【アリス九號.】Newアルバム『不夜城エデン』リリース・インタビュー vol.1 < 将 (Vo.)>「今こそ“新しい形の未来”に思考を巡らせたい」

節目となる結成15周年の昨年夏、バンド名を「A9」から結成当初の名前に戻した「アリス九號.」。そのアリス九號.名義では、11年ぶりとなるニューアルバムが今週29日にリリースされる。

DE COLUMは、「A9」として『IDEAL』というアルバムをリリースした少し後にメンバー達とおよそ8年ぶりに再会し、それから今日まで5人の活動を陰ながら追わせてもらっている。

今回、世の中が大変なときとアルバムリリースが重なってしまったが、予定通りアルバムは発売されるとの返事が戻り(後述インタビューより)、まずはひと安心した。

8曲収録のアルバムだが、聴き終えて物足りなさは全く感じない。
アリス九號.の原点と、いま現在バンドが見ている景色と方角を明確に示した羅針盤のような作品だ。

単にバンド名が戻ったことによる原点回帰、という言葉にも収まらない。

ノスタルジー、シアトリカル、絶望と光明――。

出口が分からず、閉園後の夜のテーマパークを彷徨っていたら、
見てはいけないものを見てしまい、戦慄。しかしなぜかどっぷりハマってしまい
そこの住人になってしまう――。

8曲を通して、そんな物語を想像した。

先行公開されているMUSIC VIDEOやアルバムのティザー映像を観て、想像している
人も多いと思うが、
どこを切り取っても雅やかで妖しく、詞の世界観もサウンドも中毒性が極めて高い。

これぞまさに「アリス九號.の真骨頂」と呼べるアルバムだろう。

Hello World,
ALICE NINE is BACK!

世の中は緊急事態宣言の真っただ中で、今回は撮り下ろしや対面インタビューもままならない。まだ現時点で先が見通せない部分も多数あることを踏まえ、今回メールでの質問にメンバーそれぞれにメール回答いただく形で取材対応して頂いた。

初回、トップバッターを飾るのは

ボーカル「将」。

他のメンバーも今後順次公開していく予定なので
ニューアルバム『不夜城エデン』の発売を楽しみに待ちながら、あるいは聴きながら、
インタビューも併せて読んで頂きたい。

 

 

<Interview>

――新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言で外出自粛要請が出ている最中ですが、将さんの安否と近況を教えて下さい。

:僕は周囲の人も含め感染の症状もなく元気です。もともと家で作業をすることが多い人間なので、不安は感じつつも元気に過ごせています。

――心身ともストレス下にメンバーのみなさんあると思いますが、将さんはフィジカルとメンタルを、それぞれどのようにケアされていますか。

:朝必ずカーテンを開け、日光は浴びるようにしています。そして高タンパク低カロリーなものを摂って筋トレ。これも普段と変わらないルーティンです。

――アリス九號.として11年ぶりのNewアルバム『不夜城エデン』が今週リリース予定ですが、このアルバムリリースへの影響は大丈夫そうですか?

:CDのリリース自体は全く影響なく発売しますし、配信も行います。ただ、自粛の影響で実店舗での販売がかなり制限される見込みでCD自体の数はあまり作れていません。制作の手間は変わっていないので、そこは辛いですね。

――いまライブやイベント等の活動自粛要請を受けて、音楽・エンターテインメント業界がさまざまな困難に直面しています。この厳しい状況を、将さんはどう受け止めていますか。

:従来の音楽、エンターテイメントは緊急時には「不要であり不急である」という結論が出てしまった世界に直面し、正直戸惑っています。ですが、同時にどこかワクワクする部分もあります。
経営母体が盤石な雇用されたミュージシャンや、財的なストックが充分にある方は「Stay home」と言っていられますが、世の中の9割くらいの清貧で頑張ってきた人たちはもう従来の形では存続できませんよね。
でも、それはネガティヴな側面だけではなく新陳代謝として自然な事だし、新しい未来に思考を巡らせた方がいいと思っています。
なので僕自身は、ライブハウスで物販してCDショップで音源を売って収入をうる前時代からの形態からその一歩先に進んだ、新しいミュージシャンの在り方や形をイメージして、ワクワクもしています。

――今回の作品(『不夜城エデン』)を作り終えて、いま想うことはどんなことでしょうか。

:バンド十五年の節目で「アリス九號.」の名前に戻れたこと、戻したこと。その答えをこのアルバムで出せた気がしています。音楽自体もnishi-kenさんがガッツリ入ってくれたことで、煌びやかで、強い曲目が白押しになりました。

――A9からアリス九號.へと名前が戻ったことで、曲作りのうえで変化したこと、
特に意識されたことはありますか。

:個人的には、日本文学に近い歌詞を書く。そして「初期衝動に近い歌を歌う」
ということですね。
そもそも、「アリス九號.ってなんやねん」って人たちも多いと思うので。
その答えとして、「非現実で猥雑なワンダーランドに誘(いざな)うバンドなんだよ」ってことを
再定義することがまず大事だと思いました。

 

――それぞれの曲に込めた想いや聴きどころ、制作時のエピソードなどあれば教えて下さい。

 

#2 革命開花-Revolutionary Blooming-

:「アリス九號.」に名前を戻します、ってなって、それまでのムードをいったん封じ込めないといけないと思いました。往年のキラキラな感じではなく「三味線の入ったギターサウンド」をこのタイミングでこのバンド名でやることに意義がある、と。良い意味での、古い曲ですかね。

 

 

