アリス九號. Newアルバム『不夜城エデン』リリースインタビュー Vol.4【 沙我 (Ba.)】「結成当初のコンセプトに、改めてしっかりと向き合った」

結成15周年を迎えた昨年夏、バンド名を「A9」から結成当初の名前に戻した「アリス九號.」。そのアリス九號.名義では11年ぶりとなるニューアルバムが昨日リリースされた。

「DE COLUM」リレーインタビュー第4弾は、ベースの「沙我」。

容姿端麗で妖艶、寡黙なベーシスト。
一般的な(主にメディアでの)沙我のパブリックイメージはそんな感じだ。
しかし実際の彼は、ロックバンドたるアリス九號. の音楽的な「要(かなめ)」だといっていい。
沙我は、個々メンバーの創る曲や詩(詞)をトータルディレクションし、クオリティ高く纏め上げる。

このバンドの音楽的方向性を決定づける“キーマン“なのだ。

そのことはメンバーとファン、ごく一部の関係者にしか知られていない。

いちベーシスト、いちミュージシャンとしての才能も然りだ。

派手で優雅 (で淫靡) なステージパフォーマンスに魂と話題を奪われがちだが、彼が奏でる音もまた軟(やわ)じゃない。演出やヴィジュアルに劣らずの実力・スキルが

ある時期から備わっている。それは他のメンバーも同様だ。

今回のインタビューで新音源に対する確たる自信と、バンドの音楽的立ち位置・方向性、戦略を明確に語ってくれた沙我。

未だ多くがベールに包まれた彼のポテンシャルと存在感。そのごく一端でも知っていただくきっかけになれば幸いである。

 

 

<< INTERVIEW >>

 

――依然コロナ禍で東京は緊急事態宣言下ですが、沙我さんの健康状態はいかがですか。

沙我:変わらず元気です。

ーー健康のために日課にしていることや、気をつけていることを教えて下さい。

沙我:食生活に気をつけつつ筋トレや読書、好きな音楽を聴いて心も体も健康を保っています。

――最近どんな過ごし方をされていますか。

沙我:時間が膨大にあるので、今まで忙しくてやれなかった制作物や趣味に費やしています。

ーー最近どんなことを考えてることが多いですか。

沙我:ファンの子達の方が大変な状況の中にいると思うから、元気にしているのか気になりますね。

ーー非常事態下ではありますが、アリス九號.としてのニューアルバム(「不夜城エデン」)は無事にリリースを迎えました。既に買って聴いておられる方も多いと思いますが、改めて今回のアルバムのテーマ、沙我さんが込めた想いを教えて下さい。

沙我:名前と表記を戻して何がやりたいのか、自分達のモードを明確に提示する必要があった。
結成当初のコンセプトである“和洋折衷”は大きな可能性があるのに
当時の僕らには表面的なキャッチフレーズでしかなかったので、音楽面で勝負できる事を証明するためにも改めてしっかりと向き合いたかった。
今まで培ってきたもの、持っているものだけで勝負する最近の自分達に疑問を持っていた。
一歩進んで勝負しなければ勝てない。追われる者は追う者に必ず負ける。

ーーこのアルバムは通常盤のCDアルバムのほかに、昨年のX’masコンサートや今年のニューイヤーコンサートが収められた2枚のDVD付きFC限定豪華盤もありますね。

沙我:FCに入ってFC盤を買ってください。

ーー2枚のライブDVDの見どころはどこでしょうか。

沙我:この日のためだけに作られた、楽曲のストリングス・アレンジ。

ーーニューアルバムについてさらに伺います。今回は沙我さんとnishi-kenさんの
共同プロデュースのような感じなのでしょうか。どういう作業・役割分担になっておられたのでしょうか。

沙我:アルバムのコンセプト、サウンドの方向性と音数のバランス、収録楽曲のバランス、メロディーと大まかなバンドアレンジは僕がデッサンして、nishi-kenさんが倍返しで着色していきました。
育った時代や感性が近いので、とても作業が捗(はかど)りました。

ーー#1 のSEですが、この演奏をされているのは?

沙我:スラーズの皆さんです。

ーー#1のSEはライブのオープニングを意識して作られているのですか?

