100分×50公演。怒涛のユニコーン100周年ツアーファイナルライブレポート

再始動から10年、川西幸一が還暦で60年、ABEDONが加入して現在の5人が揃ったアルバム『服部』から30年。全部足すと、100年。

ということで、2019年を「ユニコーン100周年」と定め、『働き方改楽 -なぜ俺たちは楽しいんだろう-』というスローガンを掲げ、4月から12月まで続く50本のツアー『百が如く』を決行。そのツアーの前に(3月27日)ニューアルバム『UC100V』をリリースし、ツアーの前半が終わるところで「これからもう1枚アルバムを作ってから後半を回ります」と発表、10月2日にニューアルバム『UC100W』をリリース、そしてツアーの後半に突入──と、2019年を駆け抜けてきたユニコーン。

そのツアーのファイナル、49本目と50本目が、12月16日(月)・17日(火)、大阪フェスティバルホールにて行われた。携えて回るニューアルバムが『UC100V』から『UC100W』に変わっているので、当然、セットリストは前半とは大きく変わっているが、それだけでなく、ステージ・セットや効果映像、衣装などもすべて一新された。

前半と後半で同じなのは、『UC100V』の収録曲であり、奥田民生が広島東洋カープのエルドレッドに捧げて書いた「55」を12曲目に演奏するところ。それから、本編ラストの曲が『UC100V』収録の「ZERO」であるところ。そして、「100周年なので100分経ったら強制終了、『ハッタリ』が鳴り響いてライブはおしまい」というルールが敷かれているところ。以上の3つ。

ツアー初日は、アンコール込みで17曲だったのが、最終日までには18曲に増えたのは、100分の効率的な使い方を、前半のツアーで体得したからだと思われる。

冒頭の「M&W」に続いて演奏された2曲目「すばらしい日々」では、イントロ、間奏、アウトロと、歌がない部分が来るたびに客席から大きな拍手が湧く。「今日がね、最終日」「来るんですね、最終日」「来ますよ! 永遠に来ないかと思った」「長かったねえ」という奥田民生とABEDONのMCで笑いが起き、「WOWOW的にもいいよね、100分で終わるっていうのは」と、WOWOWの生中継が入っていることに民生が触れると、さらに笑いが広がる。


「関西の人にはおなじみですけども」と、奥田民生と手島いさむが朝日放送テレビ『相席食堂』のために書き下ろした「7th Ave.」を披露する。「映画にも使っていただきまして。これは川西さんと私が共作しました」と、映画『引っ越し大名!』の主題歌「でんでん」を歌う。メンバー同士の共作曲がなかった『UC100V』と、共作曲が多い『UC100W』との違いが、こういうところにもわかりやすく表れていた。

『服部』から30周年、ということで設けられた「『服部』メドレー」のコーナーも、曲の選び方や並べ方が、新しく作り変えられている。前半では「服部」はイントロとアウトロだけ演奏されて奥田民生は歌わない、という構成だったが、最終日までには、最初の「君の取り柄 足の長さ」と、最後の「ハッ!」だけ歌う、というふうにリニューアルされた。

また、「『珍しく目覚めの良い木曜日』の演奏にのせて『デーゲーム』を歌う」という新しい技も組み込まれ、この大阪フェスティバルホールでも、2日ともオーディエンスを爆笑させた。

60周年=川西幸一の還暦、を記念して、誕生日の10月20日を境に、彼の衣装とドラムセットは赤にチェンジ。中盤に、ドラムを奥田民生に任せて赤ヘル&赤ジャケット&サングラス姿で「BLUES」(『UC100W』収録曲)を歌い、後半では50歳を迎える際にリリースしたシングル「半世紀少年」を披露した。「半世紀少年」のラップは、EBIとふたり。奥田民生と手島いさむは曲に合わせて巨大フラッグを振り、サビではボーカルをとる。この曲はユニコーンが復活した2009年の曲でもあるので、「60周年」と「10周年」の両方の意味を持たせていた、とも言える。




そして「10周年」であることは、アンコールでも示された。前半では「ひまわり」、後半では「HELLO」。いずれも2009年の復活アルバム、『シャンブル』からの曲である。「ひまわり」の時は、画面に『シャンブル』のジャケットのキャンドルが燃え続ける映像が映し出されていたが、「HELLO」になってからは、2009年以降の歴代のライブで「HELLO」を演奏しているシーンが、今目の前で行われている生の演奏とぴったり合わせた形で映し出され、最後にそれが今のステージの映像になる──という演出が加わった。

アンコールが終わったあと、100分になるまで残った時間はABEDONをメインとしたトークコーナーとして使う、というのもこのツアーのルールだが、大阪フェスティバルホールの1日目は、ツアー後半の途中から導入した「電動ドンちゃん」(ひとりで動いて鳴く、リアルなおもちゃの犬)が、客席の人気をかっさらった。民生、「ここまでがんばってライブやったのに、こいつが全部持ってっとるやないか!」と苦言を呈する。

そして2日目は、ABEDON、これまでのツアーで使用したすべてのドンちゃん(電動ドンちゃん以外は犬のバルーン)を引き連れて登場。あまりの多さに収拾がつかなくなりつつも、「こうやって僕たち、時間をつぶしに入ってる。どうですか、この適当な終わり方!」と叫ぶ。客席は、爆笑で応えた。

このあとユニコーンは、12月26日インテックス大阪のフェス『FM802 RADIO CRAZY 2019』に出演し、「100周年」の活動を終える。

Photo Credit: 三浦憲治/チームライトサム

【最新リリース情報】

■映像作品「MOVIE 38 ユニコーン100周年ツアー“百が如く”」(2020年4月22日発売)

