【特集】大橋トリオ、アルバム『STEREO』発売記念インタビュー 「自分から出てくるもので作るしかないな、って切り替えました」

 昨年活動10周年を迎えた大橋トリオが、新たな一歩となるフルアルバム『STEREO』をリリースした。

実に12枚目のアルバムとなる『STEREO』は芳醇な音楽的アイデア、円熟した演奏、音楽への圧倒的な情熱と、そして《大橋トリオ》をリスペクトしてやまない仲間たちによって完成した。

DE COLUM (デコラム)は、リリースまもない『STEREO』について大橋トリオにインタビュー時間をもらい、初の撮り下ろし撮影の機会も頂いた。

 

◇◆◇ INTERVIEW ◇◆◇

純粋に、いま自分が作りたい・聴きたい曲を作りました

-12枚目のアルバム『STEREO』はどんな作品になりましたか?

大橋トリオ(以下、大橋):最初はダンスアルバムを作ろうと思ったんです。でも途中で「ダンス」はこれまでにも十分やってきたなと気づいて、「ダンス」にこだわるのはやめました。というか僕のアルバムっていつも一貫したテーマがないんですよね。

-でも例えば『plugged』は明確に「ロック」というテーマを打ち出していましたよね。

大橋:そうですね。でも結局、歪んだエレキギターを入れただけでも「ロック」って言い切れちゃうんですよ。音楽的に終始一貫しているわけではない。「コンセプトアルバム」と呼べるものを作っているアーティストの筆頭が、ジャック・ジョンソンだと思うんですよ。サーフ・ロックというか、一貫しているじゃないですか。ノラ・ジョーンズもそうですね。本当は「コンセプト」のしっかりある作品をもっと作りたいところなんですけどね。

-大橋さんの作る楽曲はバラエティに富んでいます。どのようなリスナー層を意識して、楽曲作りをされていますか?

大橋:僕の場合、まず自分が聴きたいと思えるものを作っている。基本はそれなんです。聴き手側の感情って、歌詞によって左右される部分が大きいと思うんです。でも僕は自分で詞を書かない。曲全体というよりは、書いてもらった歌詞を「どういう風に歌うか」っていうところで、楽曲の「位置」は決まると思っています。
昔はそんなには考えてなかったんですけど、今は「歌」の部分をすごく大事にしていて。「歌詞をどのように生かして歌うか」っていうことを、いつも考えてますね。

 

『STEREO』ってタイトルは、視覚面から「かわいいな」って思って付けました

-タイトルの『STEREO』にはどのような意味を託しましたか?

大橋:実はタイトルに深い意味はないんです。偶然付いた名前なんです。
アルバムのデザインをしてくれる方にアー写だけ先に渡して、その時は他には何もリクエストしていなかった。で、そのデザイナーさんが何か仮でも文字を入れておいた方がいいって思ったんでしょうね。ある日みたら、CDジャケットのデザインに「STEREO」っていう文字だけ書いてあったんです。それ(発売中の『STEREO』CDジャケット)を見て、「“STEREO”って…。めっちゃカワイイじゃん」と思って、その文字をそのまま置くことにしました。
その流れで「これ、アルバムタイトルでいいじゃん」となって。

-(笑)。ということは、タイトル曲である「STEREO」もその後にできたんですか?

大橋:曲自体すでにあって「この曲、『STEREO』にしちゃおう」っていう順番ですね。

-この曲はTHE CHARM PARKさんが英作詞を手がけています。

大橋:ギターのフレーズもCHARMくんが考えてくれました。そこまでは頼んでいないのに音源送ってきてくれて(笑)。でも聞いてみたらすごく良かったので、採用しました。
これまで、レコーディングでギターを誰かに頼むっていうことがなかったんですよ。でもCHARMくんへの僕の信頼はすごいので。僕、前から「自分が3人欲しい」って言ってるんですが、彼と接していると、「あれ、僕がもう一人いる(笑)」って思えるんです。

-2人目の自分が、ようやく見つかったんですね(笑)。ライブを拝見していると、CHARMさん以外のサポートメンバーともすごくいい関係を築いておられることが傍目にも分かります。

大橋:そうですね。春からの『STEREO』ツアーは7人編成で回る予定ですけど、みんなすごく仲良いし、みんなが「大橋トリオ」に愛情を注いでくれて、リスペクトしてくれているのも感じています。ありがたいことです。

 

『STEREO』全国ホールツアーはエレクトリックなアレンジで

-3月末から始まる今度のホールツアーは、どういう感じになりそうですか?

