アリス九號.「ONEMAN TOUR 2019 革命開花ep1.-絶対“”黒“領域-」東京公演ライブレポート

2019年10月25日。東京・恵比寿「LIQUIDROOM」は日中、大雨に見舞われていた。

アリス九號.の「ONEMAN TOUR 2019 革命開花ep1.-絶対“”黒“領域-」ファイナル公演(※仙台公演は台風の影響により11/18に延期)ともあって少し心配していたが、開演の2時間位
前だろうか。ヒロトから「大雨を吹き飛ばす勢いでいきますので」の連絡が着た直後に雨はピタリとやみ、東の空に一瞬虹が掛かる。

今回の「絶対“黒“領域」ツアーは”原点回帰”を意識し「初ワンマンツアーを行った会場を巡る」コンセプトゆえに「小さめのハコ(キャパ)」になったという。それもあってか地方公演は
軒並み即完(SOLD OUT)となっていた。

定刻を少し回った19時過ぎ。オープニングSEが流れ、メンバー達がステージに現れた。

黒く、そして妖しい。そして一部メンバー衣装の肌の露出と透け具合が、官能的だ。

さらにハロウィン時期だからか、メイクも名古屋公演までと少し異なり、妖艶さ(妖しさ)
が増している。

紫のスポットライトが虎を照らすと、妖しいギターイントロを奏で出す。

『闇ニ散ル桜』―。

将「恵比寿、最初から死ぬ気で暴れてこうか。かかってこい!」

ギターのイントロと将の煽り第一声で、会場のオーディエンスがライブ冒頭から暴れモードに入る準備を整え、将の合図とともに嵐のようなヘドバンの波がフロア中に広がった。

続く『-Dice-』も、将の「アタマ飛ばせ」を合図に冒頭から激しいヘドバンに。
『Le Grand Bleu』では会場を揺らすジャンプへと続き、序盤からとにかく激しい。
会場内の温度と湿度が開演10数分で一気に上がっていくのが熱気で伝わってくる。

怒涛のような3曲を終えたところで、将がマイクをとる。

将「会いたかったぞ、東京。14年、15年ぶり?にワンマンでこのステージに帰ってきました」

フロアから大きな歓声と拍手。

将「初ワンマンでの印象が強いこの会場に、絶対”黒”領域。俺たちのカオスな曲ばかり集めた
最高のメニューを用意してきました。次は、この“アリス九號.”の名前を背負うにふさわしい
復活の曲を贈ります。『Phoenix』―」

ツアーコンセプトたる「妖艶さ」の権化のような『造花の代償』。
続く『秘密』もややアダルティックなナンバー、『Scarlet』は奥行き深く、巧みな演奏
含めて聴き入ってしまう。

『ハイカラなる輪舞曲』からまた空気が一変。
将とファンの振りに寸分の狂いもなく息がピッタリだ。サビではみんなワチャワチャ楽しんでいる。メンバー5人へのコール、沙我ベースソロ、Naoドラムソロもあり、アリス九號.のライブの楽しさが詰まった一曲だ。

再びMCへ。

将から、大阪での足の負傷の回復具合を聞かれたヒロト。

ヒロト「みんなに会いたくて必死で直してきました! (負傷中の)名古屋のライブで僕、座ってても120%だったんで、今日は500%目指すぞ!
 なので今日はみんなも、15年で一番狂ってってください!」 
  
ファンが大きな歓声と拍手でヒロトのケガからの回復を祝福する。

将「じゃあ俺たちの始まりの地で、お前らと俺たちの戦いを始めようか」

『開戦前夜』で再びライブ本編へ突入すると、一瞬にしてフロアはカオスモードに逆戻り。

『道化師』、『九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-』、『荊棘』とハードなナンバーが息つく間もなく続き、本編はまさに嵐・直撃状態の様相を呈して終了した。

 
アンコールの始まりは、恒例のNaoとヒロトによるグッズ紹介。

やがて虎、沙我、将が出てくると、
10月23日にリリースされたばかりの新曲『革命開花-Revolutionary Blooming-』を披露。

https://youtu.be/qz4ndtwVF5c

三味線を大胆に取り入れたフレーズは、”和洋折衷”をバンド結成時のコンセプトに掲げていたアリス九號.にとってある意味「原点回帰」であり、同時に、時を経ていまそれを世に放つことはある種「挑戦」でもあるといえそうだ。

