Chantyが1年を総括する聖夜のツアーファイナル公演で新たな始まりを提示

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この日、新宿はしとしととした雨が降っていた。前回のワンマンツアー『あら雨かしら?相合傘の中へようこそ』のタイトルにもあるように、Chantyが引き寄せているのか、雨が惹かれているのか、どうにもChantyと雨は相性が良いみたいだ。

12月23日(水・祝)、Chantyが『コタツとミカンと君と僕ワンマンツアー』のツアーファイナルを新宿BLAZEにて開催した。
東名阪と3ヶ所に凝縮して行ったツアーの締めくくりとなる本公演は、Chantyが2015年の活動で得た“終わり”そして翌年への“始まり”を提示。さらには“シャンタクロース”からのプレゼントが届くなど、この日が2015年最後のライヴとなったChantyの1年の総括に相応しい一夜となった。

 開演時刻を5分程過ぎた頃、BGMと客電が突然落ちると、ステージ上を深海の底を思わせるような深い青が彩る中メンバーが登場すると、その瞬間、眩い日の光のような照明が、まるで水面で乱反射するように差し込み、煌びやかな光景を作り出した。
そうして、逆光を背負い立ちすくむ彼らの姿に見惚れているうちに、いつしか“Chantyの世界”へと誘い込まれていく。

ライヴは伸びやかな芥(Vo)の歌声に、力強いアンサンブルを奏でるバンドサウンドが重なり合う「交差点」から幕を開けると、「会いたかったぞBLAZE!」と芥の歓喜が高らかに鳴り響いた「流星群」、捲し立てるような鬼気迫る芥の歌声に合わせてモッシュが起こった「いっせーの」へと続き、煽りの勢いのままに迎えた「やんなっちゃう」では、モッシュでもみくちゃになる観客の目前で、拓(Ba)と千歳(Gu)がステージを駆け回り、shia.(Gu)はクールな笑みを浮かべながらギターをかき鳴らす。成人(Dr)が笑顔を振りまきながら激しいリズムを響かせる賑やかな光景があった。
観客だけでなく、メンバー自身もこの日を楽しみにしていたと言わんばかりのステージングに、初っ端から大きな一体感が生まれていた。

 MCでは、前回の新宿ReNY公演の際に、幕張で伝説級のフェスが行われており、今日もまさかのお台場であの方たちがライヴを行っていることに触れ、「信じられない……神々のバンドはChantyを潰しにかかっている……」とジョークを交えながらも、この日Chantyのライヴを選んでくれたことに感謝を述べた芥。
そこから「ひどいかお」「ソラヨミ」「誰」と続けざまに放ち、フロアのテンションをヒートアップさせていく。そこから一瞬の静寂を置いて、芥の澄んだ歌声、千歳の儚げなギターサウンドから紡がれたのは「ダイアリー」。柔らかに鳴り響く旋律、このまま嫋やかな空間に身を預けられるのかと思えば、一転して攻撃的なサウンドとなり客席へ襲い掛かる。変則的かつ急激な緩急、そしてこの衝動こそChantyの魅力の一つだ。
さらに、「monorium」「とある星空の下」「フライト」では、どこかノスタルジーな情景を描きながらも、そこに秘められた強いメッセージを投影していた。とくに「フライト」の曲中では激しく拳を突き立てる観客に触発されたのか、芥がつけまつげをむしり取り投げ捨てる場面も。
なりふり構わない我武者羅な姿に、この一瞬一瞬に懸ける彼らの強い思いが感じられる。

ここでステージから芥が退場すると、入れ違いでサックスを抱えたサンタが登場すると、マライア・キャリーの往年の名曲「ALL I WANT FOR CHRISTMAS IS YOU」のセッションを披露。バンドサウンドとサックスの音色が華やかに混ざり合うと、場内は一気にクリスマスムードに変わった。
このセッションを企画した千歳本人が、「俺が一番楽しんじゃった」とはにかんだ笑顔で告白した。

