The Benjamin インタヴュー

エースで4番なんてほんのひと握り。補欠人生の敗者?!へThe Benjaminが希望に満ちた熱いエールをプレゼント。君も『バッターボックス』に立って「恰好つけよう」ぜ!TheBenjamin04A ヴィジュアル界のポップメイカー/ブリテュッシュロックバンドとして音楽的に高い評価を得ているThe Benjamin。元、花少年バディーズのミネムラアキノリ(Vo&G)/ウスイタクマ(Vo&G)/ツブクマサトシ(Voo&b)の3人を中心に2014年11月に結成。花少年バディーズ後期をサポート活動していたふうじ(Dr)を6月末に加え、現在は4人で活動中だ。
1月13日にThe Benjaminが2ndシングル『バッターボックス』を発売する。中にはガレージロックからブリットポップまで、「良質な歌物」を軸に据えたロックナンバーを収録。どの楽曲も、甘酸っぱくもプチ情けない青春模様を歌詞に投影。いわゆる「何処でもいる人たちの、チクッと痛み感じる想い」をThe Benjaminは歌に乗せ代弁してくれた。
4人が2ndシングル『バッターボックス』へどんな想いを投影したのか?!、以下のインタヴューにじっくり目を通していただきたい。

よく「音楽性の違いで」という言葉を聞くじゃないですか。そういうのって、人間性さえしっかりしていれば整えられること。バンド活動を続けてくって、「何をやりたいか??」よりも「誰と一緒にやりたいのか??」が重要だと思うんです。

――The Benjaminが誕生したのが…。
ミネムラアキノリ(以下、ミネムラ)2014年11月に結成、初ライブは2015年2月からなので、活動自体は1年ちょっと。ライブを始めてからはまだ1年経ってないですね。
――The Benjaminは最初に、ドラムのふうじさんを除く3人でスタート(ふうじもその頃からサポートドラマーとして活動)。3人は以前にビリー/花少年バディーズと活動を共にし続けてきた盟友たち。
ミネムラ 花少年バディーズを無期限活動休憩した時点では、今後も音楽活動を行うのかも含め、全員一度フラットな状態になり、各々で今後のことを考える形を取ったんですけど。自分に関して言うなら、「自分のやりたい音楽性を形にするうえで一番適したメンバーは誰か??」と考えたときに、今のメンバーが浮かんだところは大きかったですね。
ウスイタクマ(以下、タクマ)このメンバーみんな、そこは同じ気持ちだったからこそ、こうやって自然に集まったんだと思いますよ。
僕自身も、花少年バディーズとしての活動を終えたあとに「またバンドを続けるのか??」も含めいろいろ考えたんだけど。知り合いのバンドのライブを見てく中、「やっぱ、バンドを演りてぇなぁ」と思ったし、「バンドを作るなら誰と一緒に演りたいか??」と考えたときに、やっぱしこのメンバーだったんですよ。むしろ、このメンバーで活動していくこと自体が、すでに自然体なことっていうか…。
ミネムラ 前のバンドのときからそうですけど、ヴィジュアル系という枠の中で活動していながらも、そのジャンルの中に於いて特異な音楽性を演り続けてきたし、今もそういう音楽を求めているように、そこへ共感してくれるメンバーを見つけるのってなかなか難しいんですよ。そこを一番理解してくれているのが、このメンバーなんですよね。
――The Benjaminは、ヴィジュアルシーンの王道スタイルとは路線の異なる音楽性を提示しています。それでも、ヴィジュアル系というシーンの中で活動していきたかったわけですよね。
ミネムラ 僕ら、ヴィジュアル系の枠以外に友達がいないからね(笑)。
ツブクマサトシ(以下、ツブク)よく「音楽性の違いで」という言葉を聞くじゃないですか。そういうのって、人間性さえしっかりしていれば整えられることっていうか、バンド活動を続けてくって「何をやりたいか??」よりも「誰と一緒にやりたいのか??」が重要だなと思うんです。実際The Benjaminだって、個々に好きな音楽性の異なる面もあるけど、互いの個性を含めた人間性が好きだからこそ、そこを尊重しあって表現していけてる環境なんで。

1stミニアルバムの『Bobbin』にはThe Benjaminのライブに於ける定番曲もいっぱい収録していれば、ファンからの支持の強い歌も多いよう、The Benjaminとして求めてゆく音楽性の基盤をしっかり提示出来た作品に仕上がっているなと自分らでも感じています。
                     