沙我:そうですね。

ーーバンド名がアリス九號.に戻っての最初のシングル「革命開花-Revolutionry Blooming-」ですが、アルバムのSE直後に収まり、改めていま思うことは何でしょうか。

沙我:アリス九號.はここからまた始まった、という事です。

#3 「BABYLON」
ーー「革命開花~」が吉原か歌舞伎町なら、「BABYLON」はマカオかラスベガスな印象を持ちました。跳ねまわる三味線がチョッパーベースに変わり「和」から「洋」に一転するような。

沙我:いい例えですね。そういう事にします。

ーーアニメタイアップ向きですよね。「黒執●」とか。

沙我:いいえ、「ルパン●世」です。

#4 「TESTAMENT」
ーー虎さん曲ですが「和」の要素もありつつ、とても「らしい」ヘヴィ・チューンですよね。
先のバレンタインライブで初めて聴いて「激しめの曲が好きな人にはきっとたまらないだろうな」と感じました。沙我さんの(ラップ調?) コーラスもいいですね。
この曲の沙我さんの印象はいかがでしょうか。

沙我:00年代初頭のLinkin ParkやLimp Bizkitのようなサウンドを今こそ改めてやるべきだと以前から虎にオーダーしていました。
この曲は最初はもう少しシャウト寄りの曲だったんですが、往年のビジュアル系らしいメロディを僕が付け直しました。
アルバムのリード(曲)にすべきだと感じたので “和洋折衷” の要素をしっかり出しつつ、
ライブで爆発力のある仕上がりを目指しました。

#5 「 游戏 -ASOBI-」
――この曲の沙我さんの印象と制作時のエピソードなど教えて下さい。

沙我:アルバムで一番トリッキーな曲。和洋折衷と思いきや、中国かと思わせるような遊び心のある曲を将にオーダーしました。“中国を感じられる” ベースを考えるのは、なかなか大変でしたね。

#6 「罪人」

――アタックの強めな曲が多い中で、この曲はとても優しい印象を受けました。沙我さんのベースプレイやヒロトさんのギターソロも含めて。沙我さん作曲ですが、どんなイメージで、どんな風に出来た曲なんでしょうか。

沙我:“和”を感じつつ、初期の井上陽水さんのような世界観をイメージして作りました。
最初のベースフレーズから作ったんですが、あれはベースを“三味線“に見立てて弾いています。正直、一瞬で出来た曲です。

#7 「CYAN」
――ヒロトさんが「早くライブでメンバーやお客さんとシンガロングしたい」と仰ってました。
ヒロトさんから原曲があがってきた時の印象を教えて下さい。
また沙我さんにとっても「会場一体となってシンガロング」なイメージでしょうか。

沙我:そういうイメージを聞いていたので、Bメロの皆んなでコーラスする部分を大きく活かしました。
とはいえシンガロングする曲は世に沢山あり、最初はかなりシンプルではあったので、そこにどう僕らのアイデンティティを込めるのかを考えました。
あえて和洋折衷に縛られず、スタジアムロックであればDepeche ModeとBon Joviを足しような雰囲気で攻めてみようと思い、そこにnishi-kenさんの素晴らしいシンセが加わり仕上がっていきました。
メロディは僕が付けましたが、特にサビと思われる部分は20年前から頭にあるものを
ようやく形に出来ました。
イントロのベースフレーズもかなり昔から頭にあったものです。
この曲がアルバムで一番気に入っています。

#8 「Everlasting」
――とても明るくキャッチ―な印象を受けました。どんな想いを込められた曲でしょうか。

沙我:以前にL’Arc~en~Cielのkenさんと一緒に仕事をさせてもらった時から、80sを意識した曲は継続して入れるべきだと思っています。それが僕等のアイデンティティに繋がると
よく話していたからです。
新しい『春夏秋冬』だと思っていただければ。きっとライブでよく映える曲です。

ーー沙我さんはアリス九號.の世界観をより濃くしていきたいと仰っていましたが、このアルバムでより濃く深化できましたか。

沙我:だといいですね。

ーー少しパーソナルな質問をさせて下さい。「ステイホーム生活」で、沙我さんおすすめの映像作品を教えて下さい。

沙我:『 観るMETAL GEAR SOLID 』シリーズ

ーーこんなときに聴きたい、おすすめの音楽(アーティスト等)を教えて下さい。

沙我:Rage Against the Machine

ーー今の沙我さんの気持ちにいちばん馴染むアリス九號.の曲を教えて下さい。(新旧問わず)

