坂本龍一から返事が来る!?ワタリウム美術館で開催中「async 設置音楽展」のコミュニケーション・ウォールが話題に

坂本龍一の8年ぶりのソロ・アルバム『async』の発表と時を同じくして開催されているのが、東京・青山のワタリウム美術館での『坂本龍一 | 設置音楽展』。

アルバム『async』の5.1チャンネル高音質再生をメインに、複数の映像作家の『async』にまつわる映像表現が展示中だ。

さらに、その展示の一環で人気を博しているのが美術館1階受付横に設置された“コミュニケーション・ウォール”。ここでは、来場者が『async』や展示の感想や質問その他をポストイットに書き込んで壁面に貼り付けていく。

坂本龍一はそれらの投稿すべてに目を通し、回答できるものには回答していくという趣旨のもの。

展示の初期の日本滞在中には坂本龍一自身も回答をポストイットに記して壁面に貼り付けていたが、ニューヨークに戻っている現在はネットを通して回答し、坂本龍一が所属するレーベル“commmmons”の特設サイト内「返信」ページ(http://www.skmtcommmons.com/quest/?tag=152)に掲載中。

“コミュニケーション・ウォール”は入場券を持たない人でも参加可能で、投稿の回数制限もない。

5月初旬現在、予定されていたスペースから隣接する壁に侵食しつつある数百の投稿は圧巻。

SNSなどネット上でのテキスト・ベースでのやりとりが主になった現在のコミュニケーション状況の中で、来場者ひとりひとりの手書きのメッセージ(イラストも)の物理的な質感は坂本龍一本人のみならず、見る人すべてになにかしらの感慨を与えるだろう。坂本龍一への質問とその回答に対して、投稿者がまた返信のポストイットを貼るなど、まさにコミュニケーションの場が成立していたり、9歳の少年と坂本龍一とのやりとり、世界中からの外国語の投稿など、豊かでバラエティに富んだスペースになっている。

大量のポストイットが貼られたこのスペースの見た目の迫力、美もひとつの現代アートの表現として成立しているのではないかという意見もあるこの“コミュニケーション・ウォール”は『設置音楽展』最終日の5月28日には、さらに迫力の空間になっているにちがいない。

<坂本龍一 | 設置音楽展>

会期:2017年4月4日(火)~5月28日(日)

休館日:月曜日

開館時間:11:00~19:00(毎週水曜日は21時まで延長)

入場料:大人 1,000円/学生[25歳以下] 500円/ペア券:大人2人 1,600円

会場:ワタリウム美術館

<アルバム情報>

坂本龍一 / async

CD:RZCM-86314

3,780円(税込)/発売中

アナログ盤:RZJM-86312~3

7,020円(税込) /2017年5月17日発売

収録曲:

01. andata アンダータ

02. disintegration ディスインテグレーション

03. solari ソラリ

04. ZURE ズレ

05. walker ウォーカー

06. stakra スタークラ

07. ubi ユビ

08. fullmoon フルムーン

09. async アシンク

10. tri トゥリ

11. Life, Life ライフ、ライフ

12. honj ホンジ

13. ff エフエフ

14. garden ガーデン

アナログ盤ボーナストラック

15. water state 2 ウォーター・ステート2

<ワタリウム美術館>

http://www.watarium.co.jp/

<坂本龍一オフィシャルサイト>

http://www.skmtcommmons.com/

【写真クレジット】

撮影:丸尾隆一