5月上旬に突如発表された逹瑯(MUCC)と有村竜太朗(Plastic Tree)による2マン・ライブ・イベント”有村竜逹瑯”(9月28、29日@東京キネマ倶楽部)。
それぞれのバンドのトリビュート盤に加え、彼らが日頃から交流のある友人同士というのはファンにも広く知られているところ。
ソロとしての対バンはレアな競演ということで、多くの期待が寄せられていた。
また、ライブ直前には公演用のアーティスト写真も公開されたが、和装に学帽という退廃ロマン全開のビジュアルにファンが悶絶。
新ユニットか?と思わせるような完成度の高さも話題を呼んだ。
ここでは9月29日DAY2の模様をお伝えしよう。
前日、一番手は有村竜太朗だったが、この日は逹瑯がまずステージに登場。
これまでに発表してきたソロ曲を散りばめ、基本的には今年の4月にリリースしたソロアルバム『COLORS』からの曲を多めにピックアップ。
起伏に富んだキャッチーな「COLORS」でライブをスタートさせると、その後も幅広い音楽性の楽曲を次々にプレイして、表現力の深さを見せつけた。
もちろん、DAY1でライブ初披露となった疾走感のある新曲「青の刹那」も堂々と熱唱。
中盤は情念のこもった「壊れたピアノ」からcali≠gariの石井秀仁と共作したダンスチューン「frigidity」など、クセの強い楽曲で圧巻のパフォーマンスを展開。
MCでは有村に対して「個人として刺激をもらってます。やっぱりあの人は普通じゃないんで(笑)」と、彼らしい賛辞を送った。
さらに、前日もお互いにリスペクトを込め、相手のバンドの楽曲をカバーしたが、この日、逹瑯が選んだのは「Sink」。
Plastic Treeのファンにも人気の高い名曲だけに、逹瑯も思いを込めて歌唱。まさにエモい時間帯となった。
後半は「compass」から一気にスパート。ラストのドラマチックな「赤い糸」まで満員の会場を盛り上げ切った。
逹瑯に続き、有村竜太朗が登場。赤い着物を羽織り、昭和レトロな空気を纏って登場。
1曲目の「恋ト幻/rentogen」からノスタルジックな世界観で染め上げていく。
前日はソロ作品をバンドセットにリアレンジしたアルバム『≒demo』(2023年7月リリース)のバージョンで演奏した曲が多かったが、DAY2はオリジナルのバージョンで『個人作品集1996-2013「デも/demo」』(2016年11月リリース)と
『個人作品集 1992-2017「デも/demo #2』(2018年9月リリース)の収録曲をメインに披露。
郷愁と切なさ、繊細な歌声で聴かせ、ダイナミックな逹瑯との対比が絶妙だった。
MCでは逹瑯の口調をマネして「いけんの? お前ら! おい!」と、ラフな煽りを入れる。
中盤以降は「≒tsukikagetotsukikaze」「≒jyukyusai」など、アグレッシヴなバージョンで場内の熱量を上げていく。
そして、有村が選んだMUCC曲はライブの起爆剤的な人気曲「大嫌い」。ベースのイントロで双方のファンも歓声を上げ、フロアは爆上がり!