沙我:『 the beautiful name 』

ーー沙我さんが最近いちばん興味をもっていることは何ですか。

沙我:成長しない人類

ーーいま一番必要なものは何でしょうか。

沙我:思いやり

ーー今はなかなか会えないメンバーさん達。なにか気になっていることはありますか。

沙我:→ 将 :痩せてないか
→ ヒロト :京都行ってないか
→ 虎 :髭剃ったか
→ Nao:太ってないか

ーーいま一番ファンの方に伝えたいことはなんでしょうか。

沙我:頑張りすぎないでください。我慢しすぎないでください。

ーー最後に読者の方全員にメッセージをお願いします。

沙我:ファンクラブに入会してください。

Artist Photo: Susumu Miyawaki (progress-m)
Live Photo: Lestat C & M Project
Text & Edit: Hideyuki Kimura (DE COLUM)

 

◆リリース情報◆
New Album『不夜城エデン』
NOW ON SALE.

・FC限定豪華盤[CD+2DVD]
¥12,000(tax out)

<FC 限定豪華盤DVD 収録>
▼DISC1「2019.12.25 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
アリス九號. Christmas Concert
革命開花 ep2. SYMPHONIC ALICEMAS 2019」
[ 収録曲]
Cradle to Alpha

革命開花-Revolutionary Blooming
風凛
Tender
Daybreak
Merry Christmas to U
春夏秋冬
銀の月 黒い星

▼DISC2「2020.01.05 大阪国際センター大ホール
New Year Concert 2020
革命開花 ep3. -SYMPHONIC GALAXY-」
[ 収録曲]
すべてへ
the Arc
ーEntr’acte ー
GEMINI-0-eternal
GEMINI-Ⅰ-the void
GEMINI-Ⅱ-the luv
the beautiful name
RAINBOWS
闇ニ散ル桜
MEMENTO

★FC入会
https://a9-numbersix.com/

★FC限定盤購入
http://www.m-a-d.shop/project/fuyajoeden_fc/

 

・通常盤[CD]
¥3,000(tax out)

[ 収録曲] ※2TYPE共通
1.SE
2. 革命開花-Revolutionary Blooming-
3.BABYLON
4.TESTAMENT ※アルバムリード曲
5. 游戏 -ASOBI-
6. 罪人
7.CYAN
8.Everlasting

◆TOWER RECORDS ONLINE、amazon等でも販売中
https://tower.jp/artist/discography/2770690?sort=RANK&kid=psg01

◆各種サブスクリプションで購入
https://linkco.re/4amXb5Nd

 

 

◆ライブ情報◆
「アリス九號. ONEMAN TOUR 2020『不夜城逃避行』
―アリスの逃避行は不夜城へ___アリス九號.が贈る現実からの生存戦略―」

5月4日(祝) KOTORIホール (昭島市民会館) ~ヒロト生誕祭~ ⇒延期
5月16日(土) 長野CLUB JUNK BOX ⇒延期
5月17日(日) 名古屋BOTTOM LINE ⇒延期
5月23日(土) 梅田CLUB QUATTRO ⇒延期
5月24日(日) 高松DIME ⇒延期
5月29日(金) 広島SECOND CRUTCH ⇒延期
5月31日(日) 福岡DRUM LOGOS ⇒延期
6月5日(金) 札幌PENNY LANE24 ⇒延期
6月7日(日) 青森QUARTER ⇒延期

6月24日(水) 郡山HIPSHOT JAPAN ~沙我生誕祭~

7月5日(日) LINE CUBE SHIBUYA (渋谷公会堂) ~TOUR FINAL & 将生誕祭~

<5月16日~6月24日公演>
スタンディング:5,500円(税込/ドリンク代別)
< 7月5日公演>
指定席:6,980円(税込)
VIP席(※):30,000円(税込) ※FC限定販売

 

< 沙我 (Ba.)  Official SNS >
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https://twitter.com/Saga_A9

 

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