#3 BABYLON

:これはnishi-kenさんがギランギランの艶男なアレンジをしてくださったんで、それに乗っかった形です。こういう“怪盗団”みたいな歌詞は定期的に書きますけど、今回のが一番「艶やか」かもしれない。

 

#4 TESTAMENT

:タイトルは「遺書」という意味で「本当に自分たちは今、やり切れているのか?」
っていう事を問いただしている曲ですね。強い意志を持った、この5人だけのパワーソング。

 

#5 游戏-ASOBI-

:これは沙我くんにモチーフをもらって、sayaくんという作家さんと共作したんですが一番タイトルの「不夜城」に近い世界ですよね。(ライブで)ギターで遊べる絵が見える曲。

 

#6 罪人

:これは声を大にして言いたいんですが、『クジラの子らは砂上に歌う』というTVアニメに感動して、勝手に主題歌のイメージで描きました。是非アニメを観てから聴いてください。泣きますよ。

 

#7 CYAN

:これも、とある映画に影響を受けていて、臓器提供する人が未来を託すような内容の歌詞になっています。甘酸っぱくて切なげで、温かい音を言葉にしていったら自然とそうなりました。

 

#8 Everlasting

:青春!80s!フィルム映画!みたいな感じの曲です。『CYAN』から自分の中で繋がっていたので、収録順もこの流れにできて良かったです。

 

――昨年15周年の日比谷野音で初披露された「革命開花-Revolutionary Blooming」、
2月のバレンタインライブで披露されたアルバムリード曲「TESTAMENT」と、今後のツアーでの盛り上がりをとても予感させるものでした。そんな楽しみなライブですが、
今週予定されていたFC限定ライブと、ツアー初日の5/4(祝)ヒロトさん生誕ライブは残念ながら延期になってしまいました。

:現時点(4/23現在)では5/6までの緊急事態宣言に対応した形になっていますが、未来は全く予測できない状況で。でも中止じゃないですから。未来はある。延期っていうのは「またね」って事なので。

―― 一刻も早くこの非常事態が収まって、安心してライブで『不夜城エデン』の新曲を
聴けることを楽しみにしています。最後にこれを読んでいる読者の方にメッセージをお願いします。

:まずは何よりも”健康ありき”で。お店で生活必需品が買い占められたりもしてて、心にゆとりを失くしてる世の中でも、こうしてミュージシャンの声に耳を傾けてくれているあなたはすごく素敵な人だと思います。「DE COLUM」は熱と愛があるメディアなので、これからもアリス九號.と共によろしくお願いします。
必ず笑顔でまた会いましょう!」

 

Artist Photo:Susumu Miyawaki (progress-m)

Live Photo:Lestat C & M Project
Text & Edit:Hideyuki Kimura (DE COLUM)

 

 

◆リリース情報◆

New Album『不夜城エデン』
2020.4.29 リリース

・FC限定豪華盤[CD+2DVD]
¥12,000(tax out)

<FC 限定豪華盤DVD 収録>
▼DISC1「2019.12.25 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
アリス九號. Christmas Concert
革命開花 ep2. SYMPHONIC ALICEMAS 2019」
[ 収録曲]
Cradle to Alpha

革命開花-Revolutionary Blooming
風凛
Tender
Daybreak
Merry Christmas to U
春夏秋冬
銀の月 黒い星

▼DISC2「2020.01.05 大阪国際センター大ホール
New Year Concert 2020
革命開花 ep3. -SYMPHONIC GALAXY-」
[ 収録曲]
すべてへ
the Arc
ーEntr’acte ー
GEMINI-0-eternal
GEMINI-Ⅰ-the void
GEMINI-Ⅱ-the luv
the beautiful name
RAINBOWS
闇ニ散ル桜
MEMENTO

 

・通常盤[CD]
¥3,000(tax out)

[ 収録曲] ※2TYPE共通
1.SE
2. 革命開花-Revolutionary Blooming-
3.BABYLON
4.TESTAMENT ※アルバムリード曲
5. 游戏 -ASOBI-
6. 罪人
7.CYAN
8.Everlasting

 

 

◆ライブ情報◆

「アリス九號. ONEMAN TOUR 2020『不夜城逃避行』
―アリスの逃避行は不夜城へ___アリス九號.が贈る現実からの生存戦略―」

5月4日(祝) KOTORIホール (昭島市民会館) ~ヒロト生誕祭~ ⇒延期

5月16日(土) 長野CLUB JUNK BOX
5月17日(日) 名古屋BOTTOM LINE
5月23日(土) 梅田CLUB QUATTRO
5月24日(日) 高松DIME
5月29日(金) 広島SECOND CRUTCH
5月31日(日) 福岡DRUM LOGOS
6月5日(金) 札幌PENNY LANE24
6月7日(日) 青森QUARTER
6月24日(水) 郡山HIPSHOT JAPAN ~沙我生誕祭~

7月5日(日) LINE CUBE SHIBUYA (渋谷公会堂) ~TOUR FINAL & 将生誕祭~

<5月16日~6月24日公演>
スタンディング:5,500円(税込/ドリンク代別)

<7月5日公演>
指定席:6,980円(税込)
VIP席(※):30,000円(税込) ※FC限定販売

 

< 将 Official SNS >

■Twitter https://twitter.com/SW_A9

■Instagram https://www.instagram.com/shishamow

 

< アリス九號.   Official Info. >
■HP https://alicenine.jp/
■Twitter https://twitter.com/alicenine_jp
■YouTube https://www.youtube.com/user/A9CH