ACIDMAN主催フェス「SAI 2022」 オフィシャルレポート到着

ACIDMANの結成25周年/デビュー20周年を記念したフェス『ACIDMAN presents SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI” 2022』が、2022年11月26日・27日の2日間にわたり、さいたまスーパーアリーナにて行われた。

5年前の初開催時の衝撃をも凌ぐ、いちアーティストが主催するフェスとしては破格の規模とメンツを実現させながら、同時にACIDMANの思想や美学を随所に反映させた『SAI 2022』は何故実現できたのか。2日間、すべてのライブを観て、会場を表も裏も歩き回った結果として思い浮かんだのは「愛」だった。それに尽きる。

2年前(コロナ禍で最も見通しの立たない時期であった)からオファーしていたという盟友バンドも、日本を代表するレジェンドも、傍目からは異ジャンルに映ってもおかしくないバンドも、オファーを承諾しただけに終わらず、みなそれぞれにライブで発した言葉で、選曲で、ACIDMANを祝い讃えていた。その光景をステージ袖から見届け続けたACIDMANもまた、自らのライブを通して、そして主催者としてのホスピタリティ(裏事情になるが、ケータリングの豪華さや持ち込んだ映像演出を使用する体制づくりなど、驚かされた部分が多々あり)を通して、愛と感謝を送っていた。

ホスピタリティに関しては、来場者に対しても様々な部分で向けられていた。フェスの特別感を煽る装飾や、記念に残るフォトスポットなどにも工夫を凝らしつつ随所に設置。終演後には来場者全員におみやげとして線香花火(SAIのロゴからの発想だろう)が配られていたのも印象的だ。そしてファンもまた、単にお目当てのバンドだけを楽しむのではなく、ACIDMANの作り上げた空間と時間を楽しみ切ろう、という姿勢の人がとても多かったように映った。

そういった全ての事柄はやはり「愛」なくしては説明がつかない。25年間の活動の中で出会い、関わってきた人々のおかげで今がある。一人でも欠けていたらここに立っていない。それはアーティストだけではなくファンもそうなのだ、というライブ中の大木伸夫(Vo/Gt)の言葉通りの思いが、目一杯込められたフェス──。ここからは、全19組20本にも及んだライブの模様を中心に、この一大祭典を振り返っていきたい。

会場前の「けやき広場」には、一般協賛に参加したファンの名前が記された提灯がずらりと吊るされ、各種フード店舗のほか大木の出身地・川越市の物産展や、同フェスとコラボしたCOEDOビールなど様々なブースが立ち並び、まさに“祭”といった様相を呈している。

開演の5分前に現れたMCジョージ・ウィリアムズが、フェスを祝い盛り上げる前説とともにガイドラインを説明(2日間の中では他にもACIDMANと親交のある面々が多数登場した ※後述)。その後、「彩-SAI-(前編)」MVと共に出演アーティストを紹介するオープニング映像が流れ、『SAI 2022』の幕が上がった。

トップバッターは東京スカパラダイスオーケストラ。白のジャケットに黒のパンツという揃いの出で立ちで登場すると「大好きなACIDMANのために」「戦うように楽しんでいこうぜ」(谷中敦・Baritone Sax)と、「DOWN BEAT STOMP」や「銀河と迷路」など、快楽性に満ちたインストから歌ものの楽曲まで、次々に演奏していく。「追憶のライラック」ではゲストボーカルとして大木が登場。ラストの「Paradise Has No Border」では加藤隆志(Gt)がマシンガンポーズを決めて両脇にホーン隊がずらりとなららぶ、お馴染みのフォーメーションで喝采を浴びた。

 

続いてはDOPING PANDA。ソリッドな3ピースサウンドによる「Imagine」から、曲を追うごとにどんどん音像の華やかさが増していく。とりわけ、グランジテイストとパーカッシヴなリズムの合わせ技で快楽へと誘う「MIRACLE」から「Silhouette」というライブ後半の流れは、踊れるビート×エッジーなギターという徹底した合わせ技の積み重ねで、観る側もやっている側もどんどんノッていっている様子が見て取れた。フルカワユタカ(Vo/Gt)が「(再結成が)間に合ってよかった」「次は俺たちが誘うから」とメッセージを送ったあと、「Crazy」を繰り出して終了。