ここでメンバー5人でのMCとなった。

虎「今回ツアー会場狭めだったんで、今日リキッド来たら何か広く感じて。『今日は涼しいだろうなー』って思ってたら、皆さんがむちゃくちゃ空気をもっていくせいで酸素薄くて息苦しいです(笑) まぁそんだけ熱いライブをやってるということですね。あとここ、会場もいいですね。皆さんの顔を見渡せて」
将「そう。めっちゃ後ろの方までよく見える」
虎「ちゃんと見えてんだぞ。変な顔してんじゃねーぞ(笑)」
将「酸素はホントに足りてないね。酸欠になるかもしれないな」
虎「そう。だから酸素管理、みなさんよろしくね(笑)」

続く沙我。沙我は顔の左半分、ハロウィンにちなみ(?) 特殊メイクを施している。

将「沙我さん、近くで見てもスゴイですよ。目が飛び出してますし。酸でもかぶったんですか?」
沙我「そう。今日来る途中に酸かぶって」
将「どんだけ気合い入ってんすか?」
沙我「なんかねぇ、“綺麗な自分に飽きた”っていうか」

どよめきと笑いが同発し、聞いたことない音声が場内にこだまする。

将「言ってみたい(笑)『綺麗な自分に飽きた』」
沙我「このツアーはホント、ずっと自分、キレイだったんすよ。ここにいる誰よりも綺麗
だった。誰も俺より綺麗じゃないもん」
と、オーディエンスも巻き込んで謎の挑発言動。
沙我「でも、それ(誰よりも綺麗な自分)にも飽きたなと思って。なんか汚してみたいなと思って」

フロアからは「カッコいいー!」「カッコいいよー!」の声が方々から。

沙我「いや、カッコいいとかじゃないからね。(それでも続く「カッコいいよー」の声に)…いや、ありがとう。まぁ俺はなんでも似合うけどね。ヘアメイクさんにも『沙我さん コスプレ方面も攻めた方がいいっすよ』って言われて。今日の“これ(左目)”もツアー中、眠れないときYouTu〇eで110話くらい?全部観た『幽遊〇書』の『軀』ってキャラで。片目がちょっとおかしなことになってるとこに、なんか親近感が沸いて」
将「あ~。でも、美しいものが汚れてるって、なんかすごいドキドキするね♡」
沙我「そう、矛盾を表してる。”哲学”だから。俺の顔は今」
将「今日の名言だよ(笑)『俺の顔は哲学』」
沙我「そう。どっちかに偏ってちゃいけないんだよ大人は。綺麗も汚いも両方なくっちゃ」
将「フィロソフィー。『沙我か、沙我以外か』ってことですかね」
沙我「そうだね。沙我の顔は哲学」

続いてNao。
Nao「いまね、沙我さんの言葉で僕は見えましたよ!『沙我さんを有名コスプレイヤーにして、コミケで写真集ROMを売りまくる!』 カメラ買っていま練習中だから、リズム隊の相棒は最高の沙我さんを撮る!」

「おおおーーー」とフロアから喜びの声と拍手。

将「最高じゃないですか」
Nao「なので、8月の下旬と、12月下旬は、ツアーできません!」
将「あれ、結成記念日そのへんなんだけど??」
Nao「コミケコミケ!!」
将「コミケ優先ですか??(笑) おかしいですねぇ」
Nao「そんなことも考えながら(笑) そして新曲『革命開花』発売になりました!
そして『歌って』みました!いやぁ有難いんですよ、こんな僕の歌でも『元気貰いました!』とかコメントくれる人がいて。音楽って、改めて素晴らしいなぁって思いました! 僕の次なる夢と野望は、街中で『あ、歌い手のミジンコさんですか!?』って言われることです!(笑)」