――The Benjaminが提示しているのは、ブリティシュビート/ギターロックな姿勢。今のヴィジュアルシーンではとても珍しい音楽性を示しています。
ミネムラ 「このシーンでは」ね。以前はこのシーンにもそういうバンドは数少ないながらもいたんですけど、今はなかなか耳にしないですからね。むしろ、「ヴィジュアルシーンの中でブリティッシュパンクやギターロックを演るのがThe Benjaminらしさ」なのかも知れない。演っている側は、ただただ自分らの好きな音楽性を表現しているだけなんですけどね。
――1stミニアルバム『Bobbin』は、まさに王道ブリットロックな姿勢を詰め込んだ作品でしたからね。
ミネムラ 衣装や手にした楽器はもちろん、ヴォーカリスト不在なスタイルも含め、初期ビートルズを彷彿とさせるブリティッシュなスタイルを提示しましたからね。
――あっ、そうか。The Benjaminってヴォーカリストが不在という形でスタートしたバンドなんですよね。
ミネムラ 不在っていうか、The Benjaminは「楽曲を作った人がヴォーカルを取る」形で活動しているんですけど。それまで誰もヴォーカルを経験したことがなかったんで、いきなり「ヴォーカリスト」と名乗ることにみんな恥ずかしさがあったんですよ(笑)。それが、なんとなく「ヴォーカル不在のバンド」という体になり…。
ツブク ただ、こうやって1年近くライブ活動を続けていると、自然に「The Benjaminはみんな(ふうじ以外の3人)がヴォーカルを取るバンドなんだ」というのが浸透してきたのもあるし、歌うことに恥ずかしさを覚えることは無くなりましたからね。
――The Benjaminの場合、「楽曲を作った人がヴォーカルを担当」という縛りを設けてますけど。他にも「縛り」はあるんですか??
ミネムラ 楽曲のタイトルはすべて「B(バビブベボ)」から始まるのも、縛りにしているわけではないけど、今のところ縛りみたいにはなってるね。
ふうじ 暗黙の縛りとしてね。
ツブク むしろ、その縛りがあることで楽曲の発想が浮かんできますからね。創作期間へ入るたびに、「”ばびぶべぼ”の中から何かしら面白いワードを探さなきゃ」という気持ちになるというか。むしろ、何も制約がなく「自由に作ってください」と言われたほうが、どうしようと迷ってしまうからね。
――今、改めて『Bobbin』を振り返って感じる想いも教えてください。
ミネムラ The Benjaminのライブに於ける定番曲もいっぱい収録していれば、ファンからの支持の強い歌も多いよう、The Benjaminとして求めてゆく音楽性の基盤をしっかり提示出来た作品に仕上がってるなとは自分らでも感じています。

「ワンマンを組み、会場をソールドアウトさせることを目標に据えたほうが活動にも気合いが入る」と思って組んだところ、発売した初日にチケットがSOLD OUT!!。いきなり目標を達成しちゃって、「次はどうしよう」みたいな(笑)。

――『Bobbin』の時点ではまだ、ふうじさんはサポートドラマーでしたよね。何時頃からなんですか??、正式メンバーになろうと思ったのは。
ふうじ 『Bobbin』を作ってる時点では、まだライブ活動も始めていなかったし、サポートドラマーとして自分の役割をしっかり果たそうという意識だったんですけど。作品制作へ携わっている頃から、何となくですが「メンバーに」という話はあったし、その後もライブ活動のサポートをしていく中、自然な流れでメンバーになった感じでした。実際、加入発表も、初ライブから数えて4ヶ月弱くらいの時期でしたし。
――The Benjaminの場合、無理に活動を詰め込み「定めたレールを駆け上がらなきゃ」ではなく、長くバンドを続けていくためにも、自分たちに無理ないペースで活動を続けていませんか??
タクマ 最初は、まさにそういう気持ちで始めたんですけど。昨年8月なんか、月の半分くらいは全国ツアーも含めたライブ活動をしていたり。かと思えば、月に2本しかライブをやってないときもあるように、そこはどうなんだろうね??
ミネムラ 計画性がないんですよ(笑)。The Benjaminは2月21日に代々木バーバラで2回目となるワンマンライブを行うんですけど。それを計画したのも、昨年11月に演った1stワンマンの手応えがあったという理由もあるにせよ、「ワンマンを組み、会場をソールドアウトさせることを目標に据えたほうが活動にも気合いが入る」と思って組んだこと。そうしたら、発売した初日にチケットがSOLD OUT!!。もちろん嬉しいことなんですけど、いきなり目標を達成しちゃって、「次はどうしよう」みたいな(笑)。それくらいふわっとしてるんですよ。
――変な焦りなく活動しているところもいいですよね。
ミネムラ これまでの活動経験上、無理に計画を詰め込み、それを達成しようと躍起になるあまり、自分らの心が酸欠してしまうのが嫌なんですよ。下手に大きな夢を見て、その夢を叶えようと必死になったにも関わらず、屆かなかった。そのときほど心が不衛生になることはないというか、目的を達成するために苦しい顔をしながら余裕ない活動をしていると、応援してくれるファンの子たちに対してまでそういう姿を見せてしまうことになるから良くないなと思って。それよりも、精神的に良い笑顔をファンの子たちには見せていたいですからね。
――確かに。ここから2ndシングル『バッターボックス』の話に入りたいのですが、その前に、改めて1stシングルの『ベーゼ』を振り返っての想いも聞かせてください。
ミネムラ 遊び心いっぱいの作品でありながら、1stミニアルバム『Bobbin』の頃よりも音楽的なレンジも広くなってと、上手く進化出来た作品になりましたね。音源ではフェードアウトになってますが、ライブでは最後をメンバーのアドリブソロまわしをやったりと、そちらでも遊び心を発揮している楽曲にもなっています。