 「ここまで色々なChantyの流れの曲が聴けたと思うんですけど、ここからは皆さんに動いていただきます」という芥のMCからより激しさをみせるセクションへ突入。
「絶対存在証明証」「真相」「ミスアンバランス」「衝動的少女」「m.o.b」とChantyのライヴ・アンセムでヘドバン、折りたたみ、拳と怒涛のステージングで場内はこの日一番の盛り上がりを見せた。

一瞬の静寂の後、芥がゆっくりと語りだす。「濃厚な1年でした。不安がりな俺たちは、よくこのスケジュールや目標を一つ一つ歩んで来れたなって思ったり、色んな辛い事が起こる度に何か分かっていたような気がするんだけど、結局いつも分かっていなかったりして。このワンマンツアーの3日という行程で繋ぎとめていた点が一つになって、何かまた答えを見つけられた気がします。無謀な事をやっては、なんとか形になってたとか毎回思ってたんだけど、それが良くなくて。きっとなんとか形にしたのは僕らじゃなくて、きっとお前たちが居たお陰なんだと本当に思いました。だから、今年この最後のライヴを終えて、来年Chantyはもっともっとたくさんの旅に出ます。そして、今年お前たちにもらった全てを頭の中で繰り返して、ぐるぐる回ったものを初心に戻してまた歩いていきたいと思います。俺たちはもっと届けたいものがある、そんな俺たちの思いを受け取ってくれますか?」
 そんなMCから紡がれた「終わりの始まり」には、重圧や迷いを抱えていた自分たちに訣別し、ここまでで得た大事なものを握りしめ、また次なる場所を目指す。そんな思いが込められているようだった。
本編ラストを飾った「冷たいてのひら」まで、まるで一つの物語を綴っていたかのようだった。

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 メンバーがステージから降りると、場内にはMV撮影のオフショットやワンマンツアーのオフショット映像がスクリーンに映し出される。すると突然、映像にノイズが入り画面が新宿の街並みに切り替わる。サンタやクリスマスツリー、トナカイに扮したメンバーが“シャンタクロース”となって会場外からの生中継映像に。「今から我々“シャンタクロース”がお前たちにクリスマスプレゼントをお届けする!」と宣言すると、告知映像が映しだされる。
1つ目の発表は、恋愛ゲーム『貴方日記~ユーフォリア~』(PCゲーム版)とのタイアップが決定。
これは、ゲームのテーマソングをChantyが書き下ろし、その楽曲を収録したアイテムが会場と通販限定で発売されるとのことだ。
2つ目の発表は、メンバー生誕祭の会場が明らかとなった。
そして3つ目の発表は、2016年3月より『桜舞い散る木の下でキミが待ってるワンマンツアー』の開催が決定したことが告げられた。2016年3月11日の池袋EDGE公演を皮切りに、全国15都市全17公演におよぶChanty史上最大のワンマンツアーとなる。ツアーファイナルとなる4月29日(金・祝)のTOKYO FMホール公演は、これまで公表していなかった芥の生誕祭となることが発表されると、場内からは悲鳴にも近い歓声が上がる。
嬉しい発表の数々にボルテージの上がった会場後方から、突然メンバーが登場し、最新フライヤー片手に観客一人一人にプレゼント。思わぬサプライズにフロアは一時騒然となった。
ステージに戻ったメンバーはそれぞれのコスチュームのこだわりを解説。なかでも、サンタの袋になった千歳は「袋はそのままだとただの袋なんですよ。サンタ(芥)が背中に持ってくれないと皆のプレゼントになれないんだよ」と発言し会場を大いに沸かせた。

「来年もまた無茶しますけど、お付き合いできるところまで、俺らがお付き合いしたくなるようなバンドになれるように頑張るので来年もよろしくお願いします」と芥が告げると、シャンタクロースからの贈り物と称して最新シングルでありChanty流のクリスマスソング「ヤサシイコエ」が披露された。
「次の曲で最後だと思ったけれどもう1曲はさみませんか?」という芥の提案で急遽「君と罰」が演奏され、ラストの「C」では、メンバーの満足そうな表情が印象的だった。

