弾シングル『春のかたみ』をリリースし、同年5月10日にサード・アルバム『ハナダイロ』をリリース。
2007年にはデビュー5周年を迎え、アイルランドの国民的バンド、チーフタンズとのコラボレーションが実現。6月には彼らの全国ツアーに参加し、大きな話題となる。2007年8月22日に約1年3ヶ月ぶりとなる新曲『あなたがここにいてほしい/ミヨリの森』をリリース。2007年12月26日にはP&Gシャンプーh&s TVCMソング「恵みの雨」を配信限定で発表。
2008年5月にはlive image 7 septに参加。 2008年7月2日、常田真太郎(from スキマスイッチ)総合プロデュースによるニューシングル「蛍星」(映画『クライマーズ・ハイ』イメージソング)をリリース。続く7月16日に約2年2ヶ月ぶりとなる4thアルバム『カッシーニ』を発表。多彩な豪華プロデューサー陣が集結したこの作品は高い評価を受ける。同年12月には約2年ぶりとなる、待望の全国ツアーを敢行。
2009年2月、故郷・鹿児島県の放送局・南日本放送が制作した第19回JNN共同制作番組「ウミガメが教えてくれること」(2009年3月21日 15:30~全国放送)にレポーター/ナレーターとして出演、番組テーマソング「遠い海に出た私の友達」を配信限定でリリース。8月にスキマスイッチのカバー「雫」がNHK教育テレビ アニメ番組「獣の奏者エリン」のオープニングテーマに使用され、問い合わせが殺到。(「雫」は2010年リリースの邦楽カヴァーアルバム「Orient」に収録)
年間にわたって姫路城(世界遺産劇場)、奄美大島(皆既日食イベント)、池上本門寺(Slow Music Slow Life)等のイベントに出演。9月には島根県・出雲大社にて恒例のワンマンライブ「冬のハイヌミカゼ」を、「出雲大社奉納公演 元ちとせコンサート~ハイヌミカゼ 黄昏の国より~」として行う。10月24日のAugusta Camp 2009~Extra~埼玉公演でのステージを以て出産の休養に入り、12月に第二子を出産。
2010年2月、山崎まさよしとCOIL岡本定義によるユニット“さだまさよし”プロデュースによる「やわらかなサイクル」(JFL2010エコメッセージソング/新千歳空港エコエアポート2010公式応援ソング)を配信限定でリリース。11日には北海道・新千歳空港にて行われたJFL特別番組 「MESSAGE FOR THE FUTURE」公開収録にてこの曲を歌い、ライブ活動を再開した。3月に復帰第2 弾の音源となる『なごり雪』(着うた(R)配信)を、「元ちとせ+秦 基博」名義で発表。CMソングとしても使用され、大きな話題を呼ぶ。8月4日にはその「なごり雪」を収録した邦楽カヴァーアルバム「Orient」と、洋楽カヴァーアルバム「Occident」を同時リリース。Billboard TOKYOとBillboard OSAKAにてスペシャルライブを行った。
2011年はデビュー記念日の2月6日に東京・赤坂BLITZにてワンマンライブ「冬のハイヌミカゼ」を開催。3月9日には同郷の中孝介とのコラボレーションユニット「お中元」としてシングル「春の行人(ゆこうど)」(九州新幹線全線開業記念 キャンペーンソング)をリリース。各地のイベントに出演しながら、8月31日にはアリオラジャパン/オーガスタレコード移籍第一弾シングルとなる「永遠(トワ)の調べ」をリリース。11月には東名阪にて「元ちとせ ワンマンライブ~永遠(トワ)の調べ~」を行った。
2012年は2月6日に、ジャマイカが世界に誇るサ ウンド・プロデュースチーム“SLY & ROBBIE”と新たに作り上げられた「ワダツミの 木with SLY & ROBBIE」を配信。また、元ちとせの故郷である奄美にてオーガスタキャンプを開催、オーガスタアーティストと共に2000人の観客の前で熱いパフォーマンスを繰り広げた。10月24日には、デビュー10周年にして自身初となるベストアルバム「語り継ぐこと」をリリース。11月には東京、大阪、名古屋で「元ちとせ ワンマンライブ~霜降る月の

ハイヌミカゼ~」を行う。
2013年1~2月には、大阪・なんばHatch、東京・渋谷AXにて「10th Anniversary LIVE」を開催。観客を魅了した。

戦後70年となる2015年7月、平和への思いを込めたニューアルバム『平和元年』をリリース。

奄美大島に生活の拠点を置きながら、精力的な活動を行っている。
日本を代表する女性シンガーの一人である。