    間違いなく、昭和生まれの人たちの10代の青春はこういう気持ちでした。
                    

――まずは、2ndシングルを制作するうえでの狙いから教えてください。
ミネムラ 最初に構想していたのが、1stシングル『ベーゼ』の流れを組んだ賑やかなテイストの楽曲にしようか?、それとも、歌物でしっとり行こうか?という二つの選択肢。で、たまたま一番最初に出来上がったのが『バッターボックス』であり、それが賑やかな方向性だったんで、2ndシングルの表題曲はこの感じでいこうとなった感じです。
――いわゆるガレージロックなスタイルだ。
ミネムラ そう、メンバーの中に於ける流行りのスタイルがそこだったという。
――歌詞には、10代の汗くさくも甘酸っぱい青春模様を詰め込みました。
ミネムラ 今の10代の子たちの「青春」という言葉の捉え方がどうなのか、正直想像はつかないんですけど。間違いなく、昭和生まれの人たちの10代の青春はこういう気持ち。平成生まれの子たちも、我々と気持ちの根本が変わってないのであれば、ここに収録した曲たちにはきっと共感してくれると思います。

               『バッターボックス』

――表題歌となった『バッターボックス』には、恰好いい姿を見せて憧れの彼女の視線を惹こうとする球児の、バッターボックスに立ったときの心模様を投影。彼女がどう思うかはさておき、少しでも気を引きたくて恰好いい姿を見せたくなる心理、すっごくわかります。
ミネムラ この歌に出てくる主人公って一生懸命なんだけど、けっして恰好よくないでしょ。だって、歌の始まりが「かっこつけたいな」ですからね。でも、それくらいが我々にとっては一番等身大な姿かなと思って。そんなエースで四番なんて、ほんのひと握りですよ。
ふうじ この主人公は、ライトで八番??
ツブク レギュラーもらえてたら、まだマシなほう。彼は、普段はヤジ飛ばしの補欠選手じゃないかな?!
タクマ でも『バッターボックス』ではバッターボックスへ立ったように、一応試合には出てるけどね。それに、バッターボックスにさえ立ってしまえば、その人がレギュラーだろうか補欠だろうと、その瞬間だけはヒーローだから。
ミネムラ みんな恰好つけたいんですよ。でも、かならずしも恰好つくとは限らない。だからと言って『バッターボックス』はネガティブな歌ではなく、明るい希望を与える歌ですから。
――この歌、ライブで一緒に掛け合いしていけるのも魅力ですよね。
ミネムラ ラフィンノーズの『GET THE GLORY』みたいにね。そういう、ライブでファンの人たちと掛け合いしながら盛り上がれる曲を作りたかったんですよ。
――ふうじさんは、『バッターボックス』に対してどんな印象を覚えました??
ふうじ この歌の主人公は、自分を格好良く見せたいんだけど上手くいかない、そんな愛されキャラ。自分も中学生の頃、クラスの可愛い子に自分をアピールしようと格好つけようとしていた経験があるように、この気持ちわかりますね。
ツブク 僕も学生の頃の自分を思い出しましたね。僕は野球部ではなくバスケ部だったんですけど。ちょうど体育館を男子と女子に分けて練習してたんですよ。僕は、バスケ部の女子に気になる子がいて、よく練習中にも「こっちを見てくれてるんじゃないか?」と思いながら、恰好いいところを見せようと練習してました。実際には、見てるわけないんですけど(笑)。でも、自分が憧れの子を気にしているように、向こうもそうじゃないか??と勝手に思い込んでしまうんですよね、この頃って。
タクマ 僕なんか、リアル野球部でしたからね。しかも、野球の試合をする場所の横でテニス部の女子が練習してるという。実際、野球の試合をやってると、テニス部の女子たちが見てくれるんですよ。だから、自然と恰好いいとこ見せようと自意識過剰になっちゃうというか。絶対ヒット飛ばしてやるという気持ちでバッターボックスに立ってましたからね。
ふうじ 実際には見てないのに、そういう環境だと「絶対に俺のことを見てる」という気持ちになってしまうからね。
ツブク 相手はまったく見てないのにね。でも、意識してる男側は、向こうの子たちも見てたりする(笑)。
ミネムラ だから、たとえヒットどころかホームランを打っても、女子たちは見てないという。
ツブク 打てなくておちゃらけても、見てるのは男ばかり(笑)。
ミネムラ そもそも、そんな思い込みしてる男に誰も興味はないんだからさ。
タクマ ………。
――でも男の心理って、言われた気持ちそのまんまですよね。
ツブク そう。まぁ、何時見られてもいいように頑張れって感じですかね(笑)。