ラストには没入感に満ちた「浮融/fuyuu」を投入して濃密な時間を締めくくった。
楽曲こそ、個々の個性はあるものの、両者の共通点はやはり“歌声”ではないだろうか。どんな曲でも彼らが歌えば“逹瑯”と“有村竜太朗”の曲になる。
その強い“個”を持つふたりだからこそ、この希代の対バンがしっくりくるのかもしれない。
インターバルをはさみ、最後に両者によるセッションが行われた。言ってみれば、スペシャルなアンコールのようなコラボである。
登場した“有村竜逹瑯”は、あのアー写の衣装。そのスタイルで彼らがセッションしたのはcali≠gari(カリガリ)の曲。
有村と逹瑯との親交が生まれたキッカケはcali≠gariなしには語れない。
MUCCはもともとcali≠gariの桜井青(G、Vo)が主催するレーベル、密室ノイローゼの出身。メンバーは桜井青をリスペクトしている。
有村も桜井とは初対面(おそらく20年以上前)から意気投合。好きなもの、感性に共通点が多く、まさに盟友だ。
それだけに、ファンからすれば、垂涎モノの共演となったのは言うまでもない。
DAY1はメロディックな神曲「グッドバイ」だったが、この日はうねるようなヘヴィーチューン「サイレン」を投下。
有村と逹瑯による鬼気迫るパフォーマンスにはゾクゾクさせられた。
楽屋で本人達は「またやりたい!」と盛り上がっていたそうだが、これはぜひ実現してもらいたい。
ちなみにアー写の別カットも含め、この2日間のライブ画像をまとめたスペシャルパンフレットが後日受注発売になるそうだ。
余韻に浸りたい人はぜひ詳報をお待ちいただきたい。
追記すると、Plastic Treeは現在秋ツアーの真っ最中。MUCCは11月からMUCC TOUR 2024 「Daydream」に乗り出すとのこと。
“有村竜逹瑯”で受けた刺激は今後も彼らの活動に活かされていくに違いない。
カメラマン:冨田味我
ライター:海江敦士
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有村竜逹瑯
2024年9月29日(日)東京キネマ倶楽部
SETLIST
<逹瑯>
M1. COLORS
M2. ラプソディア
M3. エンドロール
M4. 青の刹那
M5. OVERKILL
M6. お前だよ
M7. 壊れたピアノ
M8. frigidity
M9. NOBLE
M10. Sink(Plastic Tree COVER)
M11. compass
M12. door
M13. 赤い糸
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<有村竜太朗>
M1. 恋ト幻/rentogen
M2. くるおし花/kuruoshibana
M3. 猫夢/nekoyume
M4. 日没地区/nichibotsuchiku
M5. ≒shikirei
M6. 円劇/engeki
M7. ≒tsukikagetotsukikaze
M8. ≒kagidokei
M9. 大嫌い(MUCC COVER)
M10. ≒jukyusai
M11. 浮融/fuyuu
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EN.サイレン(cali≠gari COVER・w/逹瑯)
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≪Plastic Treeライブ情報≫
■Plastic Tree 結成30周年“樹念” Autumn Tour2024「続・Plastic Tree」
2024年10月5日(土)[兵庫] 神戸Harbor Studio
2024年10月6日(日) [京都] 京都FANJ
2024年10月27日(日) [東京] Zepp DiverCity(TOKYO)
■Plastic Tree結成30周年“樹念”特別公演「モノクロームシアター」
2024年11月16日(土) [東京] EX THEATER ROPPONGI
■Plastic Tree 年末公演2024
2024年12月24日(火) [神奈川県] 神奈川県民ホール 大ホール
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≪有村竜太朗 ライブ情報≫
■有村竜太朗「唄声喫茶 黒猫 HALLOWEEN NIGHT ~来来!キョンシーズ~」
2024年11月1日(金) [東京] 渋谷チェルシーホテル
■有村⻯太朗+DEMONSTRATIONs LIVE2024 in TAIPEI
2024年11月30日(土) [台北] THE WALL LIVE HOUSE
■有村竜太朗 X’mas Special Live 2024「Op.+Classic」at 横浜市開港記念会館
2024年12月9日(月) [神奈川県] 横浜市開港記念会館
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≪MUCCライブ情報≫
■MUCC TOUR 2024 「Daydream」
2024年11月5日(火) Zepp Shinjuku
2024年11月6日(水) Zepp Shinjuku
2024年11月23日(土) 名古屋ボトムライン
2024年11月24日(日) 名古屋ボトムライン
2024年11月30日(土) 大阪BIGCAT
2024年12月1日(日) 大阪BIGCAT
■MUCC TOUR 2024 「Daydream」 ツアーファイナル
2024年12月22日(日) 水戸市民会館グロービスホール
■MUCC TALK TOUR 2024 「MC」
2024年11月6日(水) Zepp Shinjuku
2024年11月24日(日) 名古屋ボトムライン
2024年12月1日(日) 大阪BIGCAT
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≪逹瑯ライブスケジュール≫
■逹瑯LIVE HOUSE TOUR[Dead Rainbow]
2025年1月11日(土) 梅田SHANGRI-LA(大阪)
2025年1月12日(日) 新栄SHANGRI-LA(名古屋)
2025年1月18日(土) 下北沢SHANGRI-LA(東京)
2025年1月19日(日) 下北沢SHANGRI-LA(東京)
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有村竜太朗オフィシャルサイト https://arimuraryutaro.com/
Plastic Treeオフィシャルサイト https://plastic-tree.com/
逹瑯オフィシャルサイト https://www.tatsuro-soloworks.jp/
MUCCオフィシャルサイト https://55-69.com/