桁違いの重低音を放ちスタートしたSiM。誇張なしで空気を震わせ、お立ち台に乗って目を剥き頭を振り咆哮をあげるMAH(Vo)。「Blah Blah Blah」でアリーナ全体を弾ませる。出演バンドが先輩ばかりであることを毒舌まじりで弄りつつ、自分たちが一番若いが格は負けてないと豪語、「世界で1位を獲る音楽を聴かせてさしあげましょう」とドロップした「The Rumblimg」のド級のスケールが場内を席捲する。ダビーなミドルテンポからロックバラード調に転ずる「The Sound of Breath」からの仕上げの「KiLLING ME」はまさにトドメの一撃だった。

 

 

撮影:Taka“nekoze photo”

藤田琢己のMCを挟み、SEなしで登場したback number。一瞬の静寂のあと流れ出した「クリスマスソング」のイントロには歓喜の声。軽快なシンセをあしらった「怪盗」や新曲の「アイラブユー」も大きなリアクションを集める。清水依与吏(Vo/Gt)のナチュラルでいて情感豊かな歌と、透明度の高いサウンド、抜群のメロディセンスは圧巻の域。18歳の頃出会ったACIDMANやその周囲のバンドに強烈な憧れを抱いたこと、しかし自分はそういうタイプにはなれなかったこと。それでもここに呼ばれたということはその道程が間違っていなかったと胸を張れる──そう語った後の「水平線」は心の深いところまで染み入った。

 

撮影:山川哲矢

氣志團は一曲目「房総魂」でローカル愛を歌い上げる立ち上がり。EDM然とした音と綾小路翔(Vo)エンタメ性の高い立ち居振る舞いでたちまち会場を掌握してみせた。キラーチューン中のキラーチューン「One Night Carnival」に続いては、「新曲」と称して「One Night Carnival」とACIDMAN「造花が笑う」の人力マッシュアップ「造花が踊る」までやってのけるサービス精神を発揮。「あんまりおしゃべりは得意な方じゃない」なんて前フリをしておきながら、持ち前のトーク力も全開で、ラストの「MY WAY」に至るまでそのエンターテイナーぶりを存分に知らしめたのだった。

             

撮影:石井麻木

1日目折り返しのタイミング、ジョー横溝のMCを受け、LOW IQ 01 & RHYTHM MAKERS+が登場。普段のメンバーにASPARAGUS・渡邊忍が加わったスペシャル編成で厚みを増したギターサウンドとコーラス、タイトで強靭なリズム、そのど真ん中に構えるメロディックパンクの王道を貫く旋律で、「LITTLE GIANT」「SNOWMAN」など次々に楽曲を繰り出し、あらゆる世代のパンクスを踊らせていく。エモやパワーポップのエッセンスも感じる新曲「STARTING OVER」に見たのは、「最年長かと思ったらスカパラがいた」というほどのキャリアを重ねてなお褪せない青春性とピュアな魂だった。

撮影:AZUSA TAKADA

MAN WITH A MISSIONの登場直後、聞き覚えのあるナレーションに歓声が上がる。いきなりの「Emotions」でブチ上がったボルテージに拍車をかけるように、背後のスクリーンには宇宙空間を疾走するようなイメージが流れ、「SAI! SAI!」と吠えまくるトーキョー・タナカ(Vo)。中盤で「FLY AGAIN-Hero’s Anthem-」などダンサブルなアプローチを連打するなど、アリーナクラスの会場の乗りこなし方を熟知したパフォーマンスは流石。仕上げに、両手を交互に頭上に掲げるポーズでお馴染みの「Get Off of My Way」で祝祭感をブーストさせたのだった。

撮影:山川哲矢

 

続いてはストレイテナー。「Graffiti」の清冽なサウンドから、ホリエアツシ(Vo/Gt/Key)が鍵盤に移って「SAD AND BEAUTIFUL WORLD」へ。メランコリックな音像がキレキレのロックサウンドへと豹変する快感は彼らの真骨頂だ。ホリエは「俺たちのロックフェス、SAIへようこそ」と冗談めかしていたが、ACIDMANとは自他共に認める盟友同士、実際にホーム感が漂っていたのは事実。メンバーの表情も晴れやかだったし、観客の反応もすこぶる良い。ラストナンバー「TRAIN」の曲中、「かかってこい」とばかりに手招きするホリエの姿に揺るぎないロック魂を見た。