将「“ミジンコさん“なんだ? 自ら“ミジンコ”だなんて謙虚ですねぇ。微生物ですよ。 では、ヒロトさん。」

ヒロト「Naoさんて昔から関係者の人とかに『ドラム良かったですよ』って言われると、
『いやぁ僕なんてミジンコなんで』ってよく言ってましたよね(笑) 今日Naoさんのドラム、すごく気持ちいいっす!」
将「(頷き)いいっすよね。」
Nao「ミジンコ的には嬉しいっす!」
ヒロト「ミジンコなら100億匹位いそうな感じ(笑)」
将「すごい優秀なミジンコですよね。」
ヒロト「ホントなんか、あれだね。今日『いい』です。」
将「気持ちいいよね」
ヒロト「気持ちいい。やっぱり想い出の場所って、ひときわグッとくるものがあるよね。
今回のツアーのウラテーマがね、この名前(アリス九號.)に戻って最初のツアーだから、
最初に周った会場に行って熱い何かをまた取り戻そうぜ、的なものもあって。
でも、最初にここでワンマンやったとき、先行?販売で90枚しか売れてなくて、すげえ焦って。」
将「そうそう。俺もきのう思い出してた。」
ヒロト「もうライブの1ヶ月くらい前だよ??」
 (客さんから「えーー!」の声)
将「いや、2ヶ月くらいあったと思う」
ヒロト「すみません、盛りました(笑)」
将「でも、ヤバかった」
ヒロト「そう、やべー!ってなって。でもいざ幕が開いたら、それなりに(お客さんが)いてくれて。あの時の1曲目、何だったっけ…?『タイムマシン』?」
将「…。かなぁ」
ヒロト「そのとき居てくれた人も、きっと(今日)いるんじゃないかなぁ。ぜったい俺たちもその人も、その時よりもカッコよくなってると思う。」
ヒロト「個人的なあれなんだけど、この前ケガしちゃって、その時に『もう俺、ステージに立てないんじゃないかなぁ』って思ったの。でも今日の日のこと想ってたら、みるみる立てるようになって、歩けるようになってきて。『やっぱ、音楽の力って目に見えないものだけどスゴイんだな』って改めて思いました。今日はとくにダイレクトに、みんなからその熱を感じられてます。どうもありがとう!」

大きな拍手が会場中に響いた。

将「そうだね。原点回帰と銘打ってるけど、当時の俺らを知っている人も、その後に俺たちを見つけてくれた人も、みんな一緒に連れて行こうと思ってるから。今回、絶対“黒“領域ツアーを周れて、ホントよかったと思ってます。」
将「この先も一緒に歩いてくれますか? ゼロから一緒に歩いてくれますか?
  その想いを込めてこの曲を贈ります。 『ZERO』―」
『DEAD SCHOOL SCREAMING』では将がステージ上から拡声器で煽れば、ヒロトがドセンターと上手のファンに全身体ごとあずけて完全仰向けの状態でギターをかき鳴らす。
ステージ両サイドから勢いよく噴き出るCO2(スモーク)と照明&レーザービーム乱反射で、酸欠状態のメンバーも前方ファンすらも時おりすっぽり見えなくなり、気づけば沙我と虎がステージから客席フロアに降りてファンを煽っていた。このトドメのひと暴れで、会場のボルテージはピークに。

将「ラスト、今の俺たちにできる最高の花を咲かせようか。虹色の大輪の花を咲かせよう」
そして『RAINBOWS』へ。

将「また一緒に、真っ黒の花を咲かそうぜ。恵比寿、愛してるぜ!」

深々と一礼した将がステージを去ると、虎、Nao、沙我も満足そうな笑顔を見せながら
ステージから消えていった。

最後にひとりステージに残ったヒロト。ありったけのピックをフロア後方まで飛ばし、自分のスマホカメラで集まったファン全員と記念撮影。そしてセンターのお立ち台に上がり深々と一礼。

そして最後のマイクをとる。

ヒロト「恵比寿! 九組! NUMBER SIX! この閉ざされた世界からもう一度挑みます。
いつか、このエネルギーが絶対に絶対に、壁をぶっ壊せると思います!
  ついて来て下さい! 最っ高に、愛してるぜ!!」

2019年「絶対“黒“領域」ツアー東京公演は、メンバー5人とファンの笑顔に包まれて閉幕。

今年、〝A9〟最後のツアーと謳って開催した「A9 LAST ONEMAN ALIVERSARY TOUR」のFINALであり、バンドの15周年を記念して行った「A9 LAST ONEMAN ALIVERSARY TOUR FINAL & 15TH ANNIVERSARY “THE TIME MACHINE”〜もしも時が戻るならば 願いますか?~」日比谷野外大音楽堂公演を収録した、LIVE DVD&Blu-rayを2020年1月8日に発売することが決まった。