                 『ブレーキ』

――『ブレーキ』は、心地好いポップナンバーとして誕生。この歌に出てくる主人公、好きという気持ちが暴走しちゃっていませんか??
ツブク 自分の「好き」という気持ちを止められないんだけど。相手も、自分と同じじゃないか??と勘違いしている辺りは、『バッターボックス』に出てくる主人公にも近いのかなと思って。
ミネムラ でもさぁ、『バッターボックス』の主人公は絶対に憧れの子と上手く行かないんだけど、『ブレーキ』の彼は上手く行きそうな気もするんだよ。
タクマ 上手く行くか行かないかはわかんないけど、結果はどうであれ、すっごいポジティブだからね。
――思い込むあまりに暴走していける、その気持ちに羨ましさを覚えます。
ツブク 若い頃って自分の想像したまんまの気もちで突き進んでいくじゃない、その気持ちを音にも投影しようと思って。楽曲もストレートだし、演奏も同期音を一切取っ払い、4人の演奏のみで構築しているからね。
ふうじ 僕は、どうしても自分の気持ちにブレーキをかけてしまうほうだから、「ブレーキは壊れてた」と言えるこの歌の主人公がすごく羨ましい。
ミネムラ でも、演奏はアクセル全開だったじゃない。
ふうじ そう。ドラムは一発で録り終えたように、アクセル踏みっぱなし。私生活でもそうだったらいいけど、こっちはブレーキ踏みっぱなしなんで。
ツブク 僕も、私生活ではそう。普段は感情にブレーキをかけてしまう性格だからこそ、「こういう性格の人が羨ましいなぁ」と思って書いてしまうんだろうからね。
タクマ 10代の頃の僕は、まさに『ブレーキ』のような性格だったけどね。まわりの人らがどう見てたのはわかんないけど、何事も自分の気持ちのままに突き進んでた。さすがに今は、自分の心にブレーキをかけなきゃと言い聞かせてますけど(笑)。
ミネムラ 『ブレーキ』は、今回の一連の作業の中一番最後に生まれた曲なんですよ。これ、すっごくいい歌でしょ。すでに『バッターボックス』をリード曲にすると決めて作業が進行してたから頭には持ってこなかったけど。もし、この歌が最初に生まれてたら絶対にリード曲になってた。それくらい良い歌だったので、A/B盤両方に入れるC/Wに持ってきたんですよ。この『ブレーキ』、誰が聞いてもいい曲だと言うはずです。