撮影:AZUSA TAKADA

撮影:石井麻木

突如フットボールアワーの岩尾望がMCとして登壇して呼び込んだ、トリ前のDragon Ashは新曲「Entertain」から。BOTSのDJプレイ中に走り出たkj(Vo)の、「声を取り戻せ」「音楽を取り戻せ」との号令が高らかに響く。「Let yourself go,Let myself go」や「陽はまたのぼりくりかえす」といった名曲たちに聴き入ったのもつかの間、後半にかけては「百合の花咲く場所で」、そして「Fantasista」と、彼らの核心たるミクスチャーロックを叩きつける容赦ない展開に。最後は「ACIDMANの最後の一音が鳴り止むまで観て、良い顔して帰ってください」と、ダイナミックなロックアンセム「New Era」を晴れやかに轟かせた。

撮影:Taka“nekoze photo”

「最後の国」をSEに、会場中のクラップに出迎えられたACIDMAN。浦山一悟(Dr)のドラムソロから始まり、印象的なギターリフと佐藤雅俊(Ba)の低くうごめくベース、リーディングのように矢継ぎ早に放たれる言葉の数々。最初期の曲「to live」だ。意表をつく立ち上がりには興奮を禁じ得ない。「最高の夜にしましょう!」一本指を高く突き上げた大木が高らかに叫び、「造花が笑う」、さらに「FREE STAR」へと繋ぐ。スクリーンに映る大木の、いつも以上に凛々しい表情とまっすぐな眼差しが頼もしい。彼らを象徴する超大作「廻る、巡る、その核へ」から、珠玉のバラード「世界が終わる夜」をドラマティックに歌い上げた後は、「5年前の再現を」と、スカパラの谷中と加藤を迎え入れて「ある証明」をコラボ。「ちょっとくらい声出してもいいから、盛り上がっていくぞ!!」と興奮を隠そうともしない大木の様子に、場内も現状では最大級のリアクションで応える。「Your Song」までトップギアで突き抜け、長いようであっという間の一日目は終わりを迎えた。

撮影:石井麻木

撮影:AZUSA TAKADA

撮影:Victor Nomoto – Metacraft

撮影:山川哲矢

 

2日目の前説を務めたのはBoo。そしてライブの口火を切ったのはACIDMANと親交の深いTHE BACK HORN。「最高の1日にしようぜ」と、荒々しいビートと図太いベースが疾走する「刃」を叩きつけると、アクセルを踏み続けたまま「シンフォニア」へ。山田将司(Vo)の激しい歌唱やささくれ立ったサウンドの中にどこか温かみも感じさせる。一転、穏やかな歌い出しからはじまったのは、ACIDMANの世界観とも通底する「空、星、海の夜」。いずれの曲も気迫のこもりかたが尋常ではなく、とても朝イチとは思えない。高速ベースソロから繋がれたラストナンバー「コバルトブルー」まで35分、完全燃焼のライブをやりきった。        

 撮影:AZUSA TAKADA

「高校時代の俺に衝撃をくれて、なけなしのバイト代をはたいてライブを観に行ってから20年、やっとこの日がやってきました」。片岡健太(Vo/Gt)がACIDMANへの思いを口にしてからスタートしたsumika。「Lovers」のカラフルに弾む音色そのままにメンバー同士も笑顔で絡み合ったり、自分たちのやり方・見せ方を貫きつつ、ハイテンポかつトリッキーな構成の「ふっかつのじゅもん」や、彩り豊かなギターロック「ファンファーレ」、R&Bテイストで揺らす「Summer Vacation」などなど、確かな演奏技術に裏打ちされたアプローチの多彩さが見事だった。   

  

