SHE’S オフィシャルライブレポート 周年キックオフ公演を 地元・大阪吹田にて開催

吹田市内の中学校や高校の芸術鑑賞会などが行われることが多いメイシアター。

文化に触れる入り口のような場所だ。2021年2月22日、吹田市出身のロックバンドがそのステージに立った。

1曲目『Voice』から木村雅人(Dr.)のドラムに合わせて強く響く手拍子。彼らのテーマカラーでもある水色の照明に照らされながら、コロナ禍で歓声が出せないもどかしい思いを抱えるファンに”君の声が聞こえるように”と優しく歌い上げた。

対照的に赤と白の照明、光るレーザーの中で披露されたのが『Unforgive』。

「大阪SHE’Sです、よろしく」いつもの井上竜馬(Vo./Key.)の言葉にさらにエンジンがかかる。

『Higher』では服部栞汰(Gt)が得意とする泣きのギターソロ。ステージの前方に出て、お客さんと目線を合わせるように、それでいて高らかに演奏する。

「ただいま」とMCの口火を切る服部。「いつも大阪でライブするときは”ただいま”と言ってきたけれど、今日が一番”ただいま”に相応しい」と話す。それもそのはず。メンバー全員が吹田出身の彼らは成人式などでも度々メイシアターに訪れてきた他、服部と広瀬臣吾(Ba)は中学時代の合唱コンクールでこのステージに立っているのだ。重ねるように井上が「小学二年生のピアノの発表会で来てるから先輩やわ」と
笑いを誘う。続いて木村もメイシアターでライブしている映像を見たことがドラムを始めたきっかけだったと語る。
彼らにとって地元ということだけでなく、それだけ意味のある思い入れの深い場所なのだ。

新旧織り交ぜながら披露されるライブは10周年のキックオフに相応しい。これまでの曲はもちろんだが、昨年リリースした最新アルバム『Tragicomedy』の楽曲たちが、新しい彼らの輪郭を作っていた。黄色のスポットライトに木村が照らし出され、ピンクの光を浴びる広瀬。人間の表裏を描いた『Ugly』に似合う、感情のように変わる照明も楽曲を引き立たせていた。

「めっちゃ楽しいです」こぼすように井上は言いながらステージ後方に移動する。 今回初めて取り入れた、グランドピアノだ。 「発表会を思い出すなあ」回想しているのか、微笑を浮かべている。 ふわりと鍵盤に手を置いて、鳴り始めた音色は心に染み入るように優しい。 『Tonight』『Long Goodbye』の2曲をグランドピアノで披露した。

定位置に戻り演奏されたのが『Your Song』だ。昨年はイベントが中止になったり、自身のツアーファイナルであるなんばHatch公演を無観客に変えたり、彼らにとってもファンにとっても心苦しい選択の連続だったと思う。そんな中、くじけそうな心を支え、道を照らしてくれたのがこの曲だった。「好きな歌を口ずさんでいこう」その詩は合言葉のようにホールに響き渡っていた。

お客さんを前にして初披露されたのが新曲『追い風』。初披露にも関わらず曲が始まると手拍子も始まる。期待の高さが感じられる。ロゴのフラッグが現れて青く光を放ち、後半に向けての気持ちを高めていく。

最近のライブでは定番曲である『Dance With Me』では、演奏前に「男子!」「女子!」と呼び掛けるコールアンドレスポンスがある。お客さんが応えられない中、服部が手元のサンプラーで歓声のSEをタイミングよく流す。歩みを止めずに配信ライブを続けてきた彼らがあみ出したお家芸とも言えるだろう。井上の軽快なステップに比例するように心が躍る。

「バン!」銀テープが飛び虹色の照明に照らされて、会場はさらなる多幸感に包まれていく。

そして再びグランドピアノへ。

「久しく実家に帰ってない。忙しいだけじゃなくコロナで帰省することができなかった」と話し始める井上。「帰る場所があるから東京に出て挑戦することができているんだと、今日改めて実感している。だからこそ、同じようにあなたにとってSHE’Sがあたたかい存在、帰ってこられる場所でありたい」と話した。

ラストに演奏されたのは、地元吹田でこの歌をうたおうと決めていたという「Home」だった。夕日のような赤い照明に照らされて、優しくグランドピアノを弾き語る。哀愁を感じさせながらも、単なる懐古というものではなく、自分の現在地を確かめて前進する姿に見えた。

「最後に一緒に歌おうぜ」その言葉に呼応するように客席から手が高く上がる。 聞こえるはずのないシンガロングが鳴り響いた瞬間だった。

ここで生配信は終了となっていたが、会場に足を運んだファンたちには続きがあった。あたたかい拍手に迎えられたアンコール。一足早く新緑を感じるグリーンの照明。

『Blowing in the wind』は10周年の新しい旅を始める彼らとファンに寄り添う、心地いい風を吹かせた。

井上は「メンバーとピリピリした時もあった。けど今は支えられている。スタッフにも。だから自分たちだけの10周年じゃない。ここからどこまで行くかわからないけれど、どんな形であれ、音楽を続けていきたい。たくさんの人に支えてもらいながら、でも自立して歩んでいきます」と十年間の感謝を述べた。「最後は歌に込めて」と披露された『Curtain Call』。

この曲はこれまでもSHE’Sのセットリストの最後の曲として披露されてきた楽曲だ。

服部が力強く且つ伸びやかにギターソロを披露した後、曲の終盤で井上はマイクを通さずに歌い上げた。演奏もなく、ただ彼の声だけが響き渡る。

”何度もこの日々に憂い足は止まって”