                『バスストップ』

――『バスストップ』は卒業ソングになりました。
ミネムラ 春を間近に控えた時期でもあったんで、「卒業」をテーマに、「たまにはグッとくるような歌を作ってみようかな?!」と思い、甘酸っぱい曲を作りました。
――今回ミネムラさんが持ってきた『バッターボックス』も『バスストップ』も、10代の視点で描いていますよね。
ミネムラ なんか10代の頃のほうが、いろいろ描きやすいっていうか。むしろ、大人になったからこそ、あの頃を振り返っての理想や想いを投影していけるんですよ。『バスストップ』の中、卒業後に旅立つ自分に対して、相方から「ありがとな 寂しくなるな」と言われるんだけど。その当時の自分だったら、きっとこんな想像はしなかったんですよ。寂しくなるなんて思いもしなかったし、むしろ、「どうせまた逢える」くらいの気持ちだったと思うんです。でも、実際には卒業をきっかけに一生会わなくなる人もいるわけじゃないですか。だからこそ今になって、「あのときこういう言葉をかけてたら、もっと違う関係を作れていたのかな?!」「もっともっと友情がいい形を持って続いてたのかな?!」と思ってしまう。それを後悔しているわけじゃないんだけど。今の年齢になったからこそ、そう思えてしまうということで書いた歌なんですよ。
タクマ 10代の学生の卒業をテーマに据えてはいるけど、歌詞を読んでると、「やっぱし大人の視点だからこそ書ける想いだなぁ」と感じますからね。
――『バスストップ』では、ふうじさん以外の3人が輪唱しています。タクマさんの歌声、すっごく耳に響きました。
ミネムラ みんなもそれを言うように、よっぽどあなた(タクマ)の歌は胸に突き刺さるんだろうね。それだけ、飛び抜けた個性があるってことなんだろうなぁ。
――ツブクさんは、『バスストップ』をどのように捉えました??
ツブク 若い頃って、ここまでネクストステップに重きを置いていなかったというか、ぬるっとした感覚のまま「あっ卒業か」と卒業をして、ぬるっとした気持ちのまま「あっ、入学だ」と次の舞台へ進んでと自分は過ごしてきたように、この主人公のよう一つ一つの物事をもっとドラマチックに捉えられてたらなぁとは思いましたね。でも、こういう気持ちって、さっきの話にもあったように、時間や期間を経たからこそ感じられるんだと思いますよね。
ミネムラ この歌で一番大事にしたかったのが、歌の中にも「楽しみだ」と書いてあるように、これから始まる未来をワクワク楽しみにしていける気持ちなんですよ。なんだろう、この年齢になってくると、未来をポジティブに想像しにくくなる。それって悲しことじゃない。だけど10代の頃なんか、未来には輝きしかなかった。そういう未来に期待を持たせる気持ちを聞いてくれる人たちに伝えたかったし、たとえ嫌なことがあったとしても、未来を「楽しみだ」と思えてるだけで、そこから脱出する術や勇気も沸いてくる。そういう気持ちをみんなにも伝えたかったんですよね。

                  『絆創膏』

――「ぼくにはきみが必要」と、大好きな人と想い寄り添ってゆく心模様にグッときました。
ツブク 「B」の付く言葉をいろいろ思い浮かべてる中で出てきたのが絆創膏という言葉。その言葉が浮かんだはいいけど、漢字が頭の中に出てこなかったんですね。だから漢字を調べたときに気付いたんですよ。「絆創膏って絆を創るものなんだ」ということに。その言葉に気付いたとき、「相手との絆が剥がれないように」という気持ちが生まれ、『絆創膏』という歌が誕生しました。
ふうじ きっと、いろんな傷付く経験をしあったから、剥がれないように絆創膏で二人はひっついたんだろうね。
ツブク この二人の間には、過去につらいことがあったのかも知れない。傷を創ったからこそ、より絆が深まったのかも知れない。
ミネムラ でも、やがて傷は癒えるもの。そのときに二人は絆創膏を剥がしてしまうのかどうか…。
ツブク 二人とも、一生その傷は癒えないと思ってる。「あなたがいないと、わたしはすぐに傷が深くなるから、ずっと剥がれずにいて欲しい」って。
ミネムラ なるほどね。『絆創膏』は歌心を持った綺麗な曲なのに、イントロとアウトロがガチャガチャした演奏になっている。そこのギャップも面白さなんですよ。
タクマ 綺麗なメロディの歌と爆裂した演奏パートのギャップの激しさがたまんなく恰好いい曲だからね。
ふうじ とくに爆発した演奏の部分は、真似出来るんならやってみろというくらい、じつは難しいことをやってるんで。