撮影:山川哲矢

サウンドチェックからそのままスタートしたthe band apartは、キックとシンバルが鳴り出した時点で会場が沸いた「Eric.W」でいきなり極上の音空間を作り上げた。荒井岳史(Vo/Gt)の歌声もアンサンブルの一部としてグルーヴしている。ジャズ、ファンクといったエッセンスだけでなく、8ビートを基調としたロックのダイナミズムが表出した「DEKU NO BOY」や、エフェクティヴな音_色やシンセパッドを取り入れた「The Ninja」のようなアプローチまで自由自在。「夜の向こうへ」へと至る全7曲、曲を追うごとに会場中が思い思いに身体を委ねていった。

   

      撮影:藤井 拓

ダイノジによる軽妙な掛け合いに続いては、開始直後から爆音とデスボ、ヘドバンの嵐にいきなりナヲ(ドラムと女声と姉)のダンスが差し込まれたり、デジタルサウンドが割り込んできたり、何でもありなサウンドが席巻。これぞマキシマム ザ ホルモン。歴も年代も近いもののライブハウスでの対バン経験はないというACIDMANとの間柄を「塾の友達みたい」と絶妙に喩えつつ、キャッチーとヘヴィネスのツープラトン「恋のメガラバ」、「お前らの最大の戦闘力でかかってこい!」(ダイスケはん・キャーキャーうるさい方)と「「F」」まで放り込んでくるのだから堪らない。「恋のスペルマ」は会場の一体感を極限まで高めきった。プライベートで大木とダイスケはんが食事をした際、宇宙の話題から「島忠最高」という結論に着地した話など、MCでも大いに笑わせてくれたのは言うまでもない。

撮影:浜野カズシ

ステージを紗幕で覆って映像を投射するライブ「暗影演舞」をアレンジし、背後のスクリーンを駆使した内容となったBRAHMANは、間違いなくこの日のハイライトのひとつ。コロナ禍以降に到達した極みである「Slow Dance」を終えると、全く曲間を空けることなく「賽の河原」から一気に5曲を演奏するなど白熱の一途を辿り、「ANSWER FOR」の曲中ではACIDMAN・大木が、「今夜」ではELLEGARDENの細美武士が登場してのコラボも実現した。そして強烈な一節から始まった「真善美」の終盤で音が止む。口を開いたTOSHI-LOWは、多彩な出演者が集まったこのフェスについて「夜空の星はバラバラだけど誰かが星座を作ったんだよ。そこにストーリーをつけた。バラバラの俺たちを結びつけてくれる力がある、俺はACIDMANをそう思っている」と穏やかに、力強く讃える。さらに、ACIDMANが毎年3月11日に福島でライブを続けていること、そんな彼らと共に酒を酌み交わせる間柄であることを誇りに思う、と続けると会場中が大きな拍手に包まれ、スクリーンには大木が涙を拭う姿が映し出された。

撮影:石井麻木

大抜卓人のMCに呼び込まれたASIAN KUNG-FU GENERATION。MC仄暗いステージに流れるアンビエントを聞き覚えのあるバスドラムが打ち抜き、「君という花」から「リライト」「ソラニン」とバンドの歴史を辿るように演奏。笑顔を見せながら気持ちよさそうに歌声を響かせる後藤正文(Vo/Gt)の歌声も、重厚な味わいの増したバンドサウンドも“今”のアジカンの音で、「You To You」や「Be Alright」ともシームレスに共存している。「またこういう景色が戻ってきたことが嬉しいし、下積み時代を共に過ごしたバンドがそれを作り上げたことが誇らしい」という後藤の言葉も感慨深い一コマだった。

撮影::山川哲矢

フェス2日目も後半戦、ELLEGARDENが登場。「Fire Cracker」の歯切れよく、しかし猛烈な勢いで鳴らされる音の壁をなんなく突き抜けてくる細美の歌声。「風の日」では「生形、行ってこい!」との檄に応え、生形のギブソンが唸りをあげる。「Supernova」の盛り上がりはもはや言わずもがな。どの曲もどの瞬間も歓喜の渦を巻き起こす。「今日は呼んでくれてありがとう」と飾らずシンプルなACIDMANへのな謝辞も彼ららしい。「休止してる間もずっと聴いててくれたんだなって思いました。また会おうぜ!」と告げた後の「Make A Wish」で終わりかと思いきや、新曲「Strawberry Margarita」を叩き込んでからフィニッシュ。16年ぶりの新譜もライブ活動も、楽しみは続く。