大橋:アルバム収録曲もとより、懐かしめの曲もたくさんやると思います。ただ『STEREO』に寄せた、エレクトリックな要素の多いアレンジにはなると思います。
今回、キーボードが2人いるんですよ。ピアノもシンセもエレピもある。僕も鍵盤弾けるので、鍵盤3人…? もっと言うとメンバー全員が鍵盤弾けるんですけど(笑)。みんな粒ぞろいで本当におもしろいメンバーなので、これからのリハーサルでどんな化学反応が出るのか探ります。

-3月からの全国ツアーは大橋さんの故郷でもある千葉からスタートしますが、これは大橋さんのご希望ですか?

大橋:全然そういうことではないですが(笑)。でも今回が初の千葉でのコンサートになりますので楽しみです。

-中学生のころ、千葉市民会館に大江千里さんのライブを見に行かれたそうですね。「大江さんがステージ中央のソファに座って登場して、すごいインパクトだった。俺もそれやろうかな」って。

大橋:僕、そんなことを話してましたっけ?(笑)

-はい(笑)。みんなその登場演出を期待しているかもしれません。

大橋:はいはい(苦笑)。

-11年目に入った大橋トリオですが、今後の夢や目標はなんでしょうか? 例えば海外の野外フェスや老舗ジャズ・フェスなどに出るなんて期待も、勝手に抱いてしまうのですが。

大橋:うーん…なるほど。海外の人たちが僕の音楽を聴いて「いいな」って思ってくれたら行きたいですけど。今は僕自身が「なにが何でも海外で」ってわけではないので、ニーズがあると感じたときに行ければなと。
今は大きな海外フェスというよりは、向こうのアーティストや、スタジオミュージシャン達と、何か一緒に作ったりする機会があったらいいなと思います。

『STEREO』全曲コメント by 大橋トリオ

1.VENUS
この曲は「ポリス」っぽい軽い音のイメージで作ったダンスナンバーです。ただ、ミックスをダン・パリー(グラミー受賞作も手がける名エンジニア。サム・スミス『IN THE LONELY HOUR』やロイル・カーナー『Yesterday’s Gone』などでミックスを担当)に頼んだら、当初のイメージとはだいぶ変わって勢いのある曲になりました。『STEREO』の中では冒険している方の曲ですね。

2.Embark
布袋寅泰さんがギターで参加してくださってます。5パートくらい録ったのかな? 全部布袋さんが弾いてくれました。実は昨年の「TRIO ERA」(10周年記念コンサート)で一緒に演奏したのが最初で、レコーディングはその後だったんですよね。メインのフレーズだけは弾くようにお願いして、あとは基本自由にやっていただきました。
曲全体のイメージとして、大橋トリオ流の「ダンス」の一つの解釈です、「これでも踊れるじゃん」って。ギターがジャージャーって鳴ってて、「若い」感じです。

3.タイミング
ここまでが、「ダンス」を意識しているときに作った曲たちです。ややアース(・ウィンド&ファイアー)っぽいアプローチになりました。他のミュージシャンは入れず100%自分で演奏した曲は、これと7曲目の『birth』です。

4.面白きかな人生
こういう最初から最後までカントリー調っていう曲は、意外と自分はやってなかったんですよ。とはいえ、これも厳密にはカントリーじゃないです。歌い回しもメロディもコード進行も少しズレているし、バンジョーも入ってない。
これまでもジャンルにどっぷり浸かった音楽を作ることは、どこか避けているんですよ。
新ジャンルとまでは言わなくとも、「大橋トリオらしい」もしくは「大橋トリオならでは」な曲に仕上げる、ということをここでも意識しています。

5.SHE
これはCM用にオファーをいただき作りました。J-POPな、分かりやすい楽曲です。
この曲ではしばらく封印しようと思っていた三連符のリズム、シャッフルを使ってます。
最初のコーラスワークは、楽器も歌も全部レコーディング終わってから、付け加えたんです。やっぱりフックのあるイントロが欲しいなと思って。結果としては山下達郎さんのような、あの感じができたと思います。