DISC-1. 「100周年ツアー“百が如く”」2019.7.4 at 日本武道館【100分】

DISC-2. 「100周年ツアー“百が如く”」2019.12.17 at 大阪フェスティバルホール【100分】

DISC-3. ユニコーン100周年ドキュメント【100分】

・100周年記念 特殊仕様 / 完全生産限定盤

<Blu-ray>KSXL-291~4 ¥18,000(+税)<DVD>KSBL-6341~4 ¥16,000(+税)

・通常盤

<Blu-ray>KSXL-295~7 ¥15,000(+税)<DVD>KSBL-6345~7 ¥13,000(+税)

先着特典:100周年ツアー“スタッフパスが如く”ネームタグ(一部店舗はA4トートバッグ)

※現在制作中に付き、収録時間変更の可能性あり

https://kmu.lnk.to/XQIo5

【プレイリスト】

「100周年ツアー“百が如く”」(2019年12月17日)大阪フェスティバルホール

https://kmu.lnk.to/v6Z5h

■ユニコーン

1986年に広島で結成。翌1987年にメジャーデビュー。1989年のアルバム『服部』でABEDONが正式加入してからは、全員が楽曲制作に携わりボーカルも取るようになる。また、担当以外の様々な楽器も使いこなすフレキシブルなスタイルで、独自の路線を突き進む。「大迷惑」「働く男」「雪が降る町」「すばらしい日々」など、名作と呼ばれつつもイマイチ売上に繋がらなかった数々の曲を残して1993年9月に解散。解散後は、バンドやソロでそれぞれが活動していたが、2009年年始に突如、再始動を発表。シングル「WAO!」で鮮烈な復活を果たし、名作アルバム『シャンブル』を発表、大成功をおさめた。その後も、アルバムリリースや全国ツアーなど、コンスタントに活動。ライブでは、圧巻のステージを見せたかと思えば、独特の寸劇が始まったりするなど、個性豊かな5人の異才達からなる、日本を代表する唯一無二のロックバンドである。2019年は<ユニコーン100周年>としてニューアルバム『UC100V』をリリースし、全国50公演ツアー“百が如く”を開催中に、映画「引っ越し大名!」主題歌「でんでん」を含むニューシングルと、今年2枚目となるニューアルバム『UC100W』をリリースした。

【ライブ情報】

ユニコーン100周年ツアー“百が如く”(全て終了)

4/6(土)【埼玉】三郷市文化会館 大ホール

4/11(木)【千葉】市川市文化会館 大ホール

4/12(金)【千葉】市川市文化会館 大ホール

4/20(土)【岩手】盛岡市民文化ホール 大ホール

4/21(日)【宮城】仙台サンプラザホール

4/28(日)【長野】ホクト文化ホール

4/29(月・祝)【新潟】新潟テルサ

5/4(土)【福岡】福岡サンパレス

5/5(日)【福岡】福岡サンパレス

5/11(土)【神奈川】神奈川県民ホール 大ホール

5/12(日)【神奈川】神奈川県民ホール 大ホール

5/17(金)【北海道】コーチャンフォー釧路文化ホール

5/19(日)【北海道】苫小牧市民会館

5/25(土)【広島】広島文化学園HBGホール

5/26(日)【広島】広島文化学園HBGホール

6/1(土)【愛知】アイプラザ豊橋

6/2(日)【静岡】富士市文化会館 ロゼシアター

6/9(日)【栃木】那須塩原市黒磯文化会館

6/10(月)【茨城】ザ・ヒロサワ・シティ会館(茨城県立県民文化センター)大ホール

6/15(土)【京都】ロームシアター京都

6/16(日)【兵庫】神戸国際会館こくさいホール

6/22(土)【三重】三重県文化会館 大ホール

6/23(日)【奈良】なら100年会館

6/25(火)【大阪】岸和田市立浪切ホール

7/3(水)【東京】日本武道館

7/4(木)【東京】日本武道館

8/31(土)【沖縄】宜野湾海浜公園屋外劇場 w/MONGOL800

10/5(土)【東京】かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール

10/12(土)【広島】呉信用金庫ホール(呉市文化ホール)

10/13(日)【広島】呉信用金庫ホール(呉市文化ホール)

10/19(土)【兵庫】あましんアルカイックホール

10/20(日)【兵庫】あましんアルカイックホール

10/26(土)【愛知】名古屋国際会議場センチュリーホール

10/27(日)【愛知】名古屋国際会議場センチュリーホール

11/2(土)【鹿児島】鹿児島市民文化ホール 第一

11/3(日)【熊本】市民会館シアーズホーム夢ホール

11/6(水)【東京】オリンパスホール八王子

11/9(土)【群馬】ベイシア文化ホール 大ホール

11/15(金)【北海道】カナモトホール(札幌市民ホール)

11/16(土)【北海道】小樽市民会館

11/22(金)【香川】サンポートホール高松 大ホール

11/23(土)【徳島】鳴門市文化会館

11/29(金)【山形】やまぎんホール

11/30(土)【山形】やまぎんホール

12/4(水)【東京】中野サンプラザホール

12/5(木)【東京】中野サンプラザホール

12/7(土)【石川】本多の森ホール

12/8(日)【富山】オーバード・ホール

12/16(月)【大阪】フェスティバルホール

12/17(火)【大阪】フェスティバルホール

【番組情報】

日テレプラス「ABEDON from ユニコーン presents “ありがとう山形県県民会館”」

2020年1月25日(土)21:30〜

https://www.nitteleplus.com

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