撮影:石井麻木

「おっしゃ、いこうか!」とTAKUMA(Vo/Gt)が気合を漲らせ、10-FEETは「ハローフィクサー」からスタート。「RIVER」では、いつものように「荒川」「入間川」と地元民に馴染み深い河川を盛り込む。観客にスマホのライトを付けてしゃがむように促しておきながら、そのまま放置してMCに入ったり、「ライオン」がいつの間にかACIDMAN「赤橙」に変わっていたりと奔放なライブ運びで笑わせながら、ラウドなダンスナンバー「第ゼロ感」などクールに決めるポイントではきちんとカッコいいのが彼らの流儀。ラストは盛大なクラップと共に「ヒトリセカイ」を歌い鳴らした。

撮影:藤井 拓

ステージ上に俳優・斎藤工が突然現れどよめく中、彼が「日本が誇る……いや、日本の誇り」と紹介したのは、大トリ前のMr.Children。スポットライトを浴びた桜井和寿(Vo/Gt)が「終わりなき旅」を弾き始めただけで場内の空気が一変、音や歌だけではない、すさまじいエネルギーがステージから放たれる。「バンドマンに愛され続けるACIDMANに声をかけてもらえて、ラインナップさせてもらって。皆さんにこうして会えて嬉しいです」「一緒にやれる曲、お送りします」と「HANABI」を演奏。フルボリュームではなくとも久々に聴くシンガロングにはグッときてしまう。「ACIDMANに追い越されないように僕らもまだまだタフでありたい」「ACIDMANにはいつまでもかっこよく、タフに活動し続けてほしい。僕らもずっと一緒に活動を続けていきたい」と、ACIDMANに最高のエールを送ったバンドシーンのトップランナーは、題名通りの究極のメッセージを込めた「生きろ」をパワフルな演奏とで届けステージを後にした。

撮影:AZUSA TAKADA

『“SAI” 2022』の最後のステージに上がったACIDMAN。力強いカウントコールで放たれた1曲目の「world shymphony」から、大木だけでなく佐藤もオフマイクで絶叫するなど明らかに気合が漲っている。浦山のキックと大木のアルペジオのみのミニマルな音が三位一体の疾走へと至る「夜のために」。ともにジャジーなコード感を持った「Rebirth」と「赤橙」は、彼らの音楽性の進化と変わらない美学を露わにする。壮大な宇宙の歴史と一瞬の人の生、全てに終わりはあるということ。それでも生まれ生きていくということ。何度も聞いてきたはずなのにそのたびに胸を打つ大木のMCからの超大作「廻る、巡る、その核へ」は間違いなくハイライトだ。スクリーンには様々な生命のイメージが現れては移ろい、消えていく。深く深く没入していく演奏は、やがて燃え盛る轟音に包まれていく。さらには、前夜に演奏した「世界が終わる夜」と双璧を成す象徴的楽曲「ALMA」へ。<さぁ 降り注げ>の歌詞にあわせ、星型の紙吹雪が舞い落ちる。

撮影:Victor Nomoto – Metacraft

撮影:山川哲矢

撮影:石井麻木

撮影:三吉ツカサ

撮影:Victor Nomoto – Metacraft

スクリーンにこの日のライブの様子や参加者の表情を投射したオーラスの「Your Song」を終え、袖で見守っていた大勢の出演者たちを呼び込むと、その中にTAKUMAやダイスケはん、細美などなど大木の出で立ちを再現(勝手に持ち出された本人の私物含む)した面々がゾロゾロと登場したり、謎の着ぐるみの中にTOSHI-LOWが入っていたりと、大盛り上がりに。最終的に桜井までハットを被って記念写真に収まり大団円。その光景こそまさしく、世代もジャンルも多種多様なアーティストが一堂に会した夢のような、奇跡のような2日間を、そしてACIDMANの歩んできた四半世紀を象徴するものだった。

取材・文=風間大洋

 

<配信情報>

Amazon Musicにて「SAI 2022」ライブ映像(一部)無料配信決定
ACIDMANと豪華ゲストのトークと共にお楽しみいただけます。

「Amazon Music Live: ACIDMAN presents “SAI” 2022」
配信日:2022年12月19日(月)20時〜
配信URL:https://www.twitch.tv/amazonmusicjp
※視聴無料/会員登録不要

