3月8日、凛として時雨の自主企画「トキニ雨#17」の東京公演がZepp Hanedaで開催された。「トキニ雨」は2003年から不定期に行われている対バンイベントで、約2年半ぶりとなる「#17」は全国各地で5公演を開催。初日となったこの日はゲストにキタニタツヤが迎えられ、それぞれのライブから世代を超えたリスペクトが感じられる、意義のある一夜になった。
「僕の世代は中学・高校時代、凛として時雨は避けて通れない道だったので、僕も例に漏れずそこを通ってきていて。ドラムを叩いてる彼(佐藤丞)は時雨の影響でドラムを叩き始めたんです」。MCでそんな話をしたキタニタツヤのライブは、まさに時雨の世代のオルタナティブなロックを受け継ぎ、インターネット発の現代の音楽シーンと接続するキタニの特異な立ち位置を示すもの。「ずうっといっしょ!」でのギターの秋好佑紀(yeti let you notice)のアルペジオにしろ、佐藤の手数の多いプレイにしろ、ルーツにあるポストロックを感じさせ、「聖者の行進」で広がった手拍子からは、時雨のファンも含めてこの場のオーディエンスの心をガッチリ掴んでいることが伝わってくる。


SNSで話題になった、若かりし頃のキタニが友人と一緒に「Telecastic fake show」を弾くTKのマネで盛り上がる動画に触れ、「本物と対バンできて非常に嬉しいです」という言葉に笑いと拍手が起きる一幕も。ライブ後半では、音源でBABYMETALをフィーチャーしている最新曲「かすかなはな」を披露し、「今日は凛として時雨のみなさんと、凛として時雨が好きなみなさんの前で、こうして自分たちのライブを見てもらえて、すごく光栄です」と改めて感謝を伝えて、代表曲の「青のすみか」でさらなる熱狂を生み出し、「次回予告」でライブを終えた。


キタニのライブがサポートを含めて5人編成だったのに対し、凛として時雨は3ピースでも全く引けを取らないどころか、むしろそれを上回るくらいの音量で、カオティックでありながらも没入感の強いライブを展開。普段はワンマンで自分たちの世界観を突き詰めている時雨だが、対バンから刺激を受けることによって、また新たな衝動を獲得しているように感じる。最新曲の「Loo% Who%」や「abnormalize」といったライブの定番曲に加え、リリース当時のツアー以来、10年以上ぶりの披露となるレア曲も演奏されるなど、セットリストも特別感がある。




MCではピエール中野が「ギターリフを合唱するバンド」として例の動画に触れ、「今日は絶好の機会じゃないかと。キタニタツヤくんもいて、凛として時雨もいて、この先『Telecastic fake show』をやるかもしれない。合唱チャンスじゃない?」と煽ったこともあって、実際に披露された「Telecastic fake show」はいつにも増して熱狂的な盛り上がりを見せる。345からの「ひさしぶりの『トキニ雨』で、初日にキタニタツヤさんと一緒にできて、本当に嬉しく思ってます。見に来てくださったみなさんも本当にありがとうございます」という言葉に大きな拍手が送られると、ラストはTKがいつも以上の長さでノイズギターをかき鳴らし、貴重な一夜を締め括った。

「トキニ雨 #17」は残り4公演。3月15日に福岡で9mm Parabellum Bullet、3月21日に愛知で-真天地開闢集団-ジグザグ、3月22日に大阪で[Alexandros]、ファイナルは3月26日に東京でクリープハイプと、豪華な面々との共演が控えている。対バンツアーだからこそ感じることのできる一夜限りのケミストリーを、ぜひ会場で体験してほしい。

TEXT:金子厚武
Photo:石川浩章
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凛として時雨 「トキニ雨#17」
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2026年3月8日(日) SOLD OUT
OPEN 17:00/START 18:00
東京・Zepp Haneda(TOKYO)
GUEST:キタニタツヤ
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2026年3月15日(日)
OPEN 17:00/START 18:00
福岡・Zepp Fukuoka
GUEST:9mm Parabellum Bullet
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2026年3月21日(土) SOLD OUT
OPEN 17:00/START 18:00
愛知・Zepp Nagoya
GUEST:-真天地開闢集団-ジグザグ
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2026年3月22日(日) SOLD OUT
OPEN 17:00/START 18:00
大阪・Zepp Osaka Bayside
GUEST:[Alexandros]
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2026年3月26日(木)
OPEN 18:00/START 19:00
東京・Zepp Haneda(TOKYO)
GUEST:クリープハイプ

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