“何度もその度に救われてきたから”

“何度でも何度でも声を枯らし叫ぶよ”

“あなたが光なんだ”

これまでもこれからも変わらないスタイルで彼らは進んでいくのだろう。

SHE’S 10th Anniversaryキックオフ公演は彼らの宣言的なライブだった。

2021年のSHE’Sが楽しみで仕方ない。

ライター:FM802 DJ樋口大喜
photo by HAYASHI MACO

【セットリスト】

Voice
Unforgive
Un-science
Higher
Night Owl
Clock
Ugly
Tonight
Long Goodbye
Your Song
Letter
追い風
Dance With Me
Home
Enc1.Blowing in the Wind
Enc2.Curtain Call

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<Live Info>

周年キックオフ公演

SHE’S 10th Anniversary「From 19」
2021年2月22日(月)
会場:吹田市文化会館 メイシアター 大ホール

**アーカイブ配信 発売中!!**

<日程>

2月22日(月) 18: 30 Start

※配信終了後〜2021年2月28日(日)23:59までアーカイブ配信有り
※会場の状況に応じて開演時間は変更になる場合がございます。予めご了承ください。
※途中からの視聴した場合はその時点からのライブ配信となり、生配信中は巻き戻しての再生はできません。
<料金>

視聴券 ¥2,280(税込)
サポートチケット mini ¥2,780(税込)
サポートチケット regular ¥3,280(税込)

<販売期間>

2月8日(月)19:00~ 2月28日(金)21:00まで
※配信日2日前(2月20日(日)AM00:00)からはカード決済のみでの販売となります。予めご了承ください。

<販売URL>

https://eplus.jp/shes/st/

<利用ガイド>

https://eplus.jp/sf/guide/streamingplus-userguide

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初の東阪野音ワンマン開催決定!!

SHE’S 10th Anniversary「Back In Blue」

2021年5月8日(土)

会場:大阪城音楽堂

開場 16:30 / 開演 17:30

問い合わせ:SOUND CREATOR 06-6357-4400

2021年6月26日(土)

会場:日比谷公園大音楽堂

開場 17:00 / 開演 18:00

問い合わせ:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

料金:指定席 ¥4,800(税込)

※未就学児入場不可。 小学生以上有料。

【注意事項】

・入場時に検温チェックや消毒、マスク着用等のご協力をお願いします。

・安全面を最大限に考慮した上で追加券売が可能となった場合には、段階的に観覧エリアを変更致します。

・荒天中止

▼周年公演特設サイト
http://she-s.info/shes-10th_aniv/

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〈Release Info〉
カンテレ・フジテレビ系火9ドラマ『青のSPスクールポリス』主題歌含むシングル

★2021年2月17日(水)発売

6th Single『追い風』

CD購入&配信リンク

https://shes.lnk.to/oikazeID

■初回限定盤(CD+DVD)  TYCT-39147 1,800円+税

CD: 全4曲収録

1. 追い風 ※カンテレ・フジテレビ系火9ドラマ「青のSPスクールポリスー学校内警察・嶋田隆平ー」主題歌

2. Mirai ※エネルギア・コミュニケーションズ 企業CMイメージソング

3. In Your Room

4. 追い風 (Instrumental)

DVD:

SHE’S Tour 2020 ~Re:reboot~』Tour Final at Namba Hatch Live & Documentary

 ・Live at Namba Hatch 2020.12.5

Unforgive / Ugly / Be Here / Your Song / Letter / Higher / Tragicomedy

 ・Tour Final Documentary & Interview

「追い風」Music Video / Lyric Video

■通常盤(CD)  TYCT-30119 1,000円+税

※CD収録曲は同内容です。

<CD封入特典>※初回限定盤、通常盤の初回出荷分に封入

SHE’S初の野音ワンマン公演【SHE’S 10th Anniversary「Back In Blue」】
CD購入者特別先行応募シリアルナンバー

<店舗別購入特典>

タワーレコード:オンライントーク&アコースティックミニライブ(生配信)視聴応募券

楽天ブックス:チケットホルダー(W216×H134mm クリアファイル素材)

HMV:ポスターカレンダー(サイズ:A2)

Amazon:メガジャケ(購入形態と同デザイン)

その他一般店及びオンラインショップ: 「追い風」告知ポスター(サイズB2)

▼SHE’S「追い風」MUSIC VIDEO
https://youtu.be/6AD_-LSaXHE

▼SHE’S – 追い風【Lyric Video】

URL:https://youtu.be/BqP_2bKIqE4

▼周年リリース特設サイト

https://sp.universal-music.co.jp/she-s/10th/

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【プロフィール】

聴けば、きっと囚われる。旋律に愛されたバンド。

メンバー全員大阪出身のピアノロックバンド。2012年「閃光ライオット」ファイナリストを契機にその高い音楽性が一気に注目を集め、2016年6月にメジャーデビュー。全作品のソングライティングを担う井上竜馬が奏でるピアノをセンターに据え、エモーショナルなロックサウンドから心を鷲掴みにする珠玉のバラードまで、壮大かつ圧倒的な存在感を放つ。2021年でバンド結成10周年・メジャーデビュー5周年というアニバーサリーイヤーに突入する。

【オフィシャルサイト】

http://she-s.info/

【オフィシャルTwitter】

https://twitter.com/SHE_S_official_

【オフィシャルInstagram】

https://www.instagram.com/she_s_official/

【オフィシャルファンクラブ】

SHE’S Official Fanclub「SHE”Zoo”」
http://fc.she-s.info/