 来年も怒涛の勢いで駆け抜けるChanty。この一夜に提示された、新たな思いがどのように投影されていくのか、是非ともその目で見届けてほしい。

TEXT:河内香奈子

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◆セットリスト
01.交差点
02.流星群
03.いっせーの
04.やんなっちゃう
05.ひどいかお
06.ソラヨミ
07.誰
08.ダイアリー
09.monorium
10.とある星空の下
11.フライト
〜サックスセッション〜
12.ひどいかお2
13.絶対存在証明証
14.真相
15.ミスアンバランス
16.衝動的少女
17.m.o.b.
18.終わりの始まり
19.冷たいてのひら
EN
En1.ヤサシイコエ
En2.君と罰
En3.「C」

◆『桜舞い散る木の下でキミが待ってるワンマンツアー』
2016.3.11 (金) 池袋EDGE
2016.3.18 (金) 岡山IMAGE
2016.3.20 (日) 福岡queblick
2016.3.21 (月祝) 熊本Be9V-2
2016.3.23 (水) 広島CAVE-BE
2016.3.26 (土) 仙台MACANA ~成人生誕祭~
2016.3.27 (日) 宇都宮KENT
2016.4.01 (金) 新潟GOLDEN PIGS BLACKSTAGE
2016.4.03 (日) 長野LIVEHOUSEJ
2016.4.09 (土) 札幌COLONY
2016.4.10 (日) 札幌COLONY
2016.4.15 (金) 横浜BAYSIS
2016.4.16 (土) 西川口HEARTS
2016.4.20 (水) 稲毛K’SDREAM ~千歳生誕祭~
2016.4.22 (金) 名古屋ell.FITSALL
2016.4.23 (土) 大阪RUIDO
2016.4.29 (金祝) TFMホール ~芥生誕祭~

[チケット]
前売3,800円 / 当日4,300円 (D代別)
※2016.4.29 (金祝) TFMホールのみ
前売4,000円 / 当日4,500円 (D代別)

[最速先行受付中!]
Chantyモバイルサイト会員限定にて最速先行抽選受付中!
※スマートフォンにて、http://chanty.jp/ (Chanty Official Smartphone Site)にアクセス下さい。
※お申込みには、Chanty Official Smartphone Siteの有料会員登録が必要です。
※チケット申込数が先行予定枚数を上回る場合は抽選となります。予めご了承ください。

[受付期間]
モバイルファンクラブ会員限定先行 (A1~)
2015年12月23日22:00~2016年1月4日23:59

[プレイガイド先行]
プレイガイド先行 (B1~)
2016年1月16日10:00~2016年1月31日23:59
イープラス:http://eplus.jp/

[一般発売]
一般発売 (C1〜)
2016年2月6日

[入場順]
A1→B1→C1

◆2016年メンバー生誕祭
2016.5.17 (火) 松坂M’AXA ~野中拓生誕祭~
2016.8.29 (月) 広島セカンドクラッチ ~shia.生誕祭~
※詳細は後日発表

◆2マンイベント「人見知らない」
「人見知らない #1」 ~ChantyとDEZERTの場合~
2016.1.09 (土) 池袋EDGE

「人見知らない #2」 ~ChantyとKraの場合~
2016.1.28 (木) 池袋EDGE

「人見知らない #3」 〜ChantyとNeverlandの場合〜
2016.2.22 (日) 池袋EDGE

◆恋愛ゲーム「貴方日記~ユーフォリア~」(PCソフトゲーム版)とのタイアップ決定!
2016年3月11日よりライヴ会場と通販限定で販売予定
※詳細は後日発表

※「貴方日記~ユーフォリア~」(PCソフトゲーム版)とは?
「運命の男と相思相愛にならないと気が狂って死ぬ」という謎の病に冒された主人公が、あらゆる方向性から追い詰められ偏執的な考えに支配されていく物語。ストーカー偏愛がテーマの耽美系シナリオゲームです。
http://pro-page.jp/fpp/uuudiary/index

◆Chantyオフィシャルサイト
http://chanty.jp/