6.双子の約束
これもダンスがテーマの曲なんですけど、「スペーシーだけどアナログ」の感じを出そうとしました。シンセがいっぱい入ってて、ベースもシンセなんですけど、ドラムだけは生なんです。「『ハービー・メイソン』っていうドラマーのビートの感じを出したらハマるんじゃないか?」っていうアプローチから、仕上げていきました。

7.birth
この曲は音楽的にも僕個人的にも挑戦で、10周年を終えて、これから自分が何をすべきかっていうところで、ある種の「礎(いしずえ)」になったかも。まだ確信ではないですが。
アルバムではJ-POP的なフックの強い曲も前面に出して、アプローチするリスナーの幅も広げていかなくちゃいけない。この『birth』という曲は、少しそれらと異なるベクトルにある曲かもしれない。

8.STEREO
「シンプルでメロウなギターロック」なんですけど、「サビで一気に広がる」イメージです。

9.スノーマン
アルバムには必ず1曲、こういう弾き語りっぽいバラードを入れたいと思っています。コンサートでは、バンドでもピアノ弾き語りでも形になるような。

10.鳥のように
テレビ番組「世界遺産」のために書いた曲です。「世界遺産」のテーマ曲って、ずっと夢だったから嬉しくて。映画の劇伴みたいな曲を最初は提出したんですけど、番組の方に「大橋トリオの、“あのJ-POP感”が欲しいんです」って言われて、「あっ、そっちですか!?」って(笑)。結果的には、広がりのある満足のいく曲ができました。

撮影: 田中真二 (Luz-p.o.)
テキスト:安里和哲

企画・編集:木村秀之 (デコラム編集部 / 交文エージェンシー) 

 

————————–>

■ニューアルバム情報

『STEREO』

発売日:2018年2月14日

初回封入特典:「ohashiTrio HALL TOUR 2018」”Meet&Greet”応募シリアル

大橋トリオ / 「VENUS」music video

大橋トリオ / 「SHE」music video

大橋トリオ / 「STEREO」全曲試聴Trailer

CD+DVD
品番:RZCD-86479/B
価格:¥4,700 (tax out)

CD+Blu-ray
品番:RZCD-86480/B
価格:¥5,000 (tax out)

CD only
品番:RZCD-86481
価格:¥3,000 (tax out)

<収録内容>

[CD]

  1. VENUS
  2. Embark
  3. タイミング
  4. 面白きかな人生
  5. SHE
  6. 双子の約束
  7. birth
  8. STEREO
  9. スノーマン
  10. 鳥のように

Bonus Track
SHE -SIRUP Remix-

[DVD]
1.ohashiTrio 10th ANNIVERSARY SPECIAL CONCERT “TRIO ERA” 2017.12.08 at TOKYO INTERNATIONAL HALL

Special Guest: Kaori Mochida (Every Little Thing), Tomoyasu Hotei

はじまりの唄 / SHE / Baumkuchen / マチルダ / バンドメドレー (摩天楼バタフライ~GOLD FUNK~CLAMCHOWDER~Happy Trail~僕らのこの声が君に届くかい) / トリドリ / A BIRD / 静かな夜 / 宇宙からやってきたにゃんぼー / Fairy / 月の裏の鏡 / 鳥のように / Battle Without Honor or Humanity / バンビーナ / Embark / MAGIC / アネモネが鳴いた/ HONEY / Bing Bang / 生まれた日

2.VENUS (music video)

ECサイトリンク
amazon http://amzn.to/2zBxUl8
TOWER RECORDS http://bit.ly/2AqLr2P
HMV http://bit.ly/2zQGJvJ
楽天BOOKS http://bit.ly/2zQYXxh

CDショップ特典
TOWER RECORDS:カレンダークリアファイル ※A4サイズ
amazon:ICカードステッカー
HMV:ポスターカレンダー ※B3サイズ
TSUTAYA:ポストカード

■タワーレコード情報
大橋トリオ × タワーレコード 発売記念豪華キャンペーン開催
[1] 「tower+」(2月号) COVER ARTIST
[2] ohashiTrio × TOWER RECORDS ポスター
[3]「ohashiTrio 10th ANNIVERSARY SPECIAL CONCERT “TRIO ERA”」パネル展開催&抽選プレゼント
[4] TOWER RECORDS限定特典&応募プレゼント
①カレンダークリアファイル (A4サイズ)
②特典応募用オリジナルカード
[5] 旧譜キャンペーン http://tower.jp/article/news/2018/02/05/n301