     今年も楽しいことだけを考えながらThe Benjaminは進み続けます。

――2ndシングル『バッターボックス』を出してすぐにThe Benjaminは、全国各地のファンたちとの絆を深めるためのツアーに旅立ちます。
ふうじ そう、傷ではなく絆を創るために全国をまわります。
――今年のThe Benjaminは、どんな感じで進んでいくのでしょうか??
ミネムラ 今年はね、The Benjaminという存在を、もっと「カルチャー」としてこのシーンに根づかせたいなと思ってる。自分らでも、ヴィジュアルシーンの中で特殊なことやっている自覚があれば、何時の時代にも、隙間な音楽が新たな流行りを創っていくわけじゃない。実際にこのシーンにも、過去そういうバンドたちがいろいろと居た。それを今年はThe Benjaminが実践していきたいなと思ってて。
――2月21日に行う代々木バーバラでのワンマン公演を即効でSOLD OUTさせたように、その火種は十分に生まれていますからね。
ミネムラ 嬉しい反響ですよね。その火種が、The Benjaminをこのシーンの中の新しいカルチャーにまで押し広げる力になっていければ。そこは、頑張ります!!
――最後に、メンバーそれぞれ意気込みを語ってシメましょうか。
ふうじ まずは、全国ツアーの各所でホームランを打ちながら。たとえそれがヒットだとしても、毎回確実に塁へ出ながら攻め続けていきたいですね。
ツブク The Benjaminらしさの一つでもあるお洒落なアートワークやお洒落な音楽を、これからもっともっと洗練させていきたいのが一つ。ライブでは、毎回みなさんと楽しい笑顔生まれる場所を作り続けていけたらなと思っています。
タクマ この1年ちょっとの活動で、The Benjaminとしての基盤はしっかり出来たので、そこをもっともっと突き詰めながら。何より、「自分たちも、お客さんたちも楽しく」を大前提で活動しているように、そこもしっかり突き詰めていきたいですね。あっ、あとですね、今回の『バッターボックス』のジャケットが可愛くてインパクトあるので、これをCD店で目にしたら、みなさん面出ししといてください!!
ミネムラ The Benjaminは、つねに面白いことや楽しいことだけを考えてる。それにそぐなわいことは一切やらないように、今年も楽しいことだけを考えながらThe Benjaminは進み続けますので、応援よろしくお願いします。

                           TEXT:長澤智典

The Benjamin Web
http://thebenjamin.jp/

☆CD情報☆
BDBX0032A_jake_L
2nd Single『バッターボックス』/The Benjamin
2016.01.13 Reliese  
【初回限定盤TYPE-A】
品番 : BDBX-0032A
価格 : \1,500 (税抜)
CD収録曲:
1.バッターボックス
2.ブレーキ
3.バスストップ
BDBX0032B_jake_L
【初回限定盤TYPE-B】
品番 : BDBX-0032B
価格 : \1,500 (税抜)
CD収録曲:
1.バッターボックス
2.ブレーキ
3.絆創膏

発売 : 株式会社BadeggBox
販売 : BM.3                                  
☆LIVE/インストア情報☆

2015.12.28 (Mon) 名古屋ElectricLadyLand
2015.12.31 (Thu) 渋谷DESEO
2016.01.03 (Sun) TSUTAYA O-WEST
2016.01.04 (Mon) 高田馬場AREA
2016.01.11 (Mon) SHIBUYA Rex ※ミネムラ、ツブクのみ出演
2016.01.16 (Sat) 名古屋ell.SIZE
2016.01.16 (Sat) 名古屋fiveStars
2016.01.17 (Sun) 神戸VARIT.
2016.01.19 (Tue) 福岡DRUM Be-1
2016.01.20 (Wed) 福岡DRUM Be-1
2016.01.20 (Wed) 福岡SKULLROSE
2016.01.22 (Fri) 岡山IMAGE
2016.01.23 (Sat) ESAKA MUSE
2016.01.23 (Sat) little HEARTS.大阪店
2016.01.24 (Sun) 京都MOJO
2016.01.24 (Sun) 京都Ai-華龍
2016.01.28 (Thu) 仙台HooK
2016.01.28 (Thu) little HEARTS.仙台店
2016.02.06 (Sat) 渋谷DESEO
2016.02.06 (Sat) 渋谷DESEO
2016.02.14 (Sun) ライカエジソン東京店
2016.02.14 (Sun) 新宿自主盤倶楽部
2016.02.14 (Sun) little HEARTS.新宿店
2016.02.21 (Sun) 代々木Barbara 【LIVE】※ワンマン
2016.02.21 (Sun) 代々木Barbara 【PARTY】※ワンマン
2016.03.13 (Sun) ヴィレッジヴァンガード池袋サンシャインシティアルタ店
2016.03.13 (Sun) 池袋Brand X
2016.03.27 (Sun) 渋谷ZEAL LINK