バンドの15年間すべてを凝縮したこの日のライブの終盤、〝アリス九號.〟として再始動することを発表し、多くのファンに衝撃を与えた瞬間が収められている。

また、12月25日にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)、年明け1月5日に大阪国際交流センター 大ホールにて行われるホールワンマン公演に向けたニュービジュアルも公開となった。

2公演とも“SYMPHONIC”を含む公演名が示すとおり、どちらもオーケストラを従えての見応えあるコンサートになりそうだ。

クリスマス、そして2020年―。
完全体で復活したアリス九號.が紡いでいく物語の続きを、しかと見届けたい。

Live Photo:Lestat C&M Project (個人ショット) 、miki fujiwara (全景)
Text & Edit:DE COLUM編集部

< SET LIST > 2019.10.25 LIQUIDROOM
1.闇ニ散ル桜
2.-Dice-
3.Le Grand Bleu
-SMC-
4.Phoenix
5.www.
6.造花の代償
7.秘密
8.Scarlet
9.ハイカラなる輪舞曲
-MC-
10.開戦前夜
11.道化師
12.九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-
13.荊棘

-EN-
14.革命開花-Revolutionary Blooming-
-MC-
15.ZERO
16.DEAD SCHOOL SCREAMING
17.RAINBOWS

▼リリース情報

●NEW SINGLE「革命開花-Revolutionary Blooming-」
NOW ON SALE!

▼初回限定盤
価格:2500円(税抜)NINE-0027
[CD]
1.革命開花-Revolutionary Blooming-
2.沙羅早々
3.革命開花-Revolutionary Blooming-(instrumental)
4.沙羅早々(instrumental)

[DVD]
◆2019年8月24日Beautiful Beast Fest. at 新木場STUDIO COAST
〝アリス九號.〟
1.Opening
2.the beautiful name
3. すべてへ

▼通常盤
価格:1500円(税抜)NINE-0028
[CD]
1.革命開花-Revolutionary Blooming-
2.沙羅早々
3.アゲハ

●アリス九號. LIVE DVD&Blu-ray「A9 LAST ONEMAN BEST OF A9 TOUR『ALIVERSARY』FINAL & 15TH ANNIVERSARY“THE TIME MACHINE”〜もしも時が戻るならば 願いますか?~」

2019年12月25日LINE CUBE SHIBUYA、2020年1月5日大阪国際交流センター 大ホール公演にて先行販売
2020年1月8日(水)全国リリース

<価格>
DVD:¥5,980(税抜き)
Blu-ray:¥7,980(税抜き)
《Blu-ray特典:メンバーオーディオコメンタリー + ライブ音源CD》

<収録内容>
SE Cradle to Alpha
01 RAINBOWS
02 Heart of Gold
03 Le Grand Bleu
04 UNDEAD PARTY
05 MEMENTO
06 cosmic world
07 NUMBER SIX
ーEntr’acteー
08 GEMINI-0-eternal
GEMINI-Ⅰ-the void
GEMINI-Ⅱ-the luv
09 birth in the death
10 光環
11 ヴェルヴェット
12 明治
13 華一匁
14 平成十七年七月七日
15 CASTLE OF THE NINE
16 九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-
17 闇ニ散ル桜
18 タイムマシン
19 革命開花-Revolutionary Blooming-
20 Waterfall
21 the beautiful name

▼LIVE情報

●アリス九號. Christmas Concert「革命開花 ep2. -SYMPHONIC ALICEMAS2019-」
■公演日:12/25(水)
■開場/開演:17:45/18:30
■会場:LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
■チケット料金:指定席 ¥6,980(税込)
■アリス九號. オフィシャルHP先行受付期間:10/18(金)21:00~10/27(日)23:59
■受付専用URL:https://eplus.jp/a9hp19-20/
■一般発売日:11月30日(土) 10:00

●アリス九號. New Year Concert 2020「革命開花 ep3. -SYMPHONIC GALAXY-」
■公演日:2020/1/5(日)
■開場/開演:16:45/17:30
■会場:大阪国際交流センター 大ホール
■チケット料金:指定席 ¥6,980(税込)
■アリス九號. オフィシャルHP先行受付期間:10/18(金)21:00~10/27(日)23:59
■受付専用URL:https://eplus.jp/a9hp19-20/https://eplus.jp/a9hp19-20/
■一般発売日:11月30日(土) 10:00

アリス九號. オフィシャルサイト
http://alicenine.jp

アリス九號. オフィシャルTwitter
https://twitter.com/alicenine_jp