▼詳細
https://sai-fes.jp/

 

<公演情報>

ACIDMAN presents「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI” 2022」

開催日:2022年11月26日(土)、27日(日)

会場:さいたまスーパーアリーナ

(問)SOGO TOKYO (03-3405-9999)

■出演アーティスト

<DAY1>2022年11月26日(土)

ACIDMAN/氣志團/SiM/ストレイテナー/東京スカパラダイスオーケストラ/DOPING PANDA/Dragon Ash/back number/MAN WITH A MISSION/LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS +  (50音順)

<DAY2>2022年11月27日(日)

ACIDMAN/ASIAN KUNG-FU GENERATION/ELLEGARDEN/THE BACK HORN/the band apart/sumika/10-FEET/BRAHMAN/マキシマム ザ ホルモン/Mr.Children (50音順)

<SAI>

ACIDMANが、2017年に結成20周年のアニバーサリーイヤー集大成として初主催したロックフェス「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI”」を、2022年11月26日(土)、27日(日)に5年ぶりに開催。会場は、前回同様、メンバーの故郷である埼玉県のさいたまスーパーアリーナ。

初回開催時は、10-FEET、MAN WITH A MISSION、THE BACK HORN、ASIAN KUNG-FU GENERATION、the HIATUS 、BRAHMAN、RADWIMPS、Dragon Ash、STRAIGHTENERが出演。(出演順)ACIDMANの盟友であり、各フェスのメインアクトをつとめる超豪華なバンドが勢揃いし、チケットは即日ソールドアウト。“伝説のフェス”として、再開催を望む声が届き続けていた。

ACIDMAN結成25周年イヤーとなる2022年は、開催も2daysとなり、ロックバンドの強さと逞しさを、更に多くのオーディエンスに届ける。

 

「SAI 2022」開催発表・メンバーコメント

https://youtu.be/meee9Wq3Q5I

 

初回開催時の映像作品『ACIDMAN 20th ANNIVERSARY FILM “SAI”』を2022年の開催までの1年間の期間限定で、Youtubeにて無料公開中

https://youtu.be/uT1SVcK55bM

 

フェスタイトルである「SAI」は、「埼玉県の“埼”」「祭りの“祭”」「才能の“才”」「ACIDMANの楽曲タイトル【彩-SAI-前編/後編】の“彩”」などからイメージしたもの。

 

【ACIDMANプロフィール】

大木伸夫(Vo&G)、佐藤雅俊(B)、浦山一悟 (Dr)からなる“生命”“宇宙”をテーマにした壮大な詩世界、様々なジャンルの音楽を取り込み、“静”と“動”を行き来する幅広いサウンドで3ピースの可能性を広げ続けるロックバンド。

2002年アルバム『創』でメジャーデビューを果たし、以降、数々のロックフェスの大トリを務める。2017年には結成20周年の集大成として故郷埼玉県、さいたまスーパーアリーナにて初の主催ロックフェスである「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI”」を開催し、チケットは即日ソールドアウト。

2021年5月21日、アルバム収録予定楽曲を発売前に初披露する配信ライブを、新宿・BLACKBOX³にて開催。全面LEDを駆使した映像美は、各方面から大絶賛の声に溢れた。そこで披露した、実に4年ぶり12枚目となるニューアルバム『INNOCENCE』を10月27日にリリース。現在までに12枚のオリジナルアルバムを発表、6度の日本武道館ライブを開催し成功を収めている。2022年には、25周年イヤーの集大成として、5年ぶりに「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI” 2022」を開催した。

【各種リンク】

ACIDMAN オフィシャルサイト:https://sp.acidman.mobi/

ACIDMAN MOBILE:http://acidman.mobi/

オフィシャルTwitter:https://twitter.com/ACIDMAN_staff

オフィシャルInstagram:https://www.instagram.com/acidman_official/

オフィシャルYouTube Channel:https://www.youtube.com/c/ACIDMANOfficialChannel

オフィシャルTikTok:https://vt.tiktok.com/ZSejG5DvJ/