■配信情報
【iTunes】https://itunes.apple.com/jp/album/id1336854994?app=itunes&ls=1
【レコチョク/通常・ハイレゾ】http://recochoku.com/a0/ohashi-trio_stereo/
【mu-mo】http://q.mu-mo.net/of/ohashitrio_180213/
【mora/通常】http://mora.jp/package/43000002/RZCD-86479/
【mora/ハイレゾ】http://mora.jp/package/43000002/ANTCD-26350_F/
【AWA】https://s.awa.fm/album/d952a6a6d0971cf29b21?t=1517330889
【AppleMusic】https://itunes.apple.com/jp/album/id1336854994?app=apple&ls=1
【LINE MUSIC】https://music.line.me/launch?target=album&item=mb00000000015b722c&cc=JP
【Spotify】http://open.spotify.com/album/6nL5RPWSgaKmKKe5d7zKLE

■ツアー情報
「ohashiTrio HALL TOUR 2018」
2018年3月30日(金)千葉・千葉市民会館大ホール  開場18:00/開演19:00
2018年4月6日(金)鹿児島・かごしま県民交流センター 県民ホール 開場17:30/開演18:30
2018年4月8日(日)福岡・福岡市民会館 開場17:00/開演18:00
2018年4月12日(木)兵庫・神戸文化ホール中ホール 開場18:00/開演19:00
2018年4月14日(土)広島・JMSアステールプラザ大ホール 開場17:00/開演18:00
2018年4月19日(木)長野・キッセイ文化ホール(松本文化会館)中ホール 開場18:00/開演19:00
2018年4月21日(土)新潟・新潟市音楽文化会館 開場17:00/開演18:00
2018年4月27日(金)京都・ロームシアター京都サウスホール 開場18:00/開演19:00
2018年5月6日(日)宮城・若林区文化センター 開場17:00/開演18:00
2018年5月11日(金)北海道・道新ホール 開場18:00/開演19:00
2018年5月25日(金)東京・NHKホール 開場18:00/開演19:00
2018年6月2日(土)愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール 開場17:00/開演18:00
2018年6月10日(日)長崎・とぎつカナリーホール 開場17:00/開演18:00
2018年6月14日(木)石川・石川県立音楽堂邦楽ホール 開場17:30/開演18:30
2018年6月16日(土)大阪・NHK大阪ホール 開場17:00/開演18:00

チケット料金
席種:全席指定 ¥6,800(税込)
※開場/開演時間に関しましては、諸事情により変更になる可能性もございます。ご了承下さい。
※年齢制限:3歳以上よりチケット必要 3歳未満は入場不可

チケットに関してはオフィシャルサイトをご確認ください。
http://ohashi-trio.com/

——

■上映会イベント情報
・「ohashiTrio 10th ANNIVERSARY SPECIAL CONCERT “TRIO ERA”」スペシャル映像上映
・大橋トリオ本人登壇&トーク
・特典会 ※当日会場でCD購入された方を対象

・日時/劇場:※各会場1回限りの上映です。

<東京> 2018年2月15日(木) 19:00開映 ユナイテッド・シネマ豊洲
<名古屋> 2018年2月17日(土) 17:00開映 ミッドランドスクエアシネマ
<大阪> 2018年2月18日(日) 17:00開映 なんばパークスシネマ
<札幌> 2018年2月24日(土) 17:00開映 ユナイテッド・シネマ札幌
<福岡> 2018年2月25日(日)17:00開映 ユナイテッド・シネマキャナルシティ13

・チケット:¥3,200(税込)全席指定 

・発売方法
一般発売:2018年1月31日(水)10:00~チケットぴあにて
インターネット購入:http://w.pia.jp/t/ohashitrio-sp/ ※PC・モバイル共通
店頭直接購入:チケットぴあ店舗/サークルK・サンクス/セブン-イレブン
チケット予約・購入についてのお問い合わせ:
チケットぴあインフォメーション 0570-02-9111
〈24時間対応。オペレーター対応は10:00~18:00 ※毎週(火),(水)2:30~5:30はシステムメンテナンスのため受付休止。〉

■大橋トリオ オフィシャル情報
WEBSITE: http://ohashi-trio.com/
Facebook: https://www.facebook.com/ohashiTrio/
Twitter:https://twitter.com/ohashiTrio
YouTube Channel: https://www.youtube